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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">ある映画館の40年の”生涯”。</span>


「ウエスタン」(Once Upon a Time in The West)予告編
 

親しんできた映画館が無くなるのはさびしい。「ラスト・ショー」や「ニュー・シネマ・
パラダイス」の心境だ(笑)。
 
何回もそんなことを味わってきた。
名画座もそうだ。「銀座並木座」「渋谷
全線座」などなど。
 
fpdが劇場で映画を見始めた最初の年、
1969年。
 
その年の秋、10月31日に東京でも有数の大型スクリーンの劇場が誕生した。
 
新宿プラザ劇場」だった。
東京の、あるいは日本でも有名な歓楽街として知られる歌舞伎町のど真ん中で、
新宿コマ劇場」の隣というロケーションだ。
 
その年の3月に新宿ピカデリー劇場で「ブリット」をみて、劇場映画に目覚めたfpd青年は、「新宿プラザ」のオープンを飾る「ウエスタン」を観るために駆けつけた。
 

 
「ウエスタン」の記事にも書いているが、スクリーンの大きさが、半端ではなかった。
正面のスクリーンがフラットではなく、弧を描いて、前列の席10列くらいは、取り囲まれるような臨場感のある作りだった。ディメンション150(D150)というスクリーンだった。
 
 
定員が1,044人という巨大な映画館で、現在のTOHOシネマズ日劇系列の東宝洋画系チェーンだった。
 
ここで上映された映画は、「ウエスタン」のほか「ジェームズ・ボンド」シリーズ、「トラ・トラ・トラ」「ゴッドファーザー」シリーズ、「ポセイドン・アドベンチャー」「大地震」「オーメン」シリーズ、「キングコング」「人間の証明」「未知との遭遇」「スター・ウォーズ」シリーズ、「野生の証明」「インディ・ジョーンズ」シリーズ、「ランボー」シリーズ、「ディア・ハンター」「タイタニック」などの対策・話題作が上映された。注目すべきは、「スター・ウォーズ」全6エピソードをすべて上映したのは日本国内で、新宿プラザだけである。
 
東宝洋画系のフラグシップ劇場として親しまれた「新宿プラザ劇場」。
入居している新宿東宝会館の老朽化(2006年にはアスベスト工事も行っていた)や新宿コマ劇場を含む歌舞伎街一体の再開発と重なり、2008年11月7日、閉館となった。
 
最後の1週間となった11月1日から11月7日までは、「新宿プラザ劇場ラストショー」と題した閉館イベントを開催。
 
11月1日:「ベン・ハー
11月2日:「2001年宇宙の旅
11月3日~4日:「ゴッドファーザーPart I~III」
11月5日:「トップガン
が上映された。
 
最終日の11月7日には同館史上最高の収益をあげた「タイタニック」をシネマスコープの大画面で上映し、39年間の歴史に幕を下ろしたのである。
 
現在の新宿界隈の映画館はどうなっているかというと、3年ほど前に、新宿駅東南口
方面に歩いて数分に大型のシネコン「新宿バルト9」(ティ・ジョイ/TOHOシネマズ共同経営)が開館して、映画館地図も大きく塗り替わっている。新宿ピカデリーも、シネコン化した。新宿歌舞伎町の中では、「新宿ミラノ」があり、「新宿ミラノ1」は、日本で唯一1,000席を超える(1,064席)最大の劇場である。
 
老舗の劇場も、シネコンの流れには勝てず、スクリーン数のみかろうじて増えているようだが、1館のスクリーン・サイズは、こじんまりとしたものになって、将来家庭内で100インチクラスのホーム・シアターが一般化したら、あまり差が無くなってしまうのではと心配だ。まあ、映画館は、多くの人が、同時に見ることで、泣き笑いの雰囲気を味わえることろに価値もあるのだが・・・。「みんなで観れば、感動100倍~♪」というのは、どこかの映画CMだった(笑)。
 
新宿では、このほか「新宿文化」というところに「角川シネマ」などの単館劇場もある。
 
東京では、映画の劇場区域では、郊外主要駅付近にもシネコンがあるが、23区内では新宿、有楽町・日比谷、渋谷、池袋といったところがメインか。