「御手洗家、炎上する」（全8話、2023）を一気に見る。復讐劇を描くサスペンス。また、家族を描くヒューマンドラマでもあり、ラブストーリーでもある。
若手のホープ俳優の一人、永野芽郁（めい）とベテランの鈴木京香が主演。ニートを演じる工藤阿須加や、病弱の女性を演じる吉瀬美智子などは、これまでのイメージとはがらりと違って別人のような役作りで驚く。
タイトルの「炎上する」は、火災による家屋の炎上とSNS、ネットの炎上の二つを掛け合わせている。御手洗家の豪邸を炎上させたのは誰か、といった推理もあるが、最後に意外な人物が明らかになる。
原作は、藤沢もやしの漫画（「Kiss」2017年5月号-2021年6月号、全8巻）。SNSの怖さ、マスコミなどの過激な報道など行き過ぎた社会問題も描いていて見どころ十分。
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代々病院を経営する御手洗家。さかのぼること13年前、自宅兼医院が全焼するという事件があった。
原因は台所での火の不始末とされ、燃えさかる家の前で母・御手洗皐月（吉瀬美智子）が土下座する光景を、御手洗家の長女・杏子（あんず、永野芽衣）はまざまざと見せつけられた。
後日、責任を深く感じた母は2人の娘を引き取り、離婚することで事態は収束した。しかし、火事の当日燃えさかる炎を見ながら、ほくそ笑む真希子（鈴木京香）を見かけた杏子は、火事を起こしたのは真希子のせいではないかとの疑念が湧いていた。
時を経て、今は御手洗家の後妻におさまっている真希子を調べるため、杏子は友人の「山内しずか」の名前を名乗って家政婦として潜入し、火事に隠された真相を暴くことを決意する。
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長男の引きこもりを、海外駐在と偽り、豪邸の二階に住まわせ続け、自らは料理もできないのに、家政婦に料理させ、自ら料理したように見せかけ、強欲でセレブ気取りの真希子の隠された顔が徐々に暴かれていく展開など面白い。
杏子の目的は、母が火災を起こした張本人に仕立て上げられ、記憶喪失に陥ってしまい入院していることから、真犯人を突き止め母に謝罪をさせるというもの。
犯人は、真希子なのか、それとも…といった謎に迫っていく。
ネットフリックス・ドラマ・シリーズの本作は、外国でも人気上昇中といい、日本製ドラマが広く海外に知られていくのはいいことだ。出演俳優も、国際的な知名度向上にもつながっていきそう。
杏子（白鳥玉季）は、中学生の頃、高校生の希一（中川翼）と夜空の星を眺めていたことがあり、今は引きこもりとなって対人恐怖症になっている希一。
杏子は、希一の母親・真希子に「お話があります」という。
そして、それは「希一さんを私にください」だった（笑）。「何を言っているの。希一が社会でやっていけるわけがない」と全否定する真希子だったが「私に飛び込んできて」という杏子に希一は、迷いもなく飛び込んだ！
しばらく時を経て、それぞれの職場から、家に帰る杏子と希一は「おかえりなさい」と言いあうのだった。
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【主要人物】
■村田杏子（あんず）／山内しずか（偽名）／御手洗杏子（旧姓名）：永野芽郁（少女期：白鳥玉季）：御手洗家に派遣される家政婦。表向きは従順な家政婦を装っているが、その実態は「13年前に失った全てのものを奪い返す」ため御手洗家に近づき、事件の真相を密かに探っている。普段はマジメで落ち着いた振る舞いをしているが、実際はかなり勝気な性格。学生時代は眼鏡をかけていたが、現在は変装のためコンタクトレンズを着用していて、子供時代の面影は薄れている。
■御手洗真希子/渡真希子（旧姓名）：鈴木京香…御手洗家の後妻。元々は貧しい生活を送るシングルマザーだったが、治と再婚してセレブ妻となる。読者モデルとして売り出し、偽りの私生活をインスタグラムに投稿している。
■御手洗希一/渡希一（旧姓名）：工藤阿須加（青年期：中川翼）…真希子の連れ子。御手洗家の長男。
■御手洗真二/渡真二（旧姓名）：中川大志（少年期：山城琉飛）…真希子の連れ子。希一の弟。帝明大学に通う医大生。
■村田柚子（ゆず）/ 御手洗柚子（旧姓名）：恒松祐里（幼少期：真木ことか）…杏子の妹。姉とは正反対な無鉄砲さが武器。
■村田皐月/御手洗皐月（旧姓名）：吉瀬美智子…杏子の母。13年前の大火事で心身を壊した。若いころから虚弱体質に悩まされていた。離婚してから数年後、極度のストレス状態が続いたことで心身を壊し、さらに部分的な記憶喪失に陥るほど容態が悪化したため入院生活を送っている。
■御手洗治：及川光博…真希子の再婚相手。杏子・柚子の実父で希一・真二の義父。「みたらい病院」の三代目院長。専門は内科。4人姉弟の末っ子。保身的で流されやすい事なかれ主義者。
■山内しずか／クレア（仮称） : 北乃きい…杏子の親友で、御手洗家潜入の協力者。協力の一環として、杏子に名義を貸し出している。
■市原美津子：濱田マリ…15年間「みたらい病院」に勤務する看護師長。真希子の手先。皐月への信頼は変わらず、入院中の皐月を訪れている。
■葛木七海（かつらぎ ななみ）：小西桜子…帝明大学の教育学部に通う女子大生。ミスコンで準優勝に選ばれるほど容姿端麗だが、裏表の激しい打算的な性格。
