(1929)を見た。「恐喝」を”ゆすり”と読ませる。日本では劇場未公開作品。
その後のヒッチコック作品のサスペンス映画を見慣れていると、やや物足りなさを感じる。ヒッチ監督30歳の時の作品で、映画が本来サイレントとして製作され、トーキー(音声入り映画)として作り直されたことや、主演俳優、脇役俳優とも魅力なく演技がいまいちに思われるからか。
主人公であるヒロインのアリスが、男に襲われそうになり、わが身を守るため相手をナイフで刺し殺してしまう。その恋人の刑事フランクが、それを知りながら正当防衛を主張して警察に届ければよさそうなものだが届けない。しかも、そのことを知る前科者の男が二人を恐喝しようとするやりとりを描いている。
・・・
(ストーリー) ロンドン。雑貨店の一人娘アリス・ホワイト(アニー・オンドラ:写真)は、”スコットランド・ヤード”の刑事である恋人のフランク・ウェバー(ジョン・ロングデン)とカフェに向かう。その場で芸術家のクルー(シリル・リチャード)と待ち合わせていたアリスは、映画に行かないと言われ気分を害したフランクが去った後、クルーと出掛ける。
動揺しながらその場を去ったアリスだったが、その様子を監視する男トレイシー(ドナルド・カルスロップ)がいた。
動揺して翌朝まで街をうろついていたアリスは帰宅し、殺人事件の担当になったフランクは、彼女とカフェから出た男が被害者だったことを知る。その場に落ちていたアリスの手袋に気づいたフランクは彼女の元に向かうのだが、現場を監視していた男トレイシーが現れ、二人を脅迫する・・・。
ヒロインと殺害される被害者がアパートの階段を上って行くシーンや、殺人を犯したヒロインが動揺して呆然としながら眺めるカクテルのシェイカーが、振り下ろされるナイフに見えてしまうシーンなどは見どころだった。
アリスの犯行と知る前科者の人間は、警察から追われていて、殺人の犯人扱いをされそうになっている。アリスは、別の人間が身代わり逮捕されるのは忍びないと思っているのに、フランクは否定的なのだ。このあたりは、当時のイギリスと今とでは考え方が異なるのか、なかなか理解しにくい。
一見、アリスは罪から逃れられたように見えたが、ラストで、アリスの残した指紋が、現場の絵画に残されており、その絵画が、警察に押収さレ運び込まれるところでエンディングとなる。その後、警察の手がアリスにまで及ぶことを暗示しているものと受け取れる。あまりすっきりとした展開ではなかった。
「恐喝(ゆすり)」(原題: Blackmail)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
製作総指揮:ジョン・マクスウェル
原作:チャールズ・ベネット”Blackmail”(戯曲)
脚本:アルフレッド・ヒッチコック、ベン・レヴィ
撮影:ジャック・E・コックス
編集:エミール・デ・ルール
音楽:ジミー・キャンベル&レッグ・コネリー
製作総指揮:ジョン・マクスウェル
原作:チャールズ・ベネット”Blackmail”(戯曲)
脚本:アルフレッド・ヒッチコック、ベン・レヴィ
撮影:ジャック・E・コックス
編集:エミール・デ・ルール
音楽:ジミー・キャンベル&レッグ・コネリー
出演:
アリス・ホワイト:アニー・オンドラ
ホワイト夫人:サラ・オールグッド
ホワイト:チャールズ・ペイトン
フランク・ウェバー:ジョン・ロングデン
トレイシー:ドナルド・カルスロップ
クルー:シリル・リチャード
アリス・ホワイト:アニー・オンドラ
ホワイト夫人:サラ・オールグッド
ホワイト:チャールズ・ペイトン
フランク・ウェバー:ジョン・ロングデン
トレイシー:ドナルド・カルスロップ
クルー:シリル・リチャード
イギリス映画
1929年製作 84分
公開:イギリス:1929年6月30日、北米:1929年10月6日、日本:未公開
1929年製作 84分
公開:イギリス:1929年6月30日、北米:1929年10月6日、日本:未公開
★★
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