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<span itemprop="headline">映画「関ヶ原」(2017)石田三成”視点”で描く天下分け目の戦い。</span>






昨日池袋・新文芸坐で見た2本目の映画は、司馬遼太郎
原作小説の初の完全映画化「関ヶ原」(2017)。
日本の歴史上でも類をみないほどの天下分け目の戦いを、約25年に渡り映画化を熱望してきた原田眞人監督が、石田三成の人物を通して、新しい解釈として描き出している。

ある程度の歴史上の人物の相関関係などを理解していないと難しい(fpdのような?一見さんお断り)映画と言えるかもしれない。セリフも早口が多い。

一言で言えば、戦国史上最大の合戦である関ヶ原の戦いを描いた司馬遼太郎のベストセラー小説を岡田准一役所広司ら実力派俳優の共演で映画化した時代劇。



「正義は必ず勝つ」という正義で世の中を変えようとする石田三成や天下取りの野望を抱く徳川家康ら、武将たちそれぞれの思惑がつづられる。


演技派として武士の風格もある岡田准一

監督は、この映画の企画実現に向けて、主演には早くから岡田准一を念頭に置いていたようで、岡田が30代半ばになるまで待ったというから意気込みがすごい。岡田は昨年11月で37歳。

関ヶ原」は、今年の「日本アカデミー賞優秀作品賞君の膵臓をたべたい」「三度目の殺人ナミヤ雑貨店の奇蹟」「花戦さ」とともに選ばれている。この中から最優秀作品賞が3月1日に決定する。あわせて主演男優賞(岡田准一)・助演男優賞役所広司)もノミネート。岡田准一は、2015年第38回日本アカデミー賞において「永遠の0で最優秀主演男優賞を「蜩ノ記で最優秀助演男優賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げた。
 

                 策略に長けた家康(役所広司
・・・
それは、戦乱の世に終止符を打ち、後の日本の在りようを決定付けた。幼くして豊臣秀吉(滝藤賢一)にその才を認められ、秀吉の小性となった石田三成岡田准一)。

成長し大名にとりたてられた三成は自分の石高の半分を持って、猛将として名を馳せた牢人・島左近平岳大)を家来に乞う。

秀吉に忠誠を誓いながらも、利害によって天下を治めることに疑問を感じて正義で世の中を変えようとする三成の姿に、左近は「天下悉く理に走るとき、ひとり逆しまに走るのは男として面白い」と配下に入るのだった。

同時に、伊賀の忍び・初芽(有村架純)も”犬”として三成に仕えることになった。


              時代劇初挑戦で、アクションも演じた有村架純

秀吉の体調が思わしくない。天下取りの野望を抱く徳川家康(役所広司)は、秀吉の不興を買う小早川秀秋東出昌大)や他の秀吉恩顧の武将たちに言葉巧みに取り入っていく。三成はそんな家康が気に食わない。


 
1598年8月、秀吉逝去。よく1599年閏3月、大老前田利家(西岡徳馬)も亡くなると、先の朝鮮出兵時から三成に恨みを持つ福島正則加藤清正ら秀吉子飼いの七人党が、三成の屋敷を襲撃する。

三成は家康の屋敷に逃げ込み難を逃れるが、このことで佐和山城に蟄居。
家康の影響力が増していく。
 
1600年6月、家康が上杉討伐に向かう。
上杉家家臣・直江兼次松山ケンイチ)と家康の挟み撃ちを図っていた三成は、盟友・大谷刑部らを引き込み、毛利輝元を総大将に立て挙兵。三成の西軍、家康の東軍が覇権をかけて動き出す。



そして1600年秋。戦国時代最大かつ天下分け目の合戦「関ヶ原の戦い」。
豊臣秀吉の死から2年、武将たちが「西軍」と「東軍」に分かれ、“関ヶ原”(現在の岐阜県西端)で雌雄を決した。
  
天下分け目の決戦“関ヶ原の戦い”は、たった6時間で決着。
石田三成岡田准一)は豊臣家への忠義から立ち上がり、圧倒的に有利と言われた西軍を率いて合戦に挑んだ。しかし、権力に燃え、天下取りの私欲のために戦う徳川家康役所広司)に敗北を喫する。そして、命懸けで三成を守り、愛し続けた忍び・初芽(有村架純)との許されない淡い恋の行方は・・・。

・・・
歴史上の人物も、様々なドラマで描かれるが、信長、秀吉や家康などはイメージが作られているが、石田三成などは、”主役”としてフォーカスされることは少なかったようだが、「関ヶ原」では、忍びの者・初芽に恋心を持つなど人間味を見せているのが興味深い。41歳の生涯というのも短い。

秀吉(滝藤賢一)は、”殿、ご乱心”というような、晩年は正気を失っている醜態の姿が印象に残る。家康は、”タヌキ”と言われるが、その風貌も、お腹が大きく丸く突き出て、側室たちがふんどしなど下着を着けていく場面は醜悪そのもの。

 平幹二朗佐久間良子の息子というサラブレッド俳優・平岳大が重要な役で出演している。このほか、北政所の役でキムラ緑子などが出演。



この映画の見所は、合戦のスケールの大きさ。
バイオレンスシーンも多く、エキストラも数千人規模と思われる。
馬が走るシーンも、カメラが馬に取り付けられたのかと錯覚するようなシーンもある。

映画制作費は、ハリウッドの百億円レベルには遠く及ばす数億円と思われるが、限られた予算で、スケール感を出すのはお得意のようだ。ただ、空からの俯瞰撮影が少なかったようだ。それだけの広大なロケーションがなくなってきているからか。下から空を映したり、アップを多用したりして、全体の大きさを出すのには苦労するかもしれない。
関ヶ原”の合戦の前後のいきさつなどを知る一つの手本となる映画ではあった。

このところの岡田准一の近年の主演映画「永遠の0」「海賊と呼ばれた男」「関ヶ原」などを見ていると、アイドルグループ「V6」が本業なのか、役者が本業なのかわからなくなるほどの存在感だ。高倉健が生前「岡田准一はすごい役者になる」と語っていたというが、その言葉通りになっている。

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