「ハンサム★スーツ」(2008)は、2008年11月公開。
あるスーツを着るだけでハンサムになれるハンサム・スーツを手に入れたブサイク男が、ブサイクとハンサムの二重生活を送りながら本当の幸せを見つけるまでを描くコメディ。監督は、CMディレクターを経て映画初監督となる英勉。脚本は「ラブ★コン」の鈴木おさむ。出演は、「ザ・マジックアワー」の谷原章介、「間宮兄弟」の塚地武雅、北川景子ほか。
内容は弾けているような印象だが、人間讃歌、応援歌のようなメッセージがある。
ブサイクの代表選手のような塚地(ドランク・ドラゴン)と、ハンサムの代表のような谷原が、おかしい。実はラストに、途中からうすうすとはわかりかけていたが、逆転どんでん返しがあって、なかなか面白い。
昔から、ブサイク男が美女を好きになって振られるというのは、「寅さん」シリーズなどの定番。この映画では、「男は中身」というのは嘘で、外見・ルックスが良くなくては、相手にもされない・・・というのが、いやというほど出てくる。二枚目に変身したブサイク男、「キスってこんなに甘いものだったの?」というセリフも出てくる、モテモテに・・・。
ところが・・・。
33歳の大木琢郎(塚地武雅)は、死んだ母親が残した定食屋「こころ屋」を営んでいる。イタリア留学経験があり、料理の腕前も人柄も完璧な琢郎だが、ブサイクなため女性とは縁がない。
琢郎は友人の結婚式に着ていくスーツを買いに、紳士服屋を訪れる。そこで、着るだけでハンサムになれる「ハンサム・スーツ」を手に入れる。その着ぐるみのようなスーツに袖を通し、顔も体型もハンサムになった琢郎は、光山杏仁(谷原章介)として瞬く間に人気カリスマモデルとなる。
琢郎は杏仁に変身して寛子に会いに行くが、再び振られてしまう。しかし琢郎は杏仁として、トップモデルの來香(佐田真由美)から好意を抱かれるなど、モテモテの生活を送る。
一方、琢郎としてこころ屋に戻ると、寛子の代わりに入った、ブサイクだが仕事は完璧なアルバイトの本江(大島美幸:森三中)の存在が気になり出す。ある日琢郎は、ハンサム・スーツはお湯がかかるとシワシワになることに気づく。
そこで再び紳士服屋を訪ねると、お湯がかかっても平気な「パーフェクト・スーツ」を勧められる。しかしパーフェクト・スーツは1度着ると2度と脱げないため、琢郎は人生の選択を迫られる・・・。
そしてモデルとしての大舞台、東京ガールズコレクションのステージも数日後に迫っていた。果たして、コノブサイク男は、ハンサムのままの人生を送るのか、逆戻りをするのか・・・。
谷原は、TVで、美女たちに囲まれた番組で司会をしているのが印象的で、映画は「ザ・マジックアワー」で見たくらい。「ハンサム★スーツ」では、外見はハンサムでもてるが、中身は、拓郎であり、そのアンバランスの面白さがある。
えええ、というような有名俳優もワンカット出演で続々と出てくる♪。
現実にはあり得ない展開だが、ばかばかしさだけでなく、元気にさせる映画かもしれない・・・笑。
○映画チラシによると、ハンサムとイケメンは違いがあるという。イケメンは、雰囲気ありき。髪型、ひげのはやし方、ファッションセンス次第でイケメンになれるが、ハンサムは、顔のつくりがいい、かっこいい人のこと。イケメンよりもハンサムが上ということ。アラン・ドロンは、イケメンでなく「ハンサム」だということか(笑)。
一見の価値あり。
☆☆☆