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第7回「アラン・ドロン生誕祭」シネマライブが充実開催。

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第7回「アラン・ドロン生誕祭シネマライブが、昨日9日午後、銀座タクトで開催された。アラン・ドロン映画と映画音楽ファンが参加し、活気あふれるイベントとなった。

主催者で企画構成、セットリストの作成などすべてを手がけ、司会・進行を務めたチェイサーさんが担当。第一部では、アラン・ドロンが来日した折のインタビュー映像など、第二部ではイベントとなるアラン・ドロン作品の迫力ある生バンド演奏が行われた。

 第一部では、アラン・ドロンが1992年来日したおり、「news23」で筑紫哲也がインタビュー。ドロンは「日本人にとってのフランスのイメージは”アラン・ドロン”だ。とくに”太陽がいっぱい”は、1957年に映画デビューして3, 4作目の作品で、世界中で公開されている」と語っている。ルキノ・ヴィスコンティ監督(「山猫」)ルネ・クレマン監督(「太陽がいっぱい」)などの巨匠と巡り会えたこと、さらに俳優では、ジャン・ギャバンと3度も共演できたことは恵まれていた。

このドロンのインタビューの声は、ドロン映画の吹き替えでお馴染みの声優・野沢那智が担当しているので、全く違和感がなく聞ける。野沢那智は、アテレコの時に台本を持ちながら、斜めに顔を傾けて映像を見ながらセリフを言っていたという。現場に入る瞬間から(ドロンになりきって)斜め角度から見るような仕草にしていたというのがすごい。形からなりきりというわけだ。

また、この取材に遡ること数年前の1985年には、久米宏がインタビューしている。この時は、ドロンは当時のパートナーを連れて取材に応じていたが、結婚はしていないが、同居するというのはフランスでは一般的なことだと語っていた。質問のテーマがプライベートやフランスの経済事情などに飛ぶので、ドロンは神妙に、一方で戸惑っているような表情にも見えた(笑)。

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休憩を挟んで、第二部へと移った。

第二部の構成は、1960年代と1970年代以降と分けられ演奏された。最初の曲は「お嬢さんおてやわらかに!」(1959)。映画は、一人のドン・ファンにあやつられた親友同士の三人娘がかもしだすスマートな笑いの物語だった。この頃は、はつらつとしたコメディっぽい役柄のドロンだった。後に眉間にシワを寄せたクールな一匹狼といった印象はない。

2曲目は「太陽がいっぱい」(1960)から「浜辺にて」。言わずと知れたドロン映画の中では最も有名な映画。3曲目は、アンニュイ(ミステリアス)女優といわれたモニカ・ヴィッティ共演の「太陽はひとりぼっち」(1962)。映画は大人の愛の不毛を描いたミケランジェロ・アントニオーニ監督の3部作の1本。殺伐とした時代環境のなかで、揺れ動く心理を描いている。

4曲目はミシェル・マーニュ作曲の「地下室のメロディー」(1963)。5曲目は、ビデオ化もされていないアラン・ドロンの初期のプロデュース作品でもある「さすらいの狼」(原題:Have I the Right to Kill?)。この作品は見る機会がないが、仏外国人部隊の話をヒントにしたアラン・カヴァリエの原作をジャン・コーが脚色、原作者カヴァリエが演出した戦争ヒューマニズム・ドラマ。

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続いて「さらば友よ」(1968)。日本ではこれが初登場の新鋭ジャン・エルマンが監督したアクション。ダイナミックなメロディーが超お気に入り。「あの胸にもういちど」(原題:The Girl On A Motorcycle、1968)。マリアンヌ・フェイスフルが主演で、ドロンは脇に回った。「太陽が知っている」(1969)は、ロミー・シュナイダーの代表作の1本となった。「ジェフ」(1969)は、「さらば友よ」の監督ジャン・エルマン、音楽フランソワ・ド・ルーベが再びタッグを組んだフイルムノワール

 続いて「栗色のマッドレー」(1970)「シシリアン」(1969)から「ダイアログNo.2」「ボルサリーノ」(1970)そして、三船御大とドロン、ブロンソン共演の「レッド・サン」(1971)のテーマ。「高校教師」(1972)から「明日は別の日」、「ビッグ・ガン」(1973)「個人生活」(1974)「暗黒街のふたり」(1973)「ル・ジタン」(1975)「鷹(ル・バタン)」(1983)と20曲が終了。

ここで拍手のアンコールがあり、チェイサーさんによると、リストに加えるかどうか迷った(演奏が難しいとされる)という「冒険者たち」(1968)の演奏があった。口笛も見事に再現されている。”最後の最後”の曲となったのは、1970年代に大ヒットとなったダーバンのCM曲である「夜をのがれて(A L’urore)」が演奏された。この曲は、数十年たった今日でも、耳に残る迫力ある曲だ。

終了後、プレゼント企画があった。これまでは、参加者による抽選会(ジャンケンなど)で賞品が数名に贈られることはあったが、今回はチェイサーさんから参加者全員に「アラン・ドロン生誕84年記念祭セットリストCDが贈られた。これは、記念品として素晴らしいアイテムとなった。

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今回も、充実したシネマライブとなった。なお、来年の「ドロン生誕85年祭」ライブシネマは2020年11月8日(日)に開催されることが紹介された。

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最後にfpdが、懇親会(二次会)の案内を行った。

二次会は、サラリーマンの聖地・新橋の居酒屋チェーンで開催され、10人以上が参加し”前代未聞”の盛り上がりを見せた。