「ホーム・アゲイン」(原題:Home Again、2017、劇場未公開)を見る。リース・ウィザー・スプーン主演のロマンチック・コメディ。ネットフリックス配信。
主演は「メラニーはいく!」などの新ロマ・コメ女王といわれたリース・ウィザースプーン。”前”ロマ・コメ女王メグ・ライアンと比較すると、アゴがアントニオ猪木のようにつき出ている印象でメグのキュートさに負ける(個人の感想)。
ただ「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(アカデミー賞主演女優賞)など実力派女優でアメリカでは人気があるようだ。そのウィザースプーンの母親役が、なんとキャンディス・バーゲン!
キャンディス・バーゲンの全盛期の主演映画をリアルタイムでほとんど見ているので、すっかり貫禄が出ている現在のバーゲンを見るのは感慨深い。
キャンディス・バーゲンの映画では、ジャック・ニコルソンと共演の「愛の狩人」イヴ・モンタンと共演の「パリのめぐりあい」エリオット・グールドと共演の「…YOU…」ジーン・ハックマンと共演の「さらば荒野」強烈な印象を残した「ソルジャー・ブルー」などを矢継ぎ早に劇場で見た。
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アリス・キニー(リース・ウィザースプーン)の父親であるジョンは複数の傑作を世に残した名監督で、数年前に他界。40歳の誕生日を目前に控えたアリスは、夫のオースティン(マイケル・シーン)から別居の申し出を突き付けられた。
オースティンはニューヨークを拠点に音楽プロデューサーとして活躍していた。呆然としたアリスだったが、娘2人(イザベルとロジー)を連れてロサンゼルスにある亡き父の家に引っ越すことにした。
その近所には母親のリリアン(キャンディス・バーゲン)が暮らしていた。くよくよしていても仕方がないと思ったアリスは、一念発起してインテリア・デザインの商売を始めた。
友人と酒場に繰出したアリスは、そこでハリー、ジョージ、テディの3人と知り合った。3人は映画監督を志望しており、映画祭で高評価を獲得したこともあるのだという。
3人は20代後半であったが、アラフォーのアリスたちと意気投合し。アリスに至ってはハリーをベッドに連れ込もうとしたが、その前に彼が酔いつぶれてしまった。
翌朝、目を覚ましたジョージは、アリスの家は豪邸で、名監督ジョン・キニーの脚本やトロフィーが保管されている部屋を見つけた。
彼がそれらを眺めていると、リリアン、イザベル、ロジーの3人が帰宅した。
アリスが娘たちを学校に連れて行くのを見送った3人は、リリアンが作ってくれた朝食を食べた。ジョンの作品に熱狂する3人の姿を見たリリアンは「出資者が見つかるまでの間、ゲストルームに滞在すると良いでしょう」と言った。
滞在中、テディはアリスのビジネスのためのウェブサイトを立ち上げる手伝いをした。
ジョージはイザベルとロジーの作文の課題を手伝っていた。一方、アリスは自分がいつの間にかハリーに恋心を抱いていることを自覚した。
その後、3人は映画監督のジャスティン・ミラーの関心を惹くことに成功し、彼から出資してもらえるかもしれないという期待感に胸を膨らませた。
ハリーはアリスと親密になっていくのだが、アリスは煮え切らない態度を取るハリーに愛想を尽かしてきた。アリスにとっては、27歳のハリーは、まだ子供で、大人になり切っていないことからだった。
モヤモヤが晴れないアリスは、仕事の面でもトラブルを抱えて込んでしまうが、そんな折、5か月間別居している夫がニューヨークから訪ねてきて、アリスや子供2人と3人の男に直面するのだが・・・。
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自分から別れを切り出した男が未練がましく戻ってきて、やり直そうというのも自分勝手で、このまま元サヤに収まるのかと思ったら、アリスの決心は別だった。
かといって、若いハリーと新たにというのでもなく、アラフォーの一時的な迷いを描き、ラストはあまりすっきりしないエンディングだった。
ハリウッドのあるロサンゼルスは、ハリウッド俳優など映画関係での成功を夢見てやってくる人間がいかに多いかということがセリフの端々に出ている。
アリスの母リリアンに自己紹介する3人の男たちは、脚本家、監督、俳優を目指しているというと、ごく当たり前のように「そうでしょうね」とうなずいていた。
リリアンがジョンとのなれそめについて語る。
リリアンの亡くなった夫ジョンは、ハリウッドで成功した監督の一人のようで、仕事場には、オスカー像や、タイプライター、映写フイルムなどが残されていた。映画での成功を夢見る3人の男たちには、それらがまぶしく写っていた。
3人の男が戻ってくると、別居中のアリスの夫が遠くから見えた。どんな人物か、見ると・・・。「クラーク・ゲーブルとショーン・ペンを足して2で割ったような男だ」というのがおかしい。
ロマ・コメとはいえ、意地悪な人物、悪人が一切出てこない。みんないい人、大集合の映画で、物足りなさが残る。劇場スルーも理解できる♪(笑)。そんな埋もれた映画を、人目に触れさせようというNetflixも存在意義がある?