映画「わたしを離さないで」(原題:Never Let Me Go, 2010)を見た。
昨年、ノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロの原作で、2016年には、綾瀬はるか主演でテレビドラマ化された(未見)。イシグロ氏は製作にも名前を連ねている。内容はかなりシリアスかつ深刻で「生きるとは」を問う作品といえそうだ。
イシグロ氏がノーベル賞を受賞したことで、改めて注目されている作品。
見逃していたので見ることにした。タイトルの「Never Let Me Go」は音楽カセットに収められた曲のことで、”ネバー・ネバー・ネバー・レット・ミー・ゴー♪”という歌詞もある(笑)。
”オセロ”の白と黒が全面ひっくり返るような衝撃。
それも、途中では、うかつにも気が付かず、あとからわかり、あっと驚く「シックス・センス」並みの驚き(ネタバレ?笑)。
「ソーシャル・ネットワーク」(2010)で注目され「アメイジング・スパイダーマン」シリーズや最近の「沈黙―サイレンスー」「ハクソ―・リッジ」で主役を演じる売れっ子俳優、アンドリュー・ガーフィールド。首がキリンのように長く、話し方などが子供っぽさが残り、どうも苦手(笑)。
さらに、fpdと誕生日が同じ(←関係ないだろ!)で「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、「キング・アーサー」などのキーラ・ナイトレーの3人。シャーロット・ランプリングも重厚な味わいぶりを見せている。
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子供のころ、18歳のころ、そして、20代後半の現在までが描かれる。
子供のころ、それは、イギリスの静かな自然溢れる地方に建つ、ヘールシャムにある寄宿学校。その学校は外部から閉ざされ、外界と完全に隔絶したこの施設にはいくつもの謎があり、外で生徒が殺されたり、餓死したという。外部から来た先生が、子供たちに真実を伝えると、解雇されてしまう。
ヘールシャムでは厳格な規律があった。生徒たちの健康に関しては徹底的な管理がなされていた。ここで生活しているものは、臓器提供を患者に2、3度 ”提供”した後に人生を ”終了(コンプリート)”するものだと植え付けられていた。そのように教育されてきた。
キャシーはトミーのことが好きだったが、親友のルースが彼と付き合い始めてショックを受ける。3人の友情関係のバランスが崩れていく。
18歳になると、3人は、コテージと呼ばれる農園に移されることになる。
そこで、ルースは、トミーと付き合ったのは、やきもちだったという。
ルースの言葉に傷ついたキャシーは、1人でコテージを去っていく。
しばらくしてルースとトミーも別れ、3人は何年も音信不通の状態になる。
10年ほど後に再会したとき、ルースもトミーもすでに「ドナー」として、2回の臓器提供を終えた後だった。ルースは、みるからに衰弱した様子で、病的だった。「”提供”は3度で十分。」と語る。1回で終了する人もいるという。
キャシーは臓器提供をした人々の「介護人」として働いている。
「3人で浜辺に行きたい」というルースの願いで、3人は昔に戻ったように、日帰り旅行をする。静かな海辺の景色が美しいシーン。そこでルースは二人に「私を許して欲しいの」と打ち明ける。
ルースは、臓器移植中に命を落とす。
キャシーは、トミーが臓器移植をする姿を介護人として見守る。
そんなとき、キャシーに通知が届く。
最初の提供は、1か月後である、とあった。
キャシーのナレーションが入る。
何人の患者を臓器提供で救えるのか。誰でもいずれは命が尽きる。
・・・
閉ざされた世界から、「外出許可」を得るためのある条件をクリアすれば可能かもしれないという噂を耳にするキャシーとトミー。藁にもすがる思いで、猶予の申請にヘールシャムの宿舎の校長を訪ねるキャシーとトミー。だが、待っていた答えは・・・。
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(完全ネタバレは”排除”したつもり。笑)。
■「内容を話さないで!」(←「わたしを離さないで」に掛けたつもり)。
「オセロ」といった意味:(”絶対”に映画を見ない人のみ下記反転してください。)
こちら➡ 「生徒たちは、臓器移植をされたクローンたちだった」。
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