女優・二階堂ふみは、映画、ドラマで、その都度「別の顔」を見せてくれるような、言ってみればカメレオンのような女優だ。現在、ヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「エール!」が好調だ。視聴率は連日22%前後を記録し評価も上々のようだ。
昭和の作曲家・古関裕而(役名は古山祐一)の生涯をモデルとした物語で、二階堂ふみが演じるのは、主人公の古山祐一(窪田正孝)の妻・音(おと)。
二階堂ふみ(1994年9月21日生まれの25歳)は、2007年にテレビドラマ「受験の神様」で女優デビュー。2011年の「ヒミズ」では、出演した染谷将太とともに第68回「ヴェネツィア国際映画祭」で新人賞に相当するマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞。
また「ヒミズ」「悪の教典」での演技により第36回「日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞するなど、若手演技派女優として大いに注目される存在となった。
2014年には映画「私の男」でこれからの活躍を期待する若手俳優に贈られる「ニューヨーク・アジア映画祭・ライジング・スター・アワード」を日本人で3人目の受賞を果たした。
その後「リバース・エッジ」「翔んで埼玉」「人間失格 太宰治と3人の女たち」に出演し女優キャリアを着実に築いている。
そんななか、NHKの朝ドラ出演のヒロインだ。いまや実力派女優として安定した演技を見せているが、とくに”女版・香川照之”かと思えるような豊かな表情の顔芸を見せている。周りの演者を支えるような安定感がある。
ということで、順風満帆かと思われる二階堂ふみにネット上の一部で、批判の声が上がっているという。何かと思ったら、オペラ歌手の大御所を演じる柴咲コウからLPレコードを受け取るときに「レコードの持ち方、受け取り方が雑で、レコードを知らない」とクレームの声が上がったのだ。
デジタルのCD世代にとっては、レコードの盤面を無造作に触るなどは論外だというわけだ。昭和世代と違って、平成生まれの女優だが、ささやかなことも気を配る人はいなかったのか。
一方、6月1日発売の「週刊ポスト」によると、現在、二階堂ふみは、休学中とはいえ慶應義塾大学総合政策学部の学生で、ドラマ「エール!」では、ライバルの早稲田の応援歌「紺碧(こんぺき)の空」を完成させるためドラマチックな展開を見せているが、早稲田OBは歓喜したが、一部の慶大生からはブーイングがあるのだとか。ドラマでは早慶戦で早稲田を応援していることがおもしろくないようだ。ドラマの役柄と理解すれば良いことなのだが…。
NHK朝ドラの出演後は、映画、ドラマのオファーが殺到するというのがこれまでの歴史。来年はさらに二階堂ふみの活躍が期待できることだけは確かのようだ。
個人的な二階堂ふみの映画ベスト5。
(1)「リバース・エッジ」
(2)「私の男」
(3)「翔んで埼玉」
(4)「地獄でなぜ悪い」
(5)「ヒミズ」
次点:「四十九日のレシピ」(写真下)