映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」予告編
「聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実-」(2011)が昨日(6日)早くも地上波初放送された。劇場公開時は見逃していたが、評価も高かったので、見た。140分。
在米日本大使館での勤務経験から国力の差を誰よりも把握し、米英を敵に回す日独伊三国同盟に反対していた海軍次官時代から、自らの意思に反して戦争を始めなくてはならなくなった苦悩の司令長官時代を経て、早期終戦による講和を目指しながら志半ばで命を落とすまでを描く。山本五十六役で役所広司が主演。玉木宏、香川照之らが共演。「八日目の蝉」の成島出監督がメガホンをとる。
映画の中で、五十六が若い兵士に繰り返しいうことばがある。
「世界を、この目と耳とハート(心)でみよ」とジェスチャーを交えて語るシーンが印象的だ。軍人の幹部が、「アメリカと戦っても勝てる」と言い出せば、「その根拠は?」と説いただす。世の中が、戦争拡大に動くが、当時の新聞の「軍の大本営」発表を鵜呑みにした報道も、戦争ムードの世論形成に大きく影響を及ぼしていたようだ。軍の発表は、事実は撤退であるのに、捻じ曲げた報道しかなかった。
昭和14年夏。
日独伊三国軍事同盟締結をめぐり、日本中が揺れに揺れていた。
だがその世論に敢然と異を唱える男たちがいた。
10倍の国力を持つアメリカとの戦は何としても避けなければならない。陸軍の脅しにも世論の声にも屈することなく、まさに命を賭して反対を唱え続ける五十六たち。
その甲斐あって、やがて三国同盟問題は棚上げとなる。昭和14年8月31日、山本五十六は生涯最後の職である「連合艦隊司令長官」として旗艦「長門」に着任。しかし、時を同じくして世界情勢は急転し始め、アドルフ・ヒトラー率いるナチス国防軍がポーランドに進攻。それを機に欧州で第二次世界大戦が勃発した。
昭和15年9月27日、日独伊三国軍事同盟がついに締結。その後日本は急速に戦争への坂道を転がり落ちていった・・・。およそ40万人の将兵を預かる連合艦隊司令長官山本五十六は、対米戦回避を願う自らの信念と、それとは裏腹に日一日と戦争へと向かいつつある時代のずれに苦悩し続ける。
だが昭和16年夏、どうしても米国との戦争が避けられないと悟った時、五十六は一つの作戦を立案する。米国太平洋艦隊が停泊するハワイ、真珠湾を航空機によって奇襲。五十六は世界の戦史に類を見ない前代未聞のこの作戦を、軍令部の反対を押し切ってまで敢行しようとする。それは世界に勝つためではなく、一刻も早く戦争を終わらせるための苦渋に満ちた作戦だった・・・(Gooより)。
山本五十六はこれまでにも山村聡(「トラ・トラ・トラ!」)三船敏郎(「ミッドウエイ」)など、日本の映画界の重鎮が演じてきた。その五十六役に、現在の日本映画界のトップ俳優である役所広司が演じている。年齢的には、役所も55歳、公開時には56歳となっており、山村、三船の五十六撮影時、五十六本人と同じ年代だった。
役所広司の五十六役も重厚だった。
役所は、「Shall We ダンス?」(1996)「失楽園」(1997)「うなぎ」(1997)などに主演、毎年映画賞の優秀主演男優賞に名を連ねた。近年は、「Sayuri」(2005)「バベル」(2007)などの外国映画にも出演。昨年は「わが母の記」「終の信託」などで存在感を示した。
五十六の人物像の一面を知ることができた。
戦争を地球上から根絶しなければならない。今では当然のことだが、当時のマスコミ報道は、軍発表を鵜呑みにした報道を続け、国民の世論形成の責任の一端はあっただろう。マスメディアに対しても、公平・中立かどうか吟味することが必用ということ。
オールスター・キャストも見どころだった。
主要キャスト:
米内光政(海軍大臣) - 柄本明
秋山裕作(「東京日報」記者)※架空 - 袴田吉彦
真藤利一(「東京日報」記者)※架空 - 玉木宏
草野嗣郎(「東京日報」編集長)※架空 - 益岡徹
宗像景清(「東京日報」主幹)※架空 - 香川照之
谷口志津(小料理屋「志津」の女将)※架空 - 瀬戸朝香
神埼芳江(「志津」の常連客のダンサー)※架空 - 田中麗奈
高橋嘉寿子(山本の姉) - 宮本信子
山本禮子(山本の妻) - 原田美枝子
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