「SP 野望篇」(2010)を見てきた。きょうは、水曜日、レディスディだった(それで結構劇場は混んでいた。爆)。テレビのドラマ・シリーズは見ていなかったが、アナログ的アクションの連続で予想以上に迫力があり面白かった。ただ、物語の後半部分は、続編という形の「革命篇」として、来年(春)公開される。そのため、今回の「野望篇」は、次への展開の含みを残して終わっている。
映画は、最初から、予告編で見た通り、SPの一人、岡田准一の猛烈な動き(車の屋根を連続して走ったり、壁わたりをしたりなど)や、テロとの格闘シーンが展開され引き込まれる。音楽も、ダイナミックだ。
「SP」はセキュリティ・ポリスの略で、要人の警護を行う警察署の警護課に属している。
警護課とは別に、警護課第四係のリーダー(主任)である堤 真一演ずる尾形は、与党幹事長の警護を担当しながら、テロによって革命を起こそうとするチームを陰で操っている。これは、幹事長も支持している。
両親を子供のころに殺された尾形は、理想を実現するには、革命によって、人民を覚醒するしかないという立場を取っている。四課のメンバーの一人、井上(岡田准一)が優秀であることから、秘密のチームに組み込もうとするが、井上は、目的のためには手段を選ばない尾形とは相いれず、距離を置く立場を取る。
北朝鮮がミサイルを発射したという情報が入り、内閣官房長官は、会見のために国会会議場に向かうが、途中でテロの一味に襲撃される。敵の狙いは官房長官でなく、どうやら護衛の第四課のメンバーが対象だったようだ。
与党・幹事長のパーティ会場では、資金集めが行われており、幹事長の周りに財界などの主要な人物があいさつに訪れる。参加者をカメラが舐めまわすようにとらえるが、カメラ目線の動きは、実はホテルのボーイに扮した公安のメンバーだった。このあたりのカメラワークが素晴らしい。手持ちカメラの動きが、左右に流れて、あたかも我々観客自身の視野でとらえているような錯覚を覚える。
この映画の見所は、SPに扮した岡田准一のシャープな動き。
素早い動きと、危険人物などの予知能力には驚かされる。
単なるアクション映画というよりは、政治・警察ドラマで、「野望篇」だけでは、わかりにくいが、多くの伏線が、次の「革命篇」で、明らかになるはずだ。
全体に無駄なくスピーディに展開していくが、ユーモアもちりばめてある。
幹事長が遊説で演説をするが、その前に、幹事長を紹介するくだりが面白い。「幹事長として、最年少には1年足りなかったが・・・」と紹介すると、幹事長が、がくっと肩を落とすようにおどけて見せるのだが、どこへ行っても同じタイミングで、おどけて見せるのがおかしい。 選挙演説もかくありきかと思わせる(爆)。演説シーンなど、現職の大臣よりもうまい(笑)。
主な出演:
井上薫(警護課第四係機動警護班隊員・巡査部長)
笹本絵里(警護課第四係機動警護班隊員・巡査部長)
伊達國雄(与党・幹事長)
松尾 諭
山本隆文(警護課第四係機動警護班隊員・巡査部長)
神尾 佑
石田光男(警護課第四係機動警護班隊員・警部補)
堤 真一
尾形総一郎(警護課第四係機動警護班隊員・係長)
田中一郎(公安部公安第一課・巡査部長)
スーツ姿の男
伊達の秘書
木内教永(警護課第四係機動警護班隊員)
伊達 暁
梶山光彦(警護課・理事官)
田辺晋一(内閣官房長官)
山本 圭
麻田雄三(内閣総理大臣)
☆☆☆