ミュージカル製作過程の舞台裏を描いた米国のドラマ「SMASH／スマッシュ」（シーズン1、全15話）をすべて見た。
米国ドラマ・シリーズでここ1年の間に見たのは「ハウス・オブ・カード 野望の階段」「ゴシップガール」「THE HEAD」「ゲーム・オブ・スローンズ」などだが、どれも面白かったが、好みでいえば「SMASH」が1位！
内容的には「イヴの総て」「バンド・ワゴン」「コーラスライン」「ラ・ラ・ランド」の舞台裏をまとめたような贅沢なドラマ。
劇中劇の舞台「ボムシェル」が完成するまでの紆余曲折、たとえば主役の交代、代役の選定、プロデューサーの資金集め、音楽、脚本の変更などが細かく描かれて行く。
題材がマリリン・モンローであること、最終的にモンローを演じるのは誰かというのが、15話中の14話くらいで明らかになるという構成の面白さ。
第1話のパイロット版では、モンロー役の代役として、舞台経験の豊富なアイヴィー・リンと新人カレン・カートライトが競う形になるが、プロデューサーたちは、大物女優を起用すべく交渉を勧める。名前が挙がるのは、ハリウッドの有名女優でスカーレット・ヨハンソンはスケジュールがあわない、ケイト・ウインスレットはどうだ、といった声が飛び交う。
結局、モンロー役として白羽の矢が立ったのは、レベッカ・デュヴァルという架空のハリウッド女優だった。レベッカを演じるのが、ユマ・サーマン（「キル・ビルVol.1&2」「プロデューサーズ」）！しかし、製作にかかわるアシスタントの一人が、レベッカは、女優としてはすごいが歌がダメということで、妨害する。
その結果、マリリン・モンローは「○○○」が演じることになり、大成功を収めることになり、いよいよニューヨーク・ブロードウエイに進出か、というところでシーズン1が終わる。
それにしても、登場人物の様々な人間関係（不倫、三角関係、友情、ゲイなど）が浮き彫りにされたり、マリリン・モンローの映画の代表作「七年目の浮気」「お熱いのがお好き」などがオマージュとして登場するところも面白い。
何より出演俳優・女優たちの個性、キャラクターがおもしろかった。
【主な出演者】
舞台「ボムシェル」関係者
■カレン・カートライト（キャサリン・マクフィー）
アイオワ州出身の新人女優。マリリン・モンロー役を巡ってアイヴィーと火花を散らした。純情な性格の持ち主でもあり、からかいの対象になることもあったが、演技上の問題はない。レベッカ降板後、ボストンのプレビュー公演でマリリン役を演じた。
マリリン・モンロー役最有力候補と目されている中堅女優。才能に恵まれておりながら、努力を惜しまない性格でもある。
■ジュリア・ヒューストン（デブラ・メッシング）
「ボムシェル」の作曲家を務める女性。マイケルと不倫していたことが夫にバレてしまい離婚協議へ。モデルはこの番組のプロデューサーであるテレサ・レベック。
■トム・レヴィット（クリスチャン・ボール）
「ボムシェル」でジュリアとコンビを組む男性作曲家。なお、同性愛者であるが、同性のデレクとの仲は険悪である。アイヴィーと仲が良い。
■デレク・ウィルズ（ジャック・ダヴェンポート）
「ボムシェル」の演出家を務める男性。才能はあるものの、女性関係のトラブルが絶えないナルシストでもある。
■アイリーン・ランド（アンジェリカ・ヒューストン）
「ボムシェル」のプロデューサーを務める女性で、粘り強い性格である。夫のジェリーとは離婚訴訟中。後にニックと付き合う。
■エリス・ボイド（ハイメ・セペロ）
野心家の男性。もともとはトムの助手を務めていたが解雇され、アイリーンに拾われた。。
■マイケル・スウィフト（ウィル・チェイス）
ジョー・ディマジオ役オーディションに参加した俳優。妻子持ちであるがジュリアと不倫。
■サム・ストリックランド（レスリー・オドム・Jr）
「ボムシェル」の出演者の一人で、アイリーンの友人。
■ボビー（ウェズリー・テイラー）
「ボムシェル」の出演者の一人で、思ったことをすぐ口に出してしまう性格。当初はアイヴィーと仲良くしていたが、のちにカレンと仲良くなった。
「ボムシェル」の出演者の一人。当初はアイヴィーと仲良くしていたが、のちにカレンと仲良くなった。
■デニス（フィリップ・スパース）
「ボムシェル」の出演者の一人で、アイヴィーの友人。
■スー（ジェニー・ラロッシュ）
「ボムシェル」の出演者の一人。当初はアイヴィーと仲良くしていたが、のちにカレンと仲良くなった。
■リンダ（アン・ハラダ）
「ボムシェル」の舞台主任。
ハリウッドの女優で、「ボムシェル」でマリリン役を勝ち取るも、1日で降板した。ピーナッツアレルギーで死にかける。
