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映画「ドント・ウォーリー・ダーリン」(原題:Don't Worry Darling、2022)を見る。サスペンスホラー映画。

ドント・ウォーリー・ダーリン」(原題:Don't Worry Darling、2022)を見る。サスペンスホラー映画。ポスターの宣伝文句は「ユートピアスリラー」(いろいろな言い方がある)。123分。

監督は「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」でデビューしたリビア・ワイルドの長編監督第2作。

主演は「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」のフローレンス・ピュー、「ダンケルク」で俳優デビューしたハリー・スタイルズが務めた。共演は「アンストッパブル」「エージェント:ライアン」のクリス・パイン「エターナルズ」のジェンマ・チャンなど。

フローレンス・ビューという女優は、20代後半で素晴らしい演技力の持ち主。リーアム・ニーソンの映画「トレイン・ミッション」で見ていたが、列車の乗客の一人だったようで印象が薄かったが。

【簡単なあらすじ】

完璧な生活が保証された街で夫ジャックと幸せな日々を送るアリスは、隣人が赤い服の男たちに連れ去られるところを目撃。それ以降、アリスの周囲では不可解な出来事が続発し、次第に精神が不安定となり周囲からも心配されるアリスだったが、あることをきっかけに、この街の存在自体に疑問を抱くようになる。

・・・
どこかで見たことがあるような既視感がある映画だった。現実の世界と空想、バーチャルの生活の対比を描いている。「世界の革命的変化」をめざすという人物の支配下に置かれて洗脳され、楽園のような街で暮らす何組かの夫婦。

楽園の居住者は、毎朝ビデオで、いかにこの楽園のような理想郷がすばらしいか、その体験談などのビデオを見ている。

夫は仕事に集中、妻は家にいて、家事・掃除に集中すべきという固定観念をさらに推し進めるものだった。主婦であるアリスも、ガラス拭き、バスタブ掃除、床のクリーニングなど、一心不乱に毎日徹底して行っている。

その街にはいくつかルールがあり、砂漠を通って一定の離れた地域にある「本部」と言われる場所には行ってはならないというのもその一つ。

  ガラス越しに現れたマーガレット(ほかの人には見えない)はアリスにここから逃げるべきと訴えるが…。

何かがおかしいと思って指摘した女性(マーガレット)は不自然な死に方をした。そして、もう一人「本部」に行ったのがアリスで、夫のジャックに、この街から出ようと説得するが拒絶される。

ジャックこそ「ビクトリー計画」を推進する中心人物で、その推進会社の社長フランクから、その忠誠心により、役員に抜擢されるほど信頼を得ていた。

その昇進を祝うパーティで、アリスが「社長は皆を騙している、すべて間違っている」と反撃を開始するのだが…。

恐ろしく、狂った世界を抉り出していて面白かった。カーチェイスも迫力があった。
”ドント・ウォーリー(心配しないで!)”どころの話ではなく、真逆だった。

<ストーリー>
LPレコードから流れる音楽。パーティの会場で、カクテルグラスが載ったお盆を頭に載せて踊る女性たち。そのうちに平衡感覚がずれてカクテルが落ちてしまう事態に。

そんな中に、アリス・チェンバーズ(フローレンス・ピュー)と夫のジャック(ハリー・スタイルズ)がいた。1950年代の若く幸せなカップル。

カリフォルニアの砂漠地帯のオアシスのようなビクトリーという美しい町に住んでいる。この町は「ビクトリー計画」という研究を行うビクトリー社の所有地。

社員である夫たちは高級住宅や高級車を与えられ、妻たちは美しい服を着て家事を完璧にこなしていた。隣り合った家から、朝の同じ時間帯に、一斉に夫たちが車で出ていく。それを見送る妻たち。

「妻は専業主婦で町から出てはいけない」「パーティーには夫婦揃って出席する」等のルールはあったが、平和に楽しく暮らすアリスたち。

     卵を割ったが、黄身も出てこない、何かがおかしい。

 

  「テクニカル・エンジニアというけど、ジャック。あなたは何をしているの?」と迫るアリス。

   何も問題ないとジャックは言うが、アリスの疑念は晴れない。

社長であるフランク(クリス・パイン)の豪邸のパーティーがあり出席していたアリスとジャック。その席で、隣人のマーガレットが突然「ここに居てはダメ!」と語り出した。その日から、アリス自身の周囲でも不可解な出来事が起こり始める。

墜落する小型飛行機を一人で目撃し、救助のために立ち入り禁止の「本部」の区画へ急ぐアリス。そこには無人の鏡張りの建物があるだけで、気づくとアリスは自宅のベッドで眠っていた。

隣りのマーガレットの家へ行くと、屋根に登ったマーガレットは自ら喉を切り裂き、飛び降り自殺した。

マーガレットは誤って屋根から落ちただけで無事でいると説明するジャック。混乱し情緒不安定になったアリスは、共に町から逃げるようジャックに懇願した。そこへ現れてアリスを捕える赤い作業着の男たち。

何らかの「治療」を受けさせられるアリス。その過程で本来の記憶が蘇った。アリスは現代の研修医で、ジャックは恋人だった。

失職したジャックを養うために病院のシフトを増やし、疲れてジャックに構う余裕もないアリス。そんな生活に嫌気が差したジャックは、アリスに無断でバーチャル・リアリティ(VR)の実験に申し込んだ。

参加者の男たちは妻にしたい女性を問答無用で拉致し、器具を装着して共にベッドに横になる。すると精神だけがビクトリーの町で「男性にとっての理想の夫婦生活」を始めるのだ。

朝、高級車で出勤した「夫」たちは現実世界に戻り、古アパートで眠り続けている「妻」の肉体を維持するために世話を焼き、新人勧誘などの仕事をして、晩にはビクトリーの高級住宅に帰宅するのだった。

このまま夢の世界に住み続けようと、アリスを抑え込むジャック。振りほどこうとしたアリスは、思わずジャックを殴り殺してしまった。

そこへ駆け付け、アリスに逃げろと言う女友達のバニー。バニーはここが仮想現実だと気づきながら、敢えて住み続けていたのだ。

「本部」の建物から現実世界に戻り、眠っている生身の身体を守れと指示するバニー。赤い作業着の男たちに追われつつ「本部」に辿り着いたアリスは、ゲートである鏡に身体を押し付けた。

    アリスの精神状態が異常と薬を勧めに来たコリンズ医師にノーというアリス。

<主な登場人物>
■アリス・チェンバーズ:フローレンス・ピュー…ジャックの妻。若くて献身的な主婦。家の中の掃除、床、バスタブ、窓ガラスなど丁寧に磨く。

■ジャック・チェンバーズ:ハリー・スタイルズ…アリスの夫。テクニカル・エンジニアとして「革新的な改革」としてビクトリー計画の実務を任されている。仕事中毒者。

■フランク:クリス・パインシェリーの夫。「ヴィクトリー・プロジェクト」の創設者。街の支配者として君臨。「世界の変革」が目的。魚が嫌い。敵は「混沌」。

シェリー:ジェンマ・チャン…フランクの妻。バレーの指導員。

■バニー:オリヴィア・ワイルド…アリスの親友。ヘビースモーカー。

■マーガレット:キキ・レイン…テッドの妻。アリスの友人。飛行機の模型を持っている。集合グループに疑問を感じて指摘すると、不審死を遂げる。
■テッド:アリエル・スタッヘル…マーガレットの夫。
■コリンズ医師:ティモシー・シモンズ…薬を無理に押し付けたりする。鞄の書類の中身は、ほとんど黒塗り(のり弁)。
■ヴァイオレット:シドニー・チャンドラー…居住区に越してきた新人。
■ディーン:ニック・クロール…フランクに忠誠を誓っている。
・ローズ:アリーシャ・ヘン
・ビル:ダグラス・スミス
・ペッグ:ケイト・バーラント
・ピーター:アシフ・アリ
・本人:ディタ・フォン・ティー
・フレッド:マルチェロ・ジュリアン・レイエス
・バーバラ:マライア・ジャスティ

Netflix」で鑑賞。

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