映画「スイング・ステート」(原題:Irresistible、2020)をみる。監督・脚本は、16年間にわたり政治風刺コメディ番組「ザ・デイリー・ショー」の司会を務め、アカデミー賞でも2度司会を担当したジョン・スチュワート。出演はスティーヴ・カレル、クリス・クーパーなど。
邦題のスイング・ステートとは、4年に1度の米大統領選のたびに勝利政党がかわりやすい激戦州のことで、振り子のように揺れることからこの名前がついた。「揺れ動く州」「浮動票が多い州」などともいわれる。原題のIrresistibleは、抵抗できない、圧倒的なといった意味。
スイング・ステートの1つであるウィスコンシン州の小さな町の町長選挙に首都ワシントンから乗り込んだ民主党のエリートが悪戦苦闘する姿を通して、近年の世界の民主主義に疑問を投げかけた社会派コメディ。
映画のモデルとなっているのは、共和党のドナルド・トランプと民主党のヒラリー・クリントンが争った米大統領選で、トランプに敗北した民主党選挙参謀が、起死回生を狙って田舎の町長選挙で大波乱を巻き起こすさまを、スティーブ・カレル主演で描いている。
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ヒラリー・クリントンが敗北を喫した民主党の選挙参謀ゲイリー・ジマー(スティーブ・カレル)は、農村部の票を取り戻す秘策として、YouTube動画で話題の退役軍人ジャック・ヘイスティングス(クリス・クーパー)大佐を田舎のディアラーケン町長選挙に立候補させる。
大佐の娘ダイアナや住民のボランティアたちと地道な選挙活動がスタートするが、対立候補の現役町長ブラウンに、共和党がトランプの選挙参謀フェイス・ブルースター(ローズ・バーン)を送り込む。
ディアラーケン町長選をめぐって、ゲイリー対フェイス、民主党対共和党の巨額を投じた代理戦争の幕が切って落とされた。
ゲイリーは「ディアラーケンは小さな街なので、民主党が総力を挙げればあっさり勝利できるだろう」と油断していたが、予期せぬ事態が発生した。
共和党も市長選に本腰を入れ始めたのである。しかも、共和党の選対責任者はゲイリーの宿敵、フェイス・ブリュースターだった。
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アメリカの選挙戦を描いた、実話に基づいたドキュメンタリータッチの映画。やや単調で睡魔に襲われた。