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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「華の乱」(1988):吉永小百合、松田優作主演。</span>


 
吉永小百合主演の「華の乱」(1988)を見た。
ブログをはじめるまでのおよそ30年間、日本のトップ女優と言われながらも、あまりにも完璧な優等生タイプの吉永小百合の映画はあえて避けてきたといってもいいかもしれない。
 
全く見なかったわけではなく、代表作の「キューポラのある街」は2,3回見たし、「愛と死をみつめて」、高倉健と共演の「動乱」や新聞社の論説委員に昇格して闘う「女ざかり」、寅さん映画のマドンナ役の「男はつらいよ」など単発的には見ていた。
 
たいていの映画がいい人・清純派のイメージがついてまわり、”毒”がないのが物足りなかったのかもしれない。しかし数年前から、山田洋次監督作品の「(かあ)べい」あたりから見るようになった。
 
劇場では「おとうと」や、比較的お気に入りの「北のカナリアたち」を見た。DVDでは「夢千代日記」を見た。映画の最新作「ふしぎな岬の物語」は初日に劇場で見た。この映画は、中身も”不思議”だったが・・・。
 
そして、昨日、BSで放送のあった「華の乱」を見たのだった。
2時間半以上の長さだったが、松田優作が主演級で出演していて、翌年「ブラック・レイン」でハリウッドデビューするも、直後、40歳の若さで亡くなったので、その点でも見ておいて良かった。
 
「華の乱」の撮影の頃から、松田優作は尿が出なくなり腹がパンパンに張っていたという。翌年のブラック・レインの撮影時点で自身がに侵されている事を知るが、延命治療を拒み、出演していた。このことは周囲にも堅く口止めがされていたという。
 
それはともかく深作欣二監督、木村大作撮影の「華の乱」は、豪華キャストだった。
松坂慶子の鬼気迫る一人芝居は圧巻だった。とくにワンシーンで、カメラが松坂を360度捉えていくシーンは息を呑む凄さ。
 

 
与謝野晶子に扮した吉永小百合の情念とたくましさ、その夫の与謝野鉄幹(寛)には緒形拳、晶子が惹かれていく作家・有島武郎松田優作という顔ぶれ。この他、池上季実子石田えり石橋蓮司などが名を連ねている。
 
大正時代を中心に描いているが、1923年9月の関東大震災も生々しく描かれていた。与謝野晶子有島武郎などの人物像や当時の時代背景を知るには面白かった。当時としては、センセーショナルだったであろう作家との不倫騒動。
 

 
ふたりの関係が、昌子の妄想という形で大胆な愛欲描写があり、昌子の情念の深さも描いていた。それは晶子の夢だったのだが、そのことを武郎に話し「夢の続きが見たい」と迫るところなどがすごい。
 
吉永小百合の文庫本「夢の続き」というのを読んでいるが、その中で、松田優作についても触れ、懐の大きな俳優だったと述べている。映画の中で、乗馬のシーンがあるが、小さい頃から習っていたので、苦労せずに乗れたという。男のように馬にまたがるのではなく、”女乗り”で、横向きに座るのだが、馬にもそれにあった鞍(くら)があるのだとこの本で知った。
 
それにしても吉永小百合はこの映画の当時43歳くらいだが、若々しい美貌が光っていた。与謝野晶子は、愛煙家だったようで、小百合もプカプカとタバコを吸っていた。タバコは吸わないという女優でも役柄では、吸わないわけにはいかないので、大変だ。
 
 
 
映画というのは、歴史や著名人の伝記やその人物像を知るのに、読書などと同様にイメージが湧いてくるので手っ取り早くて便利だ(笑)。
 
☆☆☆
 
 
 
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