若村が演じるのは、会社経営者の娘として育ち、夫は会社の常務となり、高校生の娘が一人、という何不自由ない暮らしをしている柏木荘太の妻・美津子(47歳)。
荘太の親友の弟で柏木家に幼い頃から出入りしている33歳の青年実業家・落合圭一(青柳翔)と、いつしか関係を持ってしまう。 そうした過去を清算するため、圭一に夫の会社で働く34才の独身OL・西田りか(田中麗奈)と見合いをさせることにした。
見合いをさせることで、圭一を忘れ去ろうとした美津子だが、あとから、圭一の気持ちが自分にあったことで後悔し、りかに嫌がらせを企む。りかはりかで、美津子への敵対心が芽生えてきて・・・。
美津子役の若村麻由美が、怖いほど冷たい目でりかを見て、次々に罠を仕掛けるところがすごい。夫からも突き放され、いまやりかを地獄に落とすことが生きがいのようになってきた。
若村麻由美の映画では「金融腐蝕列島(呪縛)」(1999)が印象に残る。この映画には、主演の役所広司の他、御大の仲代達矢、椎名桔平、佐藤慶、風吹ジュンなどとともに出演。事件の真相を追うテレビ局ブルームバーグの記者として颯爽と演じていた。ペットボトルの水をいつも持ち歩いていて、取材の合間に飲むシーンが蘇る。
「美しき罠~残花繚乱~」では、愛憎、悲喜交々の中で、後悔の念と、復讐心と様々な表情をみせて、クールな美貌とともに女の怖さを演じている。
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