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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「狼よさらば」(1974)チャールズ・ブロンソン主演。

 

 
チャールズ・ブロンソンの映画で「狼よさらば」(原題:Death Wish, 1974)とその続編である”Death Wish”シリーズだけが未見だった。
 
C.ブロンソンは「荒野の七人」「大脱走」での脇役で名前は知られていたが「さらば友よ」(1968)「雨の訪問者」(1970)の主演で、スターになった。その当時は、マンダムのCMで一世を風靡し、映画は「エスタン」「夜の訪問者」「狼の挽歌」「バラキ」「アドベンチャー」「カニック」などのアクション映画のほか演技派を目指したという「扉の影に誰かいる」などの主演作が相次いで、トップスターの仲間入りを果たした。
 
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狼よさらば」は、それまでのブロンソンの映画とは、少し毛色の違う映画だった。
ポール・カージーチャールズ・ブロンソン)は、暴漢一味によって妻ジョアンナ(ホープ・ラング)と娘キャロルが襲われ、妻は死亡し、娘が陵辱されたことにより植物人間状態になったことから、街の悪漢どもを銃のチカラで成敗していくという映画。
 
ニューヨークでは、強盗、殺人事件が多発していたが、犯罪歴のある人物が次々と殺されることから、”アマチュア刑事”が現れたと、やや歓迎ムード。警察も、この”アマチュア刑事”を泳がせれば、犯罪も減るだろうと取引を図ろうとするのだが・・・。
 
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物語はやや強引なところがあり、ありえない展開だが、カージーは夜になるとあえてひとりで出かけ、チンピラを殺すために夜の街を彷徨するようになるのだ。
 
最初は、妻と娘の復讐かとも思ったが、かつて銃に覚えがあって、頼りない警察に代わって自分が悪を排除していくというのだが、法律から言っても、これが正当化できることにはならない。
 
捜査の指揮をとるのはオコア警部(ヴィンセント・ガーディニア)だった。
4つの殺人現場とスーパーに近い地域に住み、家族がチンピラの被害を受け、戦争体験のある男、警部はポール・カージーの犯行と断定。
 
だが、なぜか捕える気になれなかった。
1人の市民が自分たちに代ってやりとげていることを罪とはいいきれないと思ったからだった。やがて第5の犯罪が起き、ポール・カージー自身も傷ついた。カージーを尾行した警部は待っていたときが来たことを感じた。
 
ポールを病院に見舞った警部は現場で拾ったカージーが所持していた1890年型の拳銃を見せながらいった。“君がどこかの支店に転勤すればこいつを河へ捨てるがね”。
 
ポールの罪を不問にするには、こうするのが1番いいと思ったからだ。
数週間後、シカゴの空港にポールがついた。足こそ不自由だったが、その顔にはかつての暗い陰はない。空港では、市民が、チンピラに絡まれている光景があった。
 
新天地でも、“アマチュア刑事(私立警察)”で、退治してやるぜという笑みを浮かべていた。このエンディングは、続編があることを暗示するような終わり方だった。
 
実際、続編としてDeath Wishシリーズは、4本製作されている。
「ロサンゼルス」「スーパー・マグナム」「バトルガンM‐16」「狼よさらば 地獄のリベンジャー」である。
 
ブロンソンの妻役のホープ・ラングは、1950年代から60年代に活躍した女優で、ポケット一杯の幸福」(原題: Pocketful of
Miracles、1961)プレイガール陥落す」(原題: Love Is a Ball 、
1963)などの代表作がある。
 
狼よさらば」では最初の10分程度の登場だが、海辺でのシーンで水着で、見事なプロポーションを見せている。