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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「自虐の詩」(2007)</span>


 
自虐の詩(うた)」(2007)を見たのは、中谷美紀阿部寛西田敏行などの豪華俳優陣が出演していることと、監督が「20世紀少年」3部作などの堤幸彦監督であったことなどによる。
 
阿部寛が元ヤクザのチンピラ役で、取り柄も救いようもないクズ人間で、何かにつけて、ちゃぶ台(食卓テーブル)をひっくり返すのだが、同棲している幸江は、それまで幸せだったことは一度も無いとはいえ、不満も抑えて受け入れてしまうところは理解しにくい。
 
ついに幸江は、ちゃぶ台を畳に鎖を使って固定するところは、せめてもの反抗で面白いが。阿部寛は、それでも、しかめっ面をして畳ごとひっくり返すのだが。

食器類、食材が飛び散る光景がスローモーションでしつこいほど繰り返されるのだ。オリジナルの漫画を忠実に再現しているようだが・・・。
 
タイトルが映画の中身とマッチしていない。
最初からしばらく暗いストーリーが続くが、最後に希望があって、救われるエンディングにはなっている。
 
・・・
主人公の森田幸江は、幼いころ、母に捨てられ、中学生の時に、父親が再婚資金のために銀行強盗をして刑務所に入る始末。中学校の弁当では梅干しひとつで、みなから仲間外れの幸江だったが、同じように貧しい同級生の熊本さんだけが唯一無二の親友だった。
 
大ゲンカをして、なぐり合うこともあった。
熊本さんの「人生から逃げるな」という一言が幸江に突き刺さったようだ。
親友同士で「絶対に幸せになれる」と誓い合い、幸江が東京に働きに出るときも、
熊本さんが一人列車を見送った。
 
この二人が20年後、空港で偶然に再会するというのが縦糸になっている。
中学生の時に、手を握り合い円を描くようにはしゃいで踊った姿と、空港で同じようによろこび手を握る姿がかぶさる。
 
不幸のどん底を経験してきた二人だったが、いまは幸せをつかみつつあった。
 
幸江のナレーション:
幸や不幸はどちらでもいい。人生には明らかに意味がある」と。
 

 
原作が4コマ漫画ということで、漫画ベースでキャラクターも極端。
主人公・幸江のヒモになっている内縁の夫は、パチンコ三昧。

食事中に、気に入らないとすぐに「ちゃぶ台」をひっくり返す短気な性格。
救いようがない最低男だが、そんな男から離れない幸江を心配する大家や、好意を寄せる食堂のマスター。
 
・・・
ストーリー:
窓から通天閣の見える大阪・飛田の小さなアパートで、森田幸江(中谷美紀)は内縁の夫であるイサオ阿部寛)と暮らしていた。元ヤクザのイサオはまともに勤めることもなく酒とギャンブルに溺れ、幸江が近所の中華料理屋で働くことで生計を立てていた。
 
無口で気性の荒いイサオは、ことあるごとに部屋のちゃぶ台をひっくりかえす。それでも、ひたすらイサオに尽くす幸江の健気さに、隣の住人である小春(カルーセル麻紀)は胸を痛めていた。
 
一方、中華料理屋の主人(遠藤憲一)は秘かに幸江に思いを寄せて、プロポーズの機会をうかがっている。そんなある日、幸江の中学時代に逮捕された父親の家康(西田敏行)が出所して、幸江のもとに現れる。
 
妻に家出された家康は、キャバレーのホステス(名取裕子)を口説いて、その再婚資金を得るために銀行に押し入ったのだった。

イサオは、ふたたび暴力団の組員となる誘いを組長(竜雷太)から受けていた。
と、幸江の妊娠が発覚する。親もヤクザでその血を受け継いだイサオは苦悩のあげく、失踪してしまう。
 
それでもイサオの子供を産もうと、身重な身体で必死に働き続ける幸江。
しかし、誤って歩道橋から転落した彼女は救急車で病院へ運ばれた。

手術を受け、ベッドで昏睡する幸江は過去の日々を思い出していた。貧乏だった幼い日。父の逮捕後、唯一の友人として励ましてくれた同級生の熊本さん。
 
覚せい剤に溺れて、自分の肉体を売っていた若き日々。そんな頃、チンピラ時代のイサオと知りあった。イサオは、組長に盃を返して小指を詰め、幸江と一緒になった。そして、二人で海に行った幸せな新婚時代・・・。
 
意識が戻ったとき、幸江の前にはイサオがいた。「三人で、海へ行こう」イサオの言葉に、幸江は涙が止まらなかった。半年後、生まれたばかりの赤ん坊と一緒に、海辺でたたずむ幸江とイサオの姿があった(Yahoo映画より)。
 
・・・
中谷美紀はさすが。
常に伏し目がちで、弱弱しそうだったが、主張すべき時は、啖呵を切って主張する
迫力がある。阿部寛はただの”でくの坊”のように無口で、セリフもほとんどなく生かされていないのが残念。脚本がよくないのか。無表情で、会話にもならず、血が通っていないのだ。
 
 
★★
 
 
 
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