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映画「夢千代日記」(1985):吉永小百合主演。


映画「夢千代日記」 予告編
 
夢千代日記」(1985)は、吉永小百合のための映画だったようだ。
生と死をテーマにした”強烈な”、いい意味で予想を裏切られるラブストーリーだった!。清純、ピュアなお嬢さんの印象の吉永小百合に、オブラートに包んだとはいえ、そこまで言わせるかという、キュンとするセリフが感動的。
 
吉永小百合は、この映画の撮影当時は40歳と、まさに美貌とかわいさが絶頂期。余命半年と宣告された「被ばく二世」の役柄で、「ぴか」(原爆)のトラウマに苦しむシーンは、驚くべき演技だった。真っ赤に燃えたイメージ画像は息をのむ。
 
山陰の雪深い温泉町、湯村。“はる家"の夢千代(吉永小百合
)こと永井左千子は広島で被爆していた。“はる家"は夢千代が母から受け継いだ芸者の置家で、夢千代の面倒を子供の頃から見てくれている渡辺タマエ、気のいい菊奴(樹木希林)、スキー指導員・名村に恋し自殺未遂を起こす紅(田中好子)、好きな木浦のため、彼の妻の替わりに子を宿す兎(名取裕子)、癌で三ヵ月の命だという老画伯・東窓に、束の間の命の灯をともす小夢(斉藤絵里)たちがいたが・・・。
 
夢千代日記」では、夢千代は余命を宣告されながらも、残りの人生を精いっぱい生きようと日記をつづっていく。列車で、ある男(北大路欣也)と出会う。男は過去を背負っている様子で、サスペンスが漂う展開となっていく。
 

 
吉永小百合の映画というと、清純派というイメージが先行するが、この映画では、死に直面し、未来がない中で、恋い焦がれた男との再会で、情念のほとばしるセリフが強烈なインパクトとなっていた(詳しくは言えない。笑)。吉永小百合は、凄い、と改めて思った。
 

 
夢千代日記」は吉永の代表作の1本に違いない。
先日亡くなった田中好子も出演、熱演だった。
 
浦山桐郎監督は「キューポラのある街」がデビュー作。主演は吉永小百合だった。この「夢千代日記」が遺作で、これまた、吉永小百合が主役という、なにか因縁めいた気がしないでもない。
 
つい2,3年前まで、吉永小百合はあまりにも完璧で、優等生のイメージが強く、どれも同じではといった先入観がなかったとは言えない。「母べい」「おとうと」などで、それは覆されたが、この「夢千代日記」こそ、吉永小百合はどうもという人には、お勧め!(爆)。
 
出演:
夢千代(永井幸子):吉永小百合
菊奴:樹木希林
小夢:斉藤絵里
エンジェル:小田かおる
名村:渡辺裕之
チビ玉三郎:白龍光洋
徳田泰江:三條美紀
山根医師:横内正
木浦晴子:左時枝
山倉のおっちゃん:岸部一徳
運転手:市川好郎
篠原:小島三児
朝子:中島葵
渡辺タマエ:風見章子
山科東窓:浜村純
山科君乃:荒木道子
木浦:前田吟
井上医師:河原崎長一郎
藤森:加藤武
春川桃之介:小川真由美
宗方勝:北大路欣也
 
監督:浦山桐郎
脚本・企画:早坂暁
音楽:松村禎三
 
☆☆☆☆