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ドラマ「疑惑」(松本清張没後20年特別企画)


「疑惑」(松本清張没後20年特別企画)

 
松本清張没後20年特別企画ドラマ「疑惑」を見た。
 疑惑」は、映画版「疑惑」(1982)のほか、過去にも3回TVドラマ化されている。
映画版は、被疑者・白河(鬼塚)球磨子を演じた桃井かおりと、女性弁護士の岩下志麻の強烈な個性のぶつかり合いが印象に残っている。テレビでは、”オニクマ(鬼熊)こと”球磨子を演じたのは、今や名脇役女優の余貴美子いしだあゆみ沢口靖子がいるが、今回は、尾野真千子だ。
 
尾野真千子といえば、今年6月に公開された映画「外事警察 その男に騙されるな」で、公安職員を演じていて、女警官役できりりとしていた。
 
尾野真千子が悪女役?と思ったが、これが迫力満点。この弁護を担当する女性弁護士を演じるのが常盤貴子である。自由奔放でいつも家賃滞納。でも真実を明らかにすることに妥協は許さない女・千鶴。
 
裁判は、検察と弁護側の争いが焦点になるはずだが、このドラマではむしろ、被疑者と弁護士の”女の戦い”に主眼が置かれていて、この二人のバトルが最大の見どころとなっていた。
 
この二人が、お互いに平手打ちをくらわすシーンがあるが、映画の桃井と岩下の場合も、相手が女だからという手加減なしに、平手で叩いたというのを聞いたことがあるが、今回もビシバシと叩いていた。
 
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衝突する弁護士千鶴(常盤)と被告人球磨子(尾野)
 
対照的な2人の女が、ある保険金殺人事件の被告人と弁護人という立場で出会い、お互いの感情が幾たびも衝突していく中で、一つの“疑惑”が浮かび上がる…。
 
竜雷太近藤芳正松重豊西田尚美といった個性派キャストも勢揃い、さらには1982年の映画版「疑惑」で新聞記者・秋谷役で出演した柄本明が、今度は球磨子の夫、白河福太郎役で出演
 
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海中に沈んだ事故車を引き上げての現場検証
 
ある嵐の夜、1台の外車が猛烈な速度で港に入ってきた。
 
スピードを緩めることなく進んでいく灰色の塊。そのまま岸壁をも乗り越え海の中へと消えていく・・・と、しばらくして1人の女が海面へと浮上してくる。
 
女の名前は、白河球磨子(尾野真千子)。旧姓は鬼塚。新潟で老舗の鍛冶屋「しらかわや」を営む社長、白河福太郎(柄本明)と結婚して間もない後妻だった。
 
必死に泳ぎ、岸壁までたどり着いた球磨子。球磨子は生きている実感をかみしめるように絶叫する・・・。
 
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病院から退院する球磨子(尾野)にマスコミが群がる
 
翌朝、現場検証に立ち会った越後警察署の岩瀬厚一警部補(松重豊)の目の前で、フロントガラスの割れた事故車が引き揚げられた。
 
車内には福太郎の遺体があった。また、助手席にはスパナと靴が残されており、間もなくして事件の目撃者、藤原好郎(田中幸太朗)も見つかる。藤原の話から、車を運転していたのは球磨子らしいことが判明、さらに球磨子にはいくつかの前科があったこともあり、次第にマスコミが、この事故は保険金殺人であると騒ぎ立てるようになる。
 
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原山(竜)が暮らす新潟を訪れる千鶴(常盤)
 
一方、東京で弁護士をしていた佐原千鶴(常盤貴子)は、先輩弁護士、原山正雄(竜雷太)に呼び出されて新潟を訪れた。千鶴は東京で住んでいたアパートの家賃を滞納するたび、原山に助けてもらっており、原山の弁護士事務所に舞い込む案件を手伝いながら、原山の家に居候することになったのだった。
 
しばらくして、有力な物的証拠と証言が集まったことで、球磨子は夫・福太郎殺人容疑で逮捕され、西新潟拘置所に勾留される。
 
そんな折、原山が自宅で転倒して足を骨折してしまい、原山がやるはずだった球磨子の弁護を急きょ、千鶴が担当することになる。
 
誰もが“球磨子による保険金殺人”、“球磨子はクロ確定”と見る、注目すべき“鬼クマ裁判”がついに始まった!
 
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保険金目的の殺人容疑で逮捕される球磨子(尾野)
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球磨子(尾野)の担当弁護士として事故車を調べる千鶴(常盤)
 
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検察側証人の発言に激高する球磨子(尾野)と、
それを静かに見守る千鶴(常盤)
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妻・球磨子(尾野)は夫・福太郎(柄本)
を殺したのだろうか…
 
このドラマも、ラストシーンで意外な事実が明らかになり、灰色に近いシロ(無罪)ということに。
 裁判の鉄則である「疑わしきは罰せず」ということばが印象的だった。                                    http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2012/photo/121010-i126_09.jpg
 
裁判員裁判では、証拠不十分となった。
白河球磨子(尾野真千子)に向かって、弁護士・千鶴(常盤貴子)が、「なんか、すごいよね、おたく!」という強烈な言葉が発せられるが、その言葉を聞いて、にやりとする球磨子の態度もふてぶてしい。
真っ赤な衣装で、サングラスをかけて颯爽とその場を立ち去る尾野真千子のかっこよさ!
尾野真千子の悪女・汚れ役もよく、尾野真千子作品は、これからも注目しなくては・・・笑。
 清張作品は、ドラマチックで面白い。
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