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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「スノーピアサー」(2013)を見る。「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督作品。

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スノーピアサー」(英題: Snow Piercer、漢字: 雪國列車、2013)を見た。韓国、アメリカ、フランス合作。異色なSFアクション・スリラー。原作はフランスのコミック「LE TRANSPERCENEIGE」。監督は「母なる証明」などのポン・ジュノ。最新作の「パラサイト 半地下の家族」(2019)が大ヒットしており、格差社会の共通テーマがあるというので見た。Netflix

「スノーピアサー」では、列車の車両を社会の階層に見立てて、最後尾には貧困層が奴隷同然の扱いを受け、先頭車両には支配層が住むという構図で、支配層に対して貧民層が反乱を起こして、壮絶な戦いを繰り広げる様を描いている。

出演は「アベンジャーズ」などのクリス・エヴァンス、「JSA」や最新作「パラサイト半地下の家族」などのソン・ガンホ、「フィクサー」などのティルダ・スウィントンのほか、エド・ハリスジョン・ハートオクタヴィア・スペンサーなどの名脇役が出演している。

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2031年。世界は地球温暖化を食い止めるべく散布された化学薬品「CW-7」によってすべての陸地が雪と氷に覆われ、極寒に耐えられない生物は死に絶えてしまった。

生き残ったわずかな人類は永久機関によって動き続ける列車「スノーピアサー」の内部にて暮らしていた。そこでは前方車両に住む富裕層がすべてを支配。最後尾に住む貧困層は食料も制限され、奴隷同然の扱いを受けていた。

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そんな中、貧困階級のカーティス(クリス・エヴァンス)は自分たちを苦しめる理不尽な支配に立ち向かうべく、仲間と共に反乱を企てるのだが・・・。

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外の世界は雪と氷に覆われ生存者はなく、列車の中の人間だけが生き延びているというSFの世界。各車両の内部は、貧困層の地獄絵図のような劣悪な環境から、水族館のような世界、寿司バー、ディスコのようなダンスホールなどが隣り合わせになっている。

カーティスたちは銃を持った監視の兵士たちをくぐり抜けて、先頭車両にたどり着けるのか・・・。

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列車を支配しているウィルフォード産業を興したウィルフォードは、全ての人間を列車内に閉じ込め、互いに殺し合いをさせることで、バランスを取ることを考えていた。”七人の反乱”など幾度かの反乱は想定内だった。カーティスがやがて自分のところにたどり着くことも計画内で予想していた。ウィルフォードは、自身が年老いてきたので、人類を率いる次のリーダーを探していたというのだが・・・。

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グロテスクでスプラッター的なシーンも多いので、好みが分かれるところ。「スノーピアサーでは、列車という「ヨコ」から格差社会を、「パラサイト半地下の家族」では「タテ」という観点から高台に住む富裕層と半地下の地面の下の世界を…と対比させて描いている、という意図もあるようだ。

列車の「エンジン」というのが、聖なるエンジンと言われ、階級の秩序となっている。地球温暖化が進み、それを解決するために「CW-7」というものが散布された結果、地球が絶滅危機となった中、人類最後の砦となったのが”走る方舟”の列車という設定だった。

日本語も時々聞こえてきた(「バカ野郎」「万歳!万歳!」など)(笑)。貧困層は、こんにゃくか羊羹のような「プロテイン」が主食だが、別車両では、ステーキや「寿司」の握りが出てきてうまそうだった。

”総理”と呼ばれるメイソンという女を演じるティルダ・スウィントンが、トンデモなキャラでぶっ飛んでいた。「ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜」「シェイプ・オブ・ウォーター」のオクタヴィア・スペンサーが味わいある演技を見せている。

 

■主な出演者:

カーティス:クリス・エヴァンス

ナムグン・ミンスソン・ガンホ

ヨナ:コ・アソン

エドガー :ジェイミー・ベル

ギリアム:ジョン・ハート

メイソン(総理) :ティルダ・スウィントン

ターニャ :オクタヴィア・スペンサー

ウィルフォード:エド・ハリス

アンドリュー :ユエン・ブレムナー

グレイ:ルーク・パスカリーノ

小学校教師 :アリソン・ピル

フユ :スティーヴン・パーク

年上の方のフランコ :ヴラド・イヴァノフ

若い方のフランコ :アドナン・ハスコヴィッチ

画家 :クラーク・ミドルトン

エッグ・ヘッド :トーマス・レマルキス