fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「乱暴と待機」(2010)</span>



乱暴と待機」(2010)は、随分と変わったタイトルだが、山田孝之小池栄子らが出ているので、興味が湧き見た。

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の原作者として知られる劇作家・ 本谷有希子の同名戯曲を浅野忠信主演、「パビリオン山椒魚」の冨永昌敬監督で映画化。

1時間30分の映画だが、登場する人物は4人だけ
感情移入できる登場人物は誰ひとりいない、変わったキャラクターの人物が登場するが、小池栄子だけが一番まともだった。

美波が演じる奈々瀬という女は、対人恐怖症のようで、もじもじした態度で、バカがつくほどお人好し。兄(浅野忠信)と同居しており、その男は、記憶喪失の様子で、妹に向かって「いつか復讐してやる」というのが口癖。この”復讐”というのが、あとでなんのことかだんだんわかってくるのだが・・・。

引っ越してきたばかりの番上(ばんじょう、山田孝之)が、引越しの挨拶に奈々瀬の家を訪ねるのだが、奈々瀬が、番上の妻と高校の同級生で、妻の憎い敵のような存在だということが徐々にわかってくる。

・・・
ストーリー:
木造平屋建ての市営住宅に引っ越してきた番上(ばんじょう、山田孝之)と妊娠中の妻・あずさ(小池栄子)。

スナックへ向かうあずさを見送った番上は、引越しの挨拶に訪れた山根家で、漫画のような眼鏡にグレーのスウェット姿で熱心に読経する奈々瀬(美波)と出会う。
 
彼女は兄と二人、二段ベッドが鎮座する部屋に暮らしていたが、明らかな挙動不審で、もじもじしながら聞かれもしないのにスウェット姿の理由を喋り出す。

引越し三日目。山根家の軒先で、奈々瀬を見たあずさは驚愕する。
二人は高校の同級生で、その時奈々瀬から受けた酷い仕打ちを、あずさは今も忘れずにいたのだ。

と同時に、あずさは奈々瀬に兄貴などいなかった事実に気付く。
しばらくして、足を引き摺った英則(浅野忠信)が作業着姿で奈々瀬の家に入るのを見たあずさはさらに驚愕。
 
「あいつら、兄妹なんかじゃない……」。
六日目。山根家のガラス窓にサンダルを投げつけたあずさは、そのまま部屋に入り込み、英則に苛立ちをぶちまける。
 
室内を見回すと奈々瀬の姿はない。
英則は「他人に説明する義務はない」と言い捨て、家を出ていく。
一人残された部屋で、あずさは偶然、天井裏の隠し部屋を発見。

とその時、外から人が入ってくる音が聞こえ、あずさは慌てて天井裏に潜り込む。
天井板の隙間から覗いてみると、奈々瀬と番上がそこにいた。
 
七日目。番上との関係を追及するあずさに対し、奈々瀬は「何もするわけないじゃないですか」と愛想笑い・・・。
 
思えば五年前、奈々瀬の前に突如英則が現れてから、二人の奇妙な“軟禁生活”が始まった。「俺はお前に復讐するぞ」と言って、奈々瀬を家に連れ帰った英則。

そんな彼は、夜毎、二段ベッドの上の段で誰もやったことのない復讐方法を考え続けていた。
 
奈々瀬は思う。「永遠の愛は疑ってしまうけど、永遠の憎しみなら信じられる。私もお兄ちゃんも、それに気付いていたのかもしれない・・・」
(goo映画より)

見始めて30分くらいは、登場人物の言動や、バカバカしさなどに苛立ちを覚える。
とくに、奈々瀬という女は、”こじらせ女”で、人からよく思われることだけに腐心、自分でも”面倒くさい女”というのは承知していたのだ。

奈々瀬は「ちくしょー、面倒くさいのを込みで大丈夫と言ってもらいたかった」と絶叫するシーンなど見せ場があった。

小池栄子が圧倒する凄みがあった。
山田孝之は、妊婦の妻がいて、妻を働かせ、自分は無職で、チャラ男。
一応仕事探しはしているが、奈々瀬が、外面、愛想がいいのを勝手に勘違いして、ちょっかいを出している現場に、妻が帰ってきたから、鉢合わせ、さあ大変なことに・・・。「○ックスをしていたと言え」と夫に迫るのだ。

しかも、これにはオチがあって、天井に板が外せるマドを作っていたのは奈々瀬。
毎日、マラソンに行くと言って出かけていた英則は、天井から一部始終を、過去2年間も覗いていたとは・・・。

美波(みなみ)という女優は、最近見た「バトル・ロワイヤル」(2000)でデビュー。
アフロ田中」「謝罪の王様」などで見たが、「乱暴と待機」では、最初から役柄としてイラつかせる人物だと思ったが、最後には、開き直って”爆発”するところがあり、見所ではあった。

全体をコメディと思えば、なんとかみられる映画だが、独特の世界観というのはなかなか理解しにくい。趣味の悪い覗き趣味の映画でもあった。

★★

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。