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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

★”泣かせる映画”シリーズ:「悲しみは星影と共に」(1966)。

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悲しみは星影と共に」(1966)。

エディス・ブリュックの自伝的小説「街へ行く」を、ブリュックとネロ・リージ、チェザーレ・ザヴァッティーニ、イェジー・ステファン・スタウィニュスキーが共同脚色、ドキュメンタリー出身の新人ネロ・リージが監督した戦時下の悲劇。

撮影は「奇跡の丘」のトニーノ・デリ・コリ、音楽は新人イヴァン・バンドールが担当。出演は「ドクトル・ジバゴ」のジェラルディン・チャップリン、「シェルブールの雨傘」のニーノ・カステルヌオーボ、「国境は燃えている」のA・ガブリック、それに子役のフェデリコなど。

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ユーゴの片田舎に若い娘レンカ(ジュラルディン・チャップリン)と盲目の弟ミーシャ(フュデリーコ)が住んでいた。レンカは眼に見える世界がどんなにすばらしいか、くりかえしミーシャに話し、いつか手術をするから、というのだった。

その頃ユーゴでもドイツ軍のユダヤ人圧迫が始まっていた。二人はユダヤ人。彼らの父ラクト人はユダヤ人で、彼らの父ラクトは収容所に送られていた。

レンカの恋人イヴァンは森にこもって最後の抵抗を続けるパルチザンだったがドイツ軍が彼らの部隊に報復手段に出たとき、二人はミーシャをつれて、まだ平和だった頃よく遊びに来た保育園に逃げた。

数日後ラクトが収容所から脱走してきた。レンカは父を屋根裏部屋にかくした。ラクトの依頼で偽の証明書作りに出かけたイヴァンはドイツ軍に発見され、負傷して帰ってきた。

追ってきたドイツ軍の目をイヴァンからそらせるため、とびだしたラクトは銃弾に倒れたが、イヴァンの手当にやってきた医師は、ラクトの死を二人の子供に話すことができず、イヴァンにだけ話した。

イヴァンがラクトの死をかくしていたように、レンカもまたイヴァンにかくしていることがあった。姉弟は収容所に送られることになっていたのだ。

若いレンカにとって、青春の唯一の甘美な思い出は、保育園でのイヴァンとの淡い恋の数日だけだった。収容所に送られる日レンカはミーシャに目の手術のため病院に行くのだと話した。

「もうすぐ、何んでもみえるようになるのよ・・・」ミーシャの肩を抱きしめ、貨車の中でしゃべり続けるレンカの頬を、涙がとめどなく流れるのだった。

・・・

サントラの音楽を聴くだけで、ハンカチが必要になり、今西警部が合同捜査会議の席上で、”巡礼親子”の過酷なシーンを想像し、ハンカチで目を押さえるシーンとダブるのだ(笑)。