映画「キングスマン」(原題:Kingsman:The Secret Service, 2014)はシリーズ第1作。第2作目を先に見て第1作をあとから見た。原作はマーク・ミラーとデイヴ・ギボンズによるコミック「キングスマン:ザ・シークレット・サービス」。
続編「キングスマン:ゴールデン・サークル」が2017年に公開され、2021年12月には前日譚となる「キングスマン:ファースト・エージェント」が公開された。
オープニングのタイトルバックが洗練されている。要塞のような建物のブロックが爆破され、その破片がタイトル文字などに変わっていく。
出演はコリン・ファ―ス、タロン・エガートン、マイケル・ケイン、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ストロングのほか「スター・ウォーズ」のマーク・ハミルも。
<ストーリー>
諜報機関キングスマンの一員でガラハッドのコードネームを持つハリー・ハート(コリン・ファース)は任務中にミスを犯し、同行していた候補生リー・アンウィン(ジョノ・デイヴィース)の犠牲によって部隊全員の命を救われる。
ハリーはリーの遺族の助けになろうとするが、彼の妻であるミシェル・アンウィン(サマンサ・ウォマック)に拒絶されてしまい仕方なく幼い息子エグジーに1枚のメダルを渡して立ち去った。
17年後、キングスマンの1人であるランスロット(ジャック・ダヴェンポート)が任務中に亡くなってしまう。彼はある傭兵部隊の偵察中に、拉致されていたアーノルド教授(マーク・ハミル)の救出を試みたのだが、それに失敗したのだ。
キングスマンのリーダーであるアーサー(マイケル・ケイン)はハリーを呼び出し、ランスロットの後任選出と任務の引き継ぎを指示するのだった…。
そのころ、成長したエグジー(タロン・エガートン)はロンドンの下流家庭でミシェルとその再婚相手ディーンと暮らしていたが、現在は街の不良として荒んだ生活を送っていた。
ある日、敵対する不良グループへの仕返しに彼らの車を盗んだところを逮捕されてしまったエグジーは、幼い頃に手渡されたメダルを取り出し「困ったら頼れ」と言われていた裏面の番号に電話を掛ける。すると間もなくしてエグジーは釈放された。
不思議に思いながら警察署から出てきたエグジーを待っていたのは、立派なオーダースーツに身を包んだハリーだった。
エグジーの経歴を知るハリーは、命の恩人で勇敢な男だったリーの息子が、優れた知能や身体能力を持ちながら、それを活かせていない現状に苦言を呈し始める。
境遇や環境が悪いとエグジーが反論していると、そこに不良グループが現れてエグジーに絡み出した。
不良グループから暴言を浴びせられたハリーは「マナーが 作るんだ 人間を(Manners Maketh Man:「礼節が人を作る」)」と発言すると、華麗な戦闘技術で不良グループを撃退してしまう。
驚いたエグジーは、このことを一切口外しないと約束し、去っていくハリーを見送った。
・・・
後日、正式にキングスマンのエージェントとなったエグジーは、DVを行うディーン・ベイカー(ジェフ・ベル)からミシェルを救い出すため故郷に戻っていた。
ミシェルを渡すまいと暴言を吐くディーンに対してエグジーは、かつてのハリーが不良グループを相手にしたシーンを想起させる行動を行い、物語は終わる。
若いエージェントの誕生とその成長物語が描かれていく。続編では、エグジーは、欠かせないエージェントとなっている。コリン・ファ―スがキレのあるアクションを見せる。特殊機能を持つ傘などの小道具が活躍する。
しゃれた小ネタのセリフも多い。
ハリーがエグジーに対して、映画「大逆転」を見たか?と聞くと「見ていない」。「ニキータは?」「見ていない」という。貧しい出でも高級服のキングスマンになれるというたとえ話としてなまっを出したものだが、「マイ・フェア・レディ」なら見ていると答えるエグジー。
キングスマンのリーダー、アーサーが、エグジーのバグ犬の「JBというのはジェームズ・ボンド?それともジェイソン・ボーン?」と聞くと「ジャック・バウアーです」というのもいい。
<キャスト>
■ゲイリー・“エグジー”・アンウィン:タロン・エガートン…人生を諦めた不良青年。優れた能力を持っており、海兵隊へ入隊した時期もあったが、息子の死を恐れた母ミシェルの影響で除隊している。ハリーによってキングスマンにスカウトされ、亡き父もまたキングスマン候補生であったことを知る。
■ハリー・ハート:コリン・ファース…キングスマンのベテランスパイ。コードネームはガラハッド。キングスマンに出自は関係ないとして、17年前にエグジーの父リーをキングスマンに勧誘した。
■リッチモンド・ヴァレンタイン:サミュエル・L・ジャクソン…IT事業で成功した大富豪で環境問題に関心を寄せている。血を見ると嘔吐してしまう性質。実は著名人の失踪事件の首謀者で、地球を救うために人口を減らす世界規模の計画を進めている。
■マーリン:マーク・ストロング…キングスマンを補佐する男性。候補生を指導する教官でもある。
■アーサー:マイケル・ケイン:大物感漂うキングスマンのリーダー。本名はチェスター・キング。「キングスマンには上流階級出身者が相応しい」と考えている。
■ロクサーヌ・モートン:ソフィー・クックソン…キングスマン候補生。愛称はロキシーで推薦者はパーシヴァル。上流階級出身でありながら、エグジーを見下さない数少ない人間。高所恐怖症。
■ガゼル:ソフィア・ブテラ…ヴァレンタインの部下である、両足が義足の殺し屋。運動能力が高く義足に仕込んだ鋭利な刃物を使って戦う。
■ミシェル・アンウィン:サマンサ・ウォマック…エグジーの母親。再婚相手のディーンとの間に幼い子供がいる。自堕落な生活を送っており、ヴァレンタインの無料SIMカードも丸1日並んで手に入れた。夫を亡くしたことで身内の死に対して過敏になっている。
■ディーン・ベイカー:ジェフ・ベル…ミシェルの再婚相手。不良グループのリーダーでエグジーやミシェルに暴力を振るう。
■チャーリー・ヘスケス:エドワード・ホルクロフト…キングスマン候補生。上流階級出身でエグジーを見下しており、他の候補生と一緒にエグジーへ嫌がらせ行為を行う。
■アーノルド教授:マーク・ハミル…フルネームはジェームズ・アーノルド。ガイア理論を提唱する学者。
■ランスロット:ジャック・ダヴェンポート…キングスマンのベテランスパイ。アーノルド教授の救出を試みるが、その場に現れたガゼルに殺害される。17年前、エグジーの父リーが亡くなった任務に同じ候補生として同行していた。
■ティルデ王女:ハンナ・アルストロム…スウェーデンの王女。ヴァレンタインの計画に反対し秘密基地に監禁されている。潜入中のエグジーに「世界を救ったらイイコトしましょ」と約束する。
■スウェーデンの首相:ビョルン・フローバルグ…ヴァレンタインの考えに賛同した1人。内心は共和主義であり、ティルデ王女をあっさりと見捨てる。
■リー・アンウィン:ジョノ・デイヴィース…エグジーの父親。元キングスマン候補生。17年前の任務中、敵の自爆攻撃からハリーを庇って殉職した。
■JB:バグ犬…エグジーが訓練の一環として育てることになったパグ。名前の由来は「24 -TWENTY FOUR-」のジャック・バウアー。
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