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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

’70年代(93)映画「わらの犬」(1971)

 
わらの犬」(原題:Straw Dogs) は、アクション、バイオレンス映画の巨匠だった
サム・ペキンパー監督作品。この映画でも、バイオレンスが炸裂した。
 
暴力が横行する現代アメリカに嫌気がさして、平和を求めてイギリスの片田舎に妻とともに逃れてきた若い数学者(ダスティン・ホフマン)。しかし、そこで待ち受けていたのは…。

 

平凡に見える人間の奥底に潜む本能。極限状態の中で、抗しきれない暴力の本能がめらめらと湧き上がる恐怖。

 

 

 

ダスティン・ホフマンが、「真夜中のカーボーイ」「小さな巨人」などのあとに取り組んだバイオレス・アクション。
 
奥さん役にはこれが代表作でもあるスーザン・ジョージが扮している。
STRAW DOGS(わらの犬たち)とは、中国の思想家・老子の語録の中からとった言葉だそうで、超人間的存在である天から見れば、人間の行動は護身のために焼くわらの犬のようにちっぽけな存在にすぎないという意味だという。
 
アメリカの若い宇宙数学者デビッド(ダスティン・ホフマン)は、自らの平和主義の信念に従い、暴力に満ちたアメリカの現体制に反発し、エミー(スーザン・ジョージ)と共にイギリスに渡った。
コーンウォール州の片田舎にある農家に住み、何ものにも煩わされることなく数学の研究に専念し、書物にしようと考えていた。エミーも、コーンウォール出身で、この村に移ってくるとたちまち村の若者の眼をひいた。
 
デビッド夫妻は、農家に落ち着くと、早速職人たちを雇って納屋の修理をさせることにした。ところが、その中に、エミーがデビッドと結婚する前に関係のあったベナー(デル・ヘナー)がいた。
ある日、デビッドが村の若者たちにすすめられ、彼らがあらかじめ用意しておいた狩場へ鳥を撃ちに出かけた留守中に、彼を誘いだす計画をたてたベナーとスカットがエミーに暴行を加えたのだった・・・。

 

村人たちの懇親会が、人間関係のもつれ、運命の歯車の狂いから、やがて恐ろしい地獄図のような暴力の嵐に巻き込まれるとは…。

 

ダスティン・ホフマンの演技には、このころから非凡さが感じられたが、この映画でも、一見おとなしそうな数学者が、信じられない行動に出るさまが、リアルに描かれていた。

 

ペキンパー映画の真髄だった。代表作は大ヒットした「ゲッタウエイ」(1972)(スティーブ・マックィーン主演)と「ワイルドバンチ」。

 

サム・ペキンパー監督作品:
 (TVシリーズ
1955年 「ガンスモーク(TVシリーズ)」
1958年 「ライフルマン(TVシリーズ)」
1960年 「遥かなる西部(TVシリーズ)」
    「風雲クロンダイク(TVシリーズ)」
  (映画)
1961年 「荒野のガンマン(THE DEADLY COMPANIONS)」
1962年 「昼下がりの決斗(RIDE THE HIGH COUNTRY)」
1964年 「ダンディー少佐(MAJOR DUNDEE)」
1969年 「ワイルドバンチ(THE WILD BUNCH)」 ☆☆☆☆
1970年 「砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード(THE BALLAD OF CABLE HOGUE)」
1971年 「わらの犬(STRAW DOGS」 ☆☆☆
1972年 「ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦(JUNIOR BONNER)」☆☆☆
1972年 「ゲッタウェイ(THE GETAWAY)」 ☆☆☆☆
1973年 「ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯(PAT GARRET AND BILLY THE KID)」★★
1974年 「ガルシアの首(BRING ME THE HEAD OF ALFRED GARCIA)」  ☆☆☆
1976年 「キラー・エリート(THE KILLER ELITE)」
1977年 「戦争のはらわた(CROSS OF IRON)」
1978年 「コンボイ(CONVOY)」
1983年 「バイオレント・サタデー(THE OSTERMAN WEEKEND)」