「日本海大海戦」(1969)を見た。
・・・
艦船のミニチュアは美術スタッフ60人を動員して107隻が用意された。また戦艦三笠のミニチュアは13メートルに及ぶ巨大なものが造られた。
「東宝8・15シリーズ」 は、「日本のいちばん長い日」(1967)に始まり、「連合艦隊司令長官 山本五十六」(1968)、「日本海大海戦」(1969)、「激動の昭和史 軍閥」(1970)、「激動の昭和史 沖縄決戦」(1971)、「海軍特別年少兵」(1972)を指す。岡本喜八監督などが、戦争の記憶を風化させぬようにとするかのように、夏になるたびに公開された。
日本の再三再四の抗議も成果がなく、遂に交渉は途絶した。
旅順で指揮を執っていた乃木(笠智衆)と東郷の絆や、ロシアが降伏し、負傷したロシアの大将を、東郷が見舞いに訪れ「戦う姿勢が同じ」と共感を示したり、意思を疎通させる会話を示し、敵同士といえども同じ人間であるところで、東郷の人間味が溢れていた。
・・・
東郷平八郎は、子供を戦争で亡くした盲目の女性宅を妻とともに訪ね、焼香するシーンがある。その女性は「(東郷と知らずに)東郷さんは、これからも戦争を続けるのか。また戦死者を出す」と東郷の妻に語る。「ところでいま焼香された人はどなた?」と聞くので、「ただの年寄りですよ」と答えていた。
東郷は目を伏せて、うつむき加減に歩いていた。
ナレーションで「戦争に勝ったもののみが、戦争の怖さを知る」という言葉が入る。
・・・
映画は、歴史の一断面をさまざまな角度から描いているが、全ての歴史がつながっていることを思わせる言葉だった。
スタッフ:
製作:田中友幸
監督:丸山誠治
脚本:八住利雄
撮影 : 村井博
音楽:佐藤勝
主な出演者:
小鹿敦(杉野孫七兵曹)
東山敬司(藤本軍医中尉)
藤田進(上村彦之丞海軍中将)
船戸順(山岡熊治参謀)
田島義文(伊地知彦次郎大佐)
小泉博(栗野慎一郎公使)
安部徹(須地源次郎中佐・近衛歩兵第一連隊)
北竜二(片岡七郎中将)
森幹太(伊地知幸介参謀長)
松山省二(宮古島の若者・松)
稲葉義男(島村速雄参謀長)
草笛光子(東郷てつ)
矢島正明(ナレーター)*ノンクレジット
☆☆☆
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
「にほん映画村」に参加しています:
ついでにクリック・ポン♪。