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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「ふしぎな岬の物語」(2014)吉永小百合の主演、初プロデュース。

 
ふしぎな岬の物語」(2014)を公開初日のきょう、初回(朝9:00)に見てきた。
MOVIXさいたまにて。吉永小百合の主演、初プロデュース作品。
 
内容がカフェに集まる人々の交流を描いていること、モントリオール映画祭で賞を受賞したこと、テレビでも盛んに宣伝が行われていたこともあってか、早朝にも関わらず座席は6割がた埋まった。左右数人分空席のど真ん中の”特等席”で見た。
 
客層はシニアを中心にやや高め。
映画は、一言でいえば、吉永小百合の演じる柏木悦子(まわりからは”悦っちゃん”と呼ばれる)の映画で、吉永小百合のファンのための映画だ。10本のプロデュース候補作品から選んだにしては、やや残念な作品。見所は海辺に佇むカフェの風情と景色
 

映画をみた中年のカップルが、車でないといけないと思うが撮影場所(千葉・南房総)に行ってみたいね、というのが聞こえてきた。そうなのだ、スクリーンに映る画面(絵)が何とも言えない味わいがあるのだ。
 
写真(右)は、モデルとなった実際にあるコーヒーショップ「岬」でだすコーヒー。
 
この映画の批評を斜め見すると、賛否両論があるようだ。
つまらない、監督の独りよがりだ、という批評も目に付く。どこにも感動する場面、人がいない、というものだ。
 
確かに、なにか起伏のあるストーリーや、ドラマティックな展開を期待すると肩透かしを食う。ほとんど何もない。強いて言えば、「かもめ食堂」のようなテイスト。
 
ただ、何度か感動というのではないが、胸を締め付けられる場面はある。
 
・・・
「岬カフェ」店主・柏木悦子(吉永小百合)の朝は、“何でも屋”を営む甥の浩司(阿部寛)と船で小島に出かけ、コーヒー用の湧き清水を汲むことから始まる。
常連客に囲まれた、ささやかな生活を、悦子は愛し、楽しんでいた。
 
30年間という長いつき合いの中で、常連客のタニさん(笑福亭鶴瓶)はひそかに
悦子への想いを育んでいた。
 
 
地元の秋祭りの日には、漁を営む徳さん(笹野高史)の娘みどり(竹内結子)が、東京から数年ぶりに帰郷した。
 
素直になれない父娘にも、悦子はそっと寄り添った。みんなで喜びを持ち寄り、悲しみを分かち合う。そんな穏やかな日々がいつまでも続くことを願っていた。
 
そんな中、岬村の人たちの人生に、荒波が押し寄せる。
悦子への思慕に戸惑う浩司。
会社の肩たたきで大阪へ転勤することになったタニさん。
徳さんとの別れの時が近づき、積年の親不孝を悔いるみどり。
 
店には、特殊な能力を持った少女と父親が訪ねてきたり、夜中には、泥棒が入り込んだり、浩司が、店をいつでも見守れるようにと小さな簡易式交番を作ったり、住民の結婚式があったり、といろいろなことが起こるのだが・・・。
 
・・・
悦子を見守ってきた、亡き夫が描いた「虹の絵」、徳さんの死、大切なものが次々と去ってゆき、再び寂しさに襲われる悦子。
 
意気消沈、呆然とする悦子は果たして立ち直ることができるのか・・・。
 
阿部寛は、事件を起こしたこともある変わり者だが体が大きく、鍛えられていることから、プロレスに出場させられたり、「テルマエ・ロマエ」のそのままに全裸になったりと、笑いを誘うシーンもある。
 
大女優・吉永小百合直接出演を依頼したという竹内結子は、個人的には、将来の小百合後継者のポジションが狙えるのではと見ているが、ファンとしてはもう少し見せ場が欲しかった気がする。この二人、正統派の優等生タイプというのは共通している(笑)。
 
 
脇役陣では、今回特に味わいがあった笹野高史、先日亡くなった米倉斉加年、吉永と共演が多すぎるのではと思うほど共演づいている笑福亭鶴瓶吉幾三、「北のカナリアたち」に続く吉永と共演となる小池栄子井浦新石橋蓮司など実力派が顔を揃えている。ほかにも近藤公園など。
 
米倉斉加年は、この作品が遺作となった。あらためてご冥福を祈ります。
米倉斉加年は、ドラマ「砂の器」で、亀嵩の桐原老人の役(映画版は笠智衆)を演じていたことを、昨日のテレビ「砂の器」を再見して思い出した。
 
吉永小百合は、来年早々の日本アカデミー賞の最優秀女優賞レースには名を連ねそうだ。
 
 
☆☆☆(期待が大きすぎたのでやや評価が低め)
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