映画「大奥」男女逆転
「大奥」(2010)は、10月1日から劇場公開されているが、現在まだロングラン中。そろそろ終了するようなので、きょう、駆け込みで見てきた。
1人の女将軍の寵愛(ちょうあい)を求めて3,000人の若い男たちが競い合う、美しき男の園、大奥で繰り広げられる野望、嫉妬、策略、悲哀、愛を描いた異色時代劇。
映画の評価は、ジャニーズ系の役者が多いとか、演技がなっていないなどという声も一部であるようだが、見て損のない映画だった。
女将軍を演じるのは、柴崎コウ。
まだ実年齢29歳だが、数年前から、年齢以上に落ち着いて堂々としている。
「大奥」でも、いつもの「目じから」がある。同じ時代劇でも「十三人の刺客」の狂った将軍とは違って、極めて道理をわきまえ、世の中をいかに良い方向に変えていくかに腐心する常識を持ち合わせている。
ネタバレになるが、女将軍の世継ぎのために、最初の男となる人間をまず探す。ただしその選ばれた男は、その後、死をもって、役割を終えたこととするという厳しい掟があった。その任に選ばれたのが水野だった。実はこれは、役職が上の者たちの陰謀だった。いずれ死ぬとわかっていて女将軍と、一夜を共にする水野の運命やいかに・・・(一つだけ条件・願い事を女将軍に言うのだが)。
この結末は、どうなるかと不安と戦慄で待ち構えていたら(爆)とんでもないことに・・・。
舞台は、江戸・徳川時代、男だけがかかる謎の疫病が蔓延して、この病気にかかったものは、顔や体に赤い斑点ができて、やがて死んでいく。このため、男の数が激減、男女比は1:4となっていた。
すべての要職に女が就き、男は子種をほしがる女に体を売る男女逆転の世界。
そんな中、一人の女将軍(柴崎コウ)に3,000人の美男が仕える大奥に、ひとりの青年、水野祐之進(二宮和也)が足を踏み入れる。水野は、困窮した旗本の実家を救うため、大奥勤めを決意したのだった。しかし大奥に入って見ると、そこは、贅を尽くしたきらびやかな表の顔と、才色兼ね備えた男たちが熾烈な争いを繰り広げる裏の闇が存在していた。衝撃を受ける水野だったが、やがて自身も権力闘争の渦中に投げ込まれていく・・・(HPより)。
大奥の中は、将軍をピラミッドの頂点に、謁見を許された側近と、そうでない者たちとの階級・役職が歴然として存在していた。一般世間とは逆で、大奥内は、男社会で、若い美男ぞろいだ。男ばかりで、そこには倒錯の世界も存在した。役職が上になると、その役職者に仕えるものも出てきて、媚を売る。
主演は、二宮和也だが、やや貧弱で、侍にしては見劣りがする。大奥内で、新人イジメをする男どもがいるが、そうした男にも、喰ってかかるときの目をむくような演技はよかった。
佐々木蔵之助、阿部サダヲなどは、安心して見ていられる演技派。
堀北真希は、水野に想いを寄せる現代的な明るい娘を演じているが、うまい。
全体的には期待をやや裏切られたが・・・。
☆☆+☆(おまけ)
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