1971年に公開された「レッド・サン」の撮影がスペインで行われていたときのこと。日本の大手広告代理店のスタッフ関係者で三船敏郎と知り合いがいて、おそらくダメもとで、三船を通じてダーバンの広告出演を打診したようだ。
当時の欧米社会では、映画俳優がCMにでるのは、一段低く見られるという風潮があったようだ。
三船敏郎は「日本ではCMに出るというのは、スターの証だ。俺はビールのコマーシャルに出ている。(「レッド・サン」で共演のチャールズ・ブロンソンもいて)こいつ(=ブロンソン)は「マンダム」に出ているんだぜ」と語ったのだ。アラン・ドロンの答えは、即決だった。「よし、わかった」。
マンダム、サッポロビール、ダーバンのCM3人衆。
この映画が取り持ったドロンのCM出演。
広告代理店の当時の関係者は、ダーバンを洗練された男にCMを演じてもらいたいという話があって「だったらドロンしかいない」と話題になったが、一笑に付されていたが、そういえば三船敏郎の知り合いがいるから頼んでみようということになったのだが、まさかのドロンの快諾には驚いたに違いない。
大人のイメージで売り出すことを考えた広告代理店は、キャッチコピーに大人(ADULT)という言葉を使おうとしたが、外国でのニュアンスは異なることから「エレガンス(洗練さ)」に変更された。
1974年のCMの1バージョン
1979年のCM (だんだん洗練されてきた?笑)。
そして、有名な「D'URBAN, c'est l'élégance de l'homme moderne.」(ダーバン、セ レレゴンス ドゥ ロム モデルヌ=「ダーバン、それは現代男性のエレガンス」が誕生した。当時、銀座のバーでは、サラリーマンが(ドロンになった気で)”ダーバン、セ レレゴンス~”と得意げに口に出していたようだ(笑)。
当時fpdは学生でアルコールも全く飲まなかったが、友人たちの間では「ダーバン、セ レレゴンス~」と言っていたかもしれない。
見逃していたが、ブログ友のチェイサーさんが録画DVDを送ってくれたので、見始めたところだが、ダーバンのCMのいきさつを知って、あらためて三船の存在の大きさに気づかされた。
チェイサーさんが企画し、当日、司会進行を務めるアラン・ドロンの生誕83年記念祭がいよいよ11月10日に開催される。現在、アラン・ドロンは最後の出演映画に取り組んでいる。来年は訪日する可能性がある。この機会にドロンの過去の名作に触れ、生バンドによる迫力ある映画音楽と映像を楽しむ絶好の機会かも知れない。
最大でも40人のこじんまりしたイベントなので、和気あいあいで、映画ファン、ドロン・ファンの集いの感覚で、気楽に参加できます。fpdは4度目の参加(笑)。
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