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映画「スキャンダル」(2019) 3大女優の共演。

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映画「スキャンダル」(原題:Bombshell、2019)を見た。アメリカの有力メディアの一つであるニュース専門のケーブルテレビ局、FOXニュース社内で実際に起きたCEOによるセクハラ・スキャンダルをセンセーショナルに描く。

原題の「BOMBSHELL(ボムシェル)」は、「爆弾」の意味だが、スラングとしては「性的に魅力のある女性」という意味がある。2012年に放送された「SMASH/スマッシュ」のなかの舞台ミュージカルのタイトルも「ボムシェル」だった。

冒頭で実在人物の映像以外は、登場人物の名前を一部変更しているという注釈があるが、実話に基づき製作された。

実話というのは、2016年7月に「FOXニュース」で実際に起きた、ベテラン・キャスターのグレッチェン・カールソンが、FOXニュースの創業者でありCEOのロジャー・エイルズにクビを宣告され、逆にセクシャル・ハラスメントで告発・訴訟の上、ロジャーを退任に追い込んだ事件だ。

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女優陣が豪華。「モンスター」でアカデミー賞主演女優賞シャーリーズ・セロン、「めぐりあう時間たち」でアカデミー賞主演女優賞ニコール・キッドマン、そして「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などで知られるマーゴット・ロビーの3人の演技派女優が出演。

第92回アカデミー賞では、主演女優賞(シャーリーズ・セロン助演女優賞マーゴット・ロビー)、メイクアップ&ヘアスタイリング賞の3部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞(ヒロ・カズ)が受賞。

メディア王と呼ばれて久しいオーストラリア出身のルパート・マードックニューズ・コーポレーションCEO21世紀フォックス会長兼CEO)が、FOXニュースのトップをクビにする絶大な権力がすさまじい。

 

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        メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)

【あらすじ】

FOXニュースの元人気キャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)が、テレビ界の帝王として君臨していたCEOのロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)を提訴した。そのスキャンダラスなニュースに、メディア界に激震が走る――。

騒然とする FOXニュース社内。看板番組を背負う売れっ子キャスターのメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)は、上り詰めるまでの自身の過程を振り返り心中穏やかではなくなっていた。一方、メインキャスターの座を狙う貪欲な若手のケイラ(マーゴット・ロビー)は、ロジャーと対面する機会を得ていた――。

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      レッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)

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        ケイラ(マーゴット・ロビー)

・・・

FOXニュースはロジャー・エイルズが帝王として君臨。ロジャーはその権力を悪用し、キャスターに起用する代わりに性行為を要求するセクシャル・ハラスメントを長年行ってきた。若手のケイラ・ポシュピシルもその一人。

FOXをクビになったグレッチェン・カールソンは、ロジャーをセクハラで訴える。FOXでは同じ女性でもロジャーチームとして働いていることから、ロジャーを擁護する人も多く、巨大企業に歯向かうのを恐れ、証言しようと名乗り出るものはいない。

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そんな中、FOXのトップ・キャスターのメーガン・ケリーが、以前自分が遭ったセクハラを証言することで流れが変わり多くの証言者が集まる。また、グレッチェンの録音テープも明確な証拠となりロジャーは敗訴し、FOXを去ることになる。

レッチェンらは巨額の賠償を受け取るが、一方で、ロジャーたちも高額な退職金を受け取る。また、FOXのセクハラを容認する空気も変わることなく、ケイラは失望して新しい道へ進んでいく。

レッチェンは2,000万ドルと謝罪を勝ち取った。しかし弁護士は「大金を得る代わりに(何も話せなくなる)口輪を嵌められる」と言う。グレッチェンは思わせぶりに「たぶんね」と答える。

最後にFOXがグレッチェンらセクシャル・ハラスメントの被害者に総額6,500万ドルを支払ったこと、ロジャーとビルは5,000万ドルの退職金を受け取ったことがエンドロールで流される。

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主要3人の女優では、シャーリーズ・セロンが、その美貌と発信力で光った。ニコール・キッドマンは役柄のためか、ノーメイクのシーンで熱演しているが、存在感などでやや見劣りがした。

マーゴット・ロビーは、野心のある若手プロデューサー役を演じて印象に残る。

ルパート・マードックを演じているのがマルコム・マクダウェル(「時計じかけのオレンジ」)だったことを後で気づいた。

劇場公開は、アメリカで2019年12月20日に公開、日本ではアカデミー賞授賞式後の2020年2月21日に公開された。