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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「赤目四十八瀧心中未遂」(2003)</span>


 
 
寺島しのぶの映画は「Tokyo Tower」を劇場で見て、主役の黒木瞳もかすむほどのなりふりかまわぬ迫力ある演技が印象に残り、そのあと「愛の流刑地」の体当たり演技に驚き、その映画出演作品のなかでも、寺島しのぶが初主演で、日本アカデミー賞・最優秀女優賞を獲得した「赤目四十八瀧心中未遂(あかめしじゅうはちたきしんじゅうみすい)」がずっと気になっていた。2日がかりでDVDで見た(笑)。2時間40分。
 

直木賞を受賞した車谷長吉の「赤目四十八瀧心中未遂」(文藝春秋社)が、荒戸源次郎監督によって映画化。寺島しのぶが映画初主演を果たし、ヒロインを演じているが、主人公の男に扮しているのは、新人・大西滝次郎。共演者で、ひときわうならせるのが大楠道代!堂々たる役者ぶり。
ほかに、内田裕也大森南朋など。
 
だれにでも、職場でも、家でも、自分の「居場所」があれば安心感があるのだが、中には、居場所がないという人間もいる。この「赤目〜」には、自分の居場所がない人間が登場する。主人公の男・生島与一は、すべてを捨てたのか、捨てられたのか、流れ流れて、尼崎にたどり着く。
 
何かに魅入られているような、生気を失ったような目の無口な男。焼鳥屋「伊賀屋」の女主人・勢子ねえさん(大楠道代)は、生島が薄暗い店先に立ったとき、身を捨てようとしながらも捨てきれないでいる生島の性根を、一瞥で見抜くのだった。
 
生島は、勢子にあてがわれた古いアパートの一室で、来る日も来る日も、焼き鳥屋で使うモツ肉や鳥肉の串刺しをして、僅かな給料で生活を始める。
 
串1本に対して3円。1日に1000本は刺してゆく。周囲の誰もが、勢子すらがそんな生活をしていて、よく平気でいられるもんだな、と生島に言う。しかし、男はただひたすらに串を刺してゆく。
 
生島の前に現れたのが、若く美しい女・綾(寺島しのぶ)だった。猛禽のような凄い目の光を放つ女。その目に魅入られたら、もはや逃れる術はない。
 

 
自らは「ドブ川の泥の粥すすって育った女やのに」と言うが、菩薩のような微笑をたたえた女でもある。親子ほどの年のはなれた刺青師・彫眉(内田裕也)と暮らし、女の背中には一面に迦陵頻伽の刺青が翼を広げていた。
 
臓物の臭いのこもる生島の部屋で、彼女が白いワンピースを脱ぐと、背中の迦陵頻伽がほの暗い光の中に揺れる。二人はやがて関係をもち、綾は生島に自分を連れて逃げるよう懇願する。
 
綾を連れ、生島は尼ヶ崎、大阪天王寺赤目四十八瀧をさ迷う。しかし、ふたりは死にきれず大阪へ戻るのであったが、その途中、綾は生島と別れ、ひとり博多へ向かうのだった(HPより)。
 
綾は、兄が3,000万円で、ヤクザに売り飛ばされたのだった。すでに兄は1,000万円を受け取ていたが、綾は、そこから逃げ出して、別の世界(死)に行こうとしていた。「人がドラム缶に入れられてコンクリート詰めになったのを見たことがある。あんちゃんも、あんなふうになるんや」。
 
「(私は)金で買われたんや。あんたのチン○○が好きなだけの女や。死んだ人間や」と生島に語るが、生島は「いや、あなたは、蓮の花です。いい人です」・・・と死に場所を求めて、赤目四十八瀧に到着するのだが・・・。
 
寺島しのぶがすごい。背中には、刺青。
何本か脇役で出ていたようだが、「赤目〜」で主役デビュー。
その結果、その年の女優賞は総なめ。当然すぎる程インパクトが大きい。
 
 
映画
シベリア超特急2 (2000年)- 河津信江役
DRUG(2001年)- 柳川恵子役
ゲロッパ!(2003年)- 藤沢香織役
ヴァイブレータ (2003年)- 主演・早川玲役
赤目四十八瀧心中未遂 (2003年)- 主演・綾役  ☆☆☆
クイール (2004年)- 仁井三都子役
機関車先生(2004年)
Tokyo Tower (2005年)- 川野喜美子役  ☆☆☆
大停電の夜に (2005年) - 杉田礼子役   ☆☆☆
待合室 (2005年) - 夏井和代役
男たちの大和/YAMATO (2005年) - 文子役
単騎千里を走る (2006年) - リエ役
やわらかい生活 (2006年) - 主演・橘優子役  ★
アキハバラ@DEEP (2006年) - 渡会藤子役
愛の流刑地 (2007年) - 入江冬香役  ☆☆☆
茶々 天涯の貴妃 (2007年) - 小督
ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌(2008年) - 濡れ女(なみ)役
ハッピーフライト (2008年11月15日公開) - 山崎麗子 役  ★★
ラッシュライフ(2009年6月13日公開) - 京子 役 ★★
守護天使(2009年) - 須賀勝子 役
人間失格 (2010年) - 常子役 ☆☆☆
キャタピラー(2010年8月15日公開) - 主演・黒川シゲ子 役  ☆☆☆
11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち(2012年) - 平岡瑤子
ヘルタースケルター(2012年) - 羽田美知子 役 ☆☆☆
 
 
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