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映画「スリーパーズ」(原題:SLEEPERS, 1996)を見る。デ・ニーロ、ホフマン、ブラピなど名優の共演。

      

スリーパーズ」(原題:SLEEPERS,1996)を見る。この邦題では見る気が起きないかもしれない(笑)。ブラッド・ピットロバート・デ・ニーロダスティン・ホフマンケヴィン・ベーコンらが出演して、「ミスティック・リバー」並みの重い映画だが…。

あるイタズラをきっかけに少年院へ送られてしまった4人の少年たちが看守から暴力など様々な虐待を受けたことで、のちに復讐をする映画。147分。音楽はジョン・ウィリアムズ

監督のバリー・レヴィンソンは、脚本家、俳優としても活躍。「レインマン」(1987)ではアカデミー監督賞などを受賞。監督作では「グッドモーニング、ベトナム」「バグジー」「バンディッツ」などがある。

主演はケヴィン・ベーコンだが、脇役陣がロバート・デ・ニーロダスティン・ホフマンブラッド・ピットと今から思えば超豪華な俳優そろい。

内容が、少年院における看守の暴力や性的虐待などがあり、厳しいものがある。

原作(および映画)は当時、ノンフィクションと謳われ、著者のロレンツォ・カルカテラが少年院で体験した仕打ちと復讐を綴った小説とされ、ベストセラーになった。

実際には本にあるような看守殺害の裁判の記録は一切なく、マンハッタン地方検事局、彼の通った聖心キリスト教会、学校は事実無根であると声明を出した。

ケヴィン・ベーコンの悪辣非道ぶりがすさまじいが、因果応報、最後は報いを受ける。

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4人の主人公のうちの一人、シェイクス(ジェイソン・パトリック)の語りで物語が進む。

あるいたずらが原因で過失傷害を問われ、少年院に送られたロレンツォ(シェイクス)、マイケル、トミー、ジョンの4人の少年を待っていたのは、看守のノークス(ケヴィン・ベーコン)たちからの性的虐待だった。圧倒的なパワハラと暴力を前になすすべもなく、少年たちは心に深い傷を負う。

ある日の院内のフットボールの試合中、シェイクスたちはリーダー格でギャングの息子であるリゾを引き込み、日頃の虐待の恨みを暴力で晴らすが、その後リゾは看守らに「殴る場所がなくなるまで」殴られて死んでしまう。

十数年後、成人した4人のうち、ジョン・ライリー(ロン・エルダード)とトミーことトーマス・マルカノ(ビリー・クラダップ)がレストランでかつての看守であるノークスに出会い、射殺してしまう。

検事補になり、今事件を担当することになったマイケル・サリヴァンブラッド・ピット)、新聞記者となったシェイクス/ロレンツォ・カルカテラジェイソン・パトリック)は2人を無罪に、そして少年院であった虐待を公にすることを誓い奮闘する。

まず、呑んだくれの弁護士ダニー・スナイダー(ダスティン・ホフマン)にマイケルが密かに用意した台本どおりに弁護をさせ、裁判に証人として出廷した元看守の1人であるファーガソンに虐待があったことを認めさせる。

レストランにいた客が2人を見たと証言した不利な状況で、シェイクスは4人をよく知るボビー神父(ロバート・デ・ニーロ)に聖職者は嘘をつかないと知った上で偽の証言をしてほしいと懇願する。

少年院であった出来事を幼馴染のキャロル・マルチネスミニー・ドライヴァー)や神父に打ち明け、数週間後、神父は出廷し、事件当夜は被告の2人とバスケットボールの観戦をしに行っていたと偽の証言をするのだった。

看守への復讐が着々と進み、残るは無罪判決のみ。判決は無罪。その後、4人とキャロルは祝杯をあげる。これが5人が集まった最後の夜となった。

数年後、ジョンとトミーは30歳を迎える前に何者かに殺害された。


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【おもな登場人物】
■ロレンツォ・カルカテラジェイソン・パトリック(少年時代:ジョー・ペリーノ)
本作の主人公にして語り手。愛称はシェイクス。少年院の出所後は新聞記者見習いになりマイケルと連携して性的虐待に携わった看守たちを追い詰めていく。
■マイケル・サリヴァンブラッド・ピット(少年時代:ブラッド・レンフロ
シェイクスのグループのリーダー格で本作のもう1人の主人公。少年院の出所後は地方検事になり密かに看守たちに復讐する機会を窺っていたが、ジョンとトミーがノークスを殺害したことで実行に移すことになる。裁判後は宣言通り検察の道から身を引くこととなった。

■ボビー・カリロ:ロバート・デ・ニーロ
ヘルス・キッチンにある教会の神父。ジョンとトミーの裁判で2人を目撃証言がある状況下で、2人とバスケットボールを見に行ったという嘘の証言をしたことでジョンとトミーを救う。
■ダニー・スナイダー:ダスティン・ホフマン
ジョンとトミーがノークス殺害容疑で逮捕された際に、わざと無罪にするためマイケルが用意した飲んだくれの弁護士。
■ショーン・ノークス:ケヴィン・ベーコン
ウィルキンソン少年院の看守で、シェイクスがいる階を担当する看守のリーダー格。昔から支配欲が強く、少年たちに性的虐待をする根っからの外道。シェイクスとマイケルの関係者
■ジョン・ライリー:ロン・エルダード(少年時代:ジェフリー・ウィグダー)
シェイクスのグループの1人。少年時代は一番の小柄だが、トミーより1つ年上で将来は神父の道に進むことを望んでいた。自身がトミーとともに逮捕された際の裁判を担当する際の検事がマイケルと知り、彼の手で有罪になることを覚悟していたが、彼の真意を聞き態度を軟化した。
■トーマス・マルカノ:ビリー・クラダップ(少年時代:ジョナサン・タッカー
シェイクスのグループの1人でグループ最年少。少年院の出所後はジョンと共にギャング団の一員となり17歳で初めて人間を殺害する。行きつけのバーで偶然再会したノークスを殺害して逮捕される。マイケルによって無罪放免された数年後の1984年3月16日の自身が28歳の時にジョンを失い、その1年後の1985年7月26日に何者かが放った銃弾を至近距離から5発受け死亡。
■キャロル・マルチネスミニー・ドライヴァー(少女時代:モニカ・ポリト)
シェイクスたちを知る女性で、少女期はマイケルに好意を抱いていた。大人になった後はソーシャルワーカーをしていたが、ジョンとトミーが警察に逮捕された後はシェイクスと共に傍聴していた。裁判の後はソーシャルワーカーをする一方、ジョン・トーマス・マイケルをマルチネス家の養子に迎えた。
■キング・ベニー:ヴィットリオ・ガスマン
ヘルズ・キッチンの一帯をシマにしている老ギャング。少年時代のシェイクスに頼まれ、彼に警察への賄賂の配達などの仕事を与えていた。ノークス殺害事件の際は、証人を買収し、ダニーを半ば脅す形でジョンとトミーの弁護を引き受けさせる。

 

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