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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ラストマイル」(監督・塚原あゆ子、脚本家・野木亜紀子、2024)を見る。

映画「ラストマイル」(2024)を見る。MOVIX さいたまにて。タイトルは、物流サービスの用語で「荷物を顧客に届ける最後の区間」のこと。邦画の実写映画ですでに45億円突破の大ヒット。(追加:9月末時点で動員が338万人、興行収入48億円を突破。)

テレビドラマの「アンナチュラ」と「MIU404」でタッグを組んだ監督・塚原あゆ子脚本家・野木亜紀子によって描かれたノンストップ・サスペンスエンタテインメント。この2作と世界観を共有する”アベンジャーズ”があるシェアード・ユニバース作品。

大手ショッピングサイトの関東センターから出荷された荷物に次々と爆発物が仕掛けられる謎の連続爆破事件が発生。そのセンター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)が未曽有の危機に立ち向かっていく姿を描く。

主演の満島ひかりが元気はつらつと演じていて「スオミの話をしよう」の長澤まさみと、主演女優賞を争うことになりそうだ。

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冒頭、ロッカーの中にサインペンで殴り書きされた文字が目に飛び込んでくる。そこには、2.7m/s → 70kg 〇とある。そして「ラストマイル」のタイトル。 

流通業界最大のイベントである11月のブラックフライデー前夜、世界規模のショッピングサイトの関東センターから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生し、やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展する。

関東センター長に着任したばかりの舟渡エレナ(満島ひかり)は、チームマネージャーの梨本孔(岡田将生)とともに事態の収拾にあたるが…。

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ネット通販などの巨大なショッピングサイト(アマゾンを連想させる)の配送システムなどが興味深い。荷物の爆破事件が相次ぐが、誰が何の目的で…という謎が明らかになっていく。

また、送料無料というのが多いが、配送運賃はどこがカバーしているかと言えば、巨大なショッピングサイトから委託された配送業者がかなり安い料金で請け負っている(劇中、1個150円という会話があり、20円値上げになるという話も)からである。

かつての配送仲間で一日に200個扱ったツワモノがいたというが、結局過労からか亡くなったという。

巨大な物流と配達業者の実態を背景に次々に起こる荷物の爆発の理由とは…。

この映画は劇場で観るべきと思った。何度か爆発が起こるが、爆音が心臓にズキンとくる迫力だった。

映画がヒットしているのは、テレビドラマ2作品を見ている視聴者が劇場まで足を運んだとも考えられる。2つのドラマは未見だが、登場人物がその役のまま映画にも登場している。

というわけで、主役を張れるような俳優、女優が短いカットで多数出演していて、贅沢な印象を持った。

出演俳優のエンドクレジットで、トップは主演女優(満島ひかり)だが、トメ(キャストの中で最後に名前が出る人;W主演に近い重要な役柄)は麻生久美子だった。西武蔵野署・署長役で連続爆破事件の捜査を指揮していた。

爆破事件のニュースを伝える大型スクリーンは新宿のユニカビジョンが使われている。2016年にヒットした新海誠監督作品「君の名は。」でも東京のシーンで登場し「聖地」として知名度を上げた。

外資系の会社のドライさと日本人の勤勉さとの狭間の苦悩というのも垣間見えた。

「企業理念」が12項目のスローガンに集約されていたが、その中でも「全てはお客様のために」(Customer-centric)という言葉が何度も繰り返される。流通の課題・問題(人手不足、委託配達料の安さなど)に優先される。ほかにも「限界は自分で決める」(No Limit)「自らの責任で行動」(Responsibility)など。

こうしたことが勤勉な日本人にプレッシャーとなったのか。一年で最も稼ぎ時である「ブラックフライデー」が怖いということに結びついていく。

有名ショッピングサイトDAILY FAST」に模したサイト「DAILY FAUST」が登場するのも消費者を混乱させる。

<スタッフ>

監督: 塚原あゆ子
映画脚本: 野木亜紀子
主題歌: 米津玄師「がらくた」
制作会社: TBSスパークル

<主な登場人物>
■舟渡(ふなど)エレナ:満島ひかり…ショッピングサイト「DAILY FAST」のアメリカ本社から日本の物流拠点・関東センターのセンター長の後任としてとしてやってくる。
■梨本孔:岡田将生…転職して2年前からセンターのチームマネジャー。エレナに振り回されながらも事件解決に奔走する。
■八木竜平:阿部サダヲ…ショッピングサイト「DAILY FAST」の輸送を担う運送会社、羊急便の関東局局長。
■五十嵐道元ディーン・フジオカ…日本支社統括本部長。エレナの上司。
■桔梗ゆずる:麻生久美子…西武蔵野署・署長で、連続爆破事件の捜査の指揮を執る。かつては女性初の警視庁刑事部機動隊の隊長だった。
■伊吹藍:綾野剛…警視庁刑事部・第4機動捜査隊・隊員。機動力と運動神経に優れる。
■志摩一未:星野源…警視庁刑事部・第4機動捜査隊・隊員。観察眼と社交性に長けた理性的な刑事。

■勝俣奏太:前田旺志郎…機動隊の初動捜査で活動。

■陣馬耕平:橋本じゅん…警視庁刑事部・第4機動捜査隊・班長
■毛利忠治:大倉孝二…西武蔵野署の刑事。本事案の捜査にあたり、捜査一課の刈谷とコンビを組むように命じられた。
刈谷貴教:酒向芳…捜査一課所属刑事。西武蔵野署の毛利を案内役として捜査にあたる。
■小田島:丸山智己…警視庁警備部爆発物処理班・班長
■佐野昭:火野正平…羊急便の委託ドライバー。
■佐野亘:宇野祥平…昭の息子。父とともに配達員となる。
■三澄ミコト:石原さとみ…「不自然死究明研究所(UDIラボ)」法医解剖医。
■中堂系(なかどうけい):井浦新…UDI法医解剖医。
■久部六郎:窪田正孝…6年前、UDIラボアルバイト。現在は東央医大研修医。
■東海林夕子:市川実日子…UDIラボ臨床検査技師
■坂本誠:飯尾和樹…UDIラボ臨床検査技師
■神倉保夫:松重豊…UDIラボ所長。元厚生労働省医政局職員。

■三澄夏代:薬師丸ひろ子…民事事件担当弁護士。ミコトの義理の母。

■松本里帆:安藤玉恵…2人の子供をもつシングルマザー。
■木林南雲:竜星涼…葬儀屋。

白井一馬:望月歩…バイク便で働く。

映画館入場者に「シール」が配布されていた。

 

www.youtube.com

シネコン、MOVIX さいたま周辺の巨大モール(Cocoon 1,2,3)と反対側はさいたまアリーナなど。

 

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