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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」(2008)</span>


 

 
「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」(2008)をきょう見た。日本の劇場公開は20091月だった。
レオナルド・ディカプリオケイト・ウインスレットが「タイタニック」(1997)以来11年ぶりの共演を果たした。リチャード・イエーツが1961年に発表した小説を、「アメリカン・ビューティー」でオスカーに輝いたサム・メンデス監督が映画化した。
理想の夫婦に見えるカップルが、それぞれに理想と現実のギャップに悩み、葛藤し、立ちはだかる問題に阻まれながらも、愛と夢を守ろうと苦悩する姿が描かれている。メンデス監督は「アメリカン・ビューティー」と同様、閑静な郊外に住む家族の抱える空虚さと絶望を描いているが、もがき苦しむ若夫婦の姿は、1950年代のアメリカが進んだ道を暗示しているともいわれる。
1950年代のアメリカ、コネチカット州。フランク(ディカプリオ)とエイプリル(ウインスレット)のウィーラー夫妻は、閑静な住宅街に暮らし、二人の子供にも恵まれた理想のカップル。しかし、結婚七年を迎え、今の生活にむなしさを感じ、争い・葛藤の毎日。そんな時エイプリルが提案する。「みんなで、パリで暮らしましょう」と・・・(HPより)。
映画の冒頭、タイトルが出る前に、夫婦の激しいバトルの口論がある。これが映画を物語っている。現状の暮らしに空虚さを感じる妻エイプリルは、パリに生活の拠点を移そうと切り出す。夫フランクは、いったんは気乗りがしない返答をするもエイプリルに従う・・・。

いきなりパリ行きというのも唐突な印象を受けるが、結局は、エイプリルが妊娠に気づき、計画は中止になるのだが。争いが絶えない夫婦。不動産屋の夫妻とその息子が気晴らしにやってくるが、その息子というのが、変わり者。精神的に異常をきたしているというが、ウィラ―夫妻の関係を鋭く見抜く。言いたい放題のその息子に、とうとう逆切れするフランク。このあたりの言い争いがド迫力。

ケイト・ウインスレットは、「愛をよむひと」といい「レボリューショナル・ロード」といい、すばらしい演技派女優となっているのに驚く。「タイタニック」では、ディカプリオの印象が強く、ウインスレットはそれほど目立たなかったが、最近ではアカデミー賞主演女優賞(「愛をよむひと」)を受賞するなど、活躍が目覚ましい。
この映画は、一見何不自由なさそうに見えるカップルの内面の葛藤を鋭くえぐっている。ラストシーンでは、不動産屋夫妻の妻(キャッシー・ベイツ)が、きょう訪問してきたウィラ―夫妻のことをとやかく言うが、夫にはその声がうるさく聞こえ、だんだん声が小さく聞こえなくなって「The End」。うるさい奥さんの声が聞こえなくなるように、補聴器の音量を小さくしたようだ。いずこの夫婦も、大なり小なり問題を抱えていることを暗示しているのか。
☆☆☆