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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「告訴せず」(1975)</span>


                          ↑青島が若い!
 
 松本清張原作の映画「告訴せず」(1975)は、政治とカネにまつわるスキャンダル映画。
 映画の前に、実際に参議院議員にもなった青島幸男(後に、東京都知事に)が主演。
 
 金権選挙を取りまく人間の醜い欲望とうずまく黒い霧の中で抹殺された一人の男の哀歓を描いた。
 脚本は「華麗なる一族」の山田信夫、監督は「王将(1973)」の堀川弘通

 清張の原作の面白さを忠実に再現していた。

 うだつの上らない、いつも女房に怒鳴られている男(青島幸男)。
 妻の兄、木谷芳太(渡辺文雄)は衆議院選挙に立候補し、今当落ライン
 ギリギリだった。

 実弾しかないと、東京の大臣に頼み込む。
 投票日まであと3日。芳太と妹(樹木希林)は相談し、自分の夫に新幹線でその金
 3000万円を取りに行かせることに。

 ところが、男は現金を受け取るとそのまま帰らなかった。
 彼はその金で人生を変えることにしたのだった・・・。
 芳太にしても、黒いカネであり、公けにはできない。
 裏取引や、闇の中の動きが始まる・・・。


 岡山県A市から衆院選に立候補している木谷芳太(渡邊文雄)は、当落の瀬戸際にいる
 ため派閥を裏切り、反対派のボスから資金3,000万円を調達した。
 
 その金の運搬を、妹・春子(樹木希林)の亭主で、食堂を経営させている婿養子の
 省吾(青島幸男)に依頼した。
 
 東京で金を受け取った省吾は、その金を持逃げした。それは今まで木谷にアゴで使われ、
 女房からも馬鹿にされてきた愚直な男の反抗でもあった・・・。

 省吾は、「福山誠造」と偽名し、東京から伊香保温泉へ逃れた。そこで旅館の女中、
 お篠(江波杏子)を知った。
 
 ある日、旅館に盗難事件が起き、警察は省吾の3,000万円の出所を追求した。

 だが、選挙に当選した木谷は省吾を告訴できず、両者は無関係を主張した。
 再び東京に出た省吾は穀物仲買人「平仙」を訪ずれ、1,350万円を小豆相場の
 「買い」に張った。

 省吾の水際だった投資ぶりに「平仙」の山脇営業主任は、外務課の小柳を省吾の係りに
 指名した。客溜りの大場老人(加藤嘉)は、そうした省吾の一部始終と彼の岡山訛りに注目していた。

 そして、もう一人の男も・・・。3ヵ月後、小豆の相場は4,500万円にまで上っていた。
 足繁く省吾の家を訪ねた小柳はいつしかお篠と親密な間になり、彼女にモーテルの経営を
 すすめた。やがて小豆生産地の北海道が突然の天候異変でダメージを受けたために、相場は
 一拠に高騰し、省吾の手に2億4,000万円の金が入った。

 省吾は、お篠に内緒で各6,000万円を四つの銀行に預けた。お篠はモーテルの経営に本腰を
 入れはじめた。省吾は土地や建物を法的に登記できないために不動産業・森山の紹介で
 1億2,000万円の中古モーテルをお篠の本名浜島シノ名義で手に入れた。

 モーテルが開店の日、省吾は数々の花輪の中に衆議院議員・木谷芳太の名を発見して驚愕した。
 「福山誠造」が木谷省吾であることは、お篠も、小柳も知らない。省吾の頭に大場老人の顔が
 浮かんだのだった・・・。

 だが、もう一つの黒い影が彼を見つめていることを気づかない。
 モーテルの繁盛を尻目に省吾は売却を急いだが、その行動は森山からお篠に連絡されていた。
 数日後、モーテルの一室から出火した。省吾は何者かに非難バシゴをはずされ地上に落下した。
 そしてある殺意を感じ恐怖に襲われた。しかも、一週間後に退院すると、お篠は「福山誠造」の
 改印届を出し、5,000万円を銀行から借りていた。

 さらに東京に預けてあった1億2,000万円の預金も完璧に略奪されていた。だが、戸籍も
 身分証明もない省吾には、詐欺にかかったことを告訴することができない。

 省吾はお篠と小柳の行方をつきとめたが・・・そこには二人と談笑する大場老人と、お篠を
 影であやつっていた影の男の姿があった。

 数日後、東京のある川に、一人の男の水死体が上った。男の洋服には「福山」の印鑑が
 入っていた。死体は他殺の疑いもあったが、結局、自殺として処理された。(Gooより)

 こういう社会派、政治映画は好み。
 「金環蝕」「華麗なる一族」などもいい。

 
 キャスト(役名)
青島幸男 (木谷省吾)
江波杏子 (お篠)
渡辺文雄 (木谷芳太)
悠木千帆(=樹木希林)(木谷春子)
西村晃  (光岡寅太郎)
高木真二 (中井健)
小沢栄太郎 (大臣)
佐原健二 (秘書)
加藤和夫 (秘書)
加藤嘉  (大場老人)