イタリア映画「おとなの事情」(2016)を見た。面白い!!!
友人夫婦の食事会に参加した計7人の男女がゲーム。”他人に聞かれてやましいことはないはず”の前提で、全員がスマホをテーブルに出し、かかってきた電話やメッセージをスピーカーで全員に聞かせることになり、隠したい秘密がパートナー(夫や妻)に暴露される騒動・顛末を描く。アメリカ・トライベッカ国際映画祭脚本賞、ノルウェー国際映画祭観客賞を受賞。
イタリアで大ヒットし、タイトルにも惹かれてみたが、これがとんでもない拾いもので、引き込まれた。伏線があちこちにあり、あとからわかってくる面白さがある。面白いので、見る予定・・・という人は以下はスルーで。
・・・(ネタバレもあり)
ロッコ夫妻宅に参加するために準備する夫婦たち。
レレは妻カルロッタと結婚10年目で、娘(ローザ)、息子(ブルーノ)、レレの実母と5人暮らし。家を出る直前、妻のカルロッタは思い立ってパンティを脱ぎ、机の引き出しに隠して、なんとノーパンで出かける(この意味はあとでわかる)。
唯一ひとりで参加したのはペッペ。ペッペは、元妻エマヌエラと離婚し、今は独身だが最近新しいパートナーを見つけたが風邪気味ということで欠席(なぜ欠席したかが伏線になっている)。
2人には17歳の娘・ソフィアがいる。母親のエヴァは年頃の娘・ソフィアが心配で、ついついカバンをあさってしまう。カバンの中にコンドームを見つけたので、血相を変えて怒る(実は、いざというときのために父がいれておいたものだが・・・)。
・・・
スリリングでハラハラさせる映画だった。
舞台は、ほとんどがロッコ邸だけで、密室劇といえる。
コメディの中にもシリアスな問題も含み、まるでウディ・アレンの上質な皮肉も混じったコメディを見ている印象。
食事会の目的の一つは、元妻エマヌエラと別れたペッペが最近付き合っているという人を連れてくるということで、そのお披露目会も兼ねていたのだった。
3組の夫婦は、ペッペが来るのを楽しみにしていた。ところがやってきたのはペッペはひとり。恋人・ルチッラは風邪を引いてしまったと言うのだ。みんな残念がる。
食事会はなごやかに始まり近所の話など、他愛もない話で盛り上がるが、話は思わぬ方向へ。コジモとビアンカの隣家の夫妻が、つい最近離婚したという話になった。主人が自分の娘ほどの女性(21・2歳)と浮気したことが理由で、浮気が発覚したのは「メールを消していなかったから」ということだった。
食事会はなごやかに始まり近所の話など、他愛もない話で盛り上がるが、話は思わぬ方向へ。コジモとビアンカの隣家の夫妻が、つい最近離婚したという話になった。主人が自分の娘ほどの女性(21・2歳)と浮気したことが理由で、浮気が発覚したのは「メールを消していなかったから」ということだった。
ここから恐ろしいことが起こっていく(笑)。
そしてゲームがはじまる。
それから、全員どきどきしながら待つ。
最初に届いたのはコジモへのメッセージで、知らない相手からの「あなたが欲しい」という内容だった。登録していない相手で電話番号が示される。
続いて、ペッペに妹・マルタから着信があった。着信の場合、スピーカーにして話をすることに決めていた。みんなは静かにしていたつもりが、周囲の声が漏れて、パーティーの最中だとマルタにバレてしまう。マルタはまた改めて電話すると言って、早々に電話を切る。
しかし、”大変な”ことは、あとから出てくる出てくる・・・。
ソフィアは心の準備ができていないと言っている。
話を聞いていた母・エヴァが敏感に反応するが、みんなで制止する。
ロッコは父として助言。初体験は大事なもので、もし将来この夜のことを振り返って、いい思い出だと思えるのならば行け、そうでない場合にはやめておけ、急ぐ必要はない・・・とそう言う。
ロッコは父として助言。初体験は大事なもので、もし将来この夜のことを振り返って、いい思い出だと思えるのならば行け、そうでない場合にはやめておけ、急ぐ必要はない・・・とそう言う。
それを聞いたソフィアは、思いとどまったようだった。聞いていたみんなも、しんみりと感動する。「今日コンドームもらった時、恥ずかしかった」と言い、ソフィアのカバンにコンドームが入っていたのはロッコが渡したものだったのだと、母エヴァは知った。
そして驚愕の事件が起こる。
コジモは、毎晩夜10時になると愛人からメールが入るという。
そこで、スマホのタイプが同じで、独身のペッペとスマホを交換することにしてもらう。本当はペッペにきたメールにレレが返事をしなければならなくなる。ルチオという男から何度も「返事をしろ」というメールが来る。放っておくと「クソ野郎」という内容が返ってきた。
ルチオといっているが、実はルチアという女性ではないかと話をしていると、電話がかかってきた。スピーカーに切り替えた。すると、電話の相手は男で、レレが黙っていると「熱があるのになぜ出かけてるわけ?」とひとしきり怒った後、電話を切る。
ただならぬ仲の様子に、同性愛を疑った一同は、しんとしてしまう。
ペッペとレレはスマホを交換したままなので、レレが当然のように、夫の同性愛を疑い、「いつからだ」と疑い、しぶしぶ「最近だ」と答えてしまうレレ(ペッペをかばう目的で)。ショックを受けたカルロッタは、酒をあおる。
実はペッペの新たな交際相手が男性・ルチオであり、同性愛であるがために、ペッペは友人たちへの紹介をためらっていたのだ。新たな恋人をルチッラという女性名にし、風邪を引いたというのは嘘だった。
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このほか、コジモはエヴァとも浮気していることが発覚したり、なんとカルロッテにメッセージが入る。そのスマホには、「ノーパンか?」というメッセージだった。カルロッテがあせる番となる。フェイスブック(FB)で知り合った男性で、いままでメッセージのやりとりしかしておらず、相手にも家庭があって電話をしたことがないと訴えるが信じてもらえない。
電話をしてみろとレレが強要し、エヴァが代わりに応対。
すると、カルロッテの言う通り。電話は初めてらしく相手の男性は「ずっと声を聞きたかった」と言い、エヴァが会いたいというと「君はいままで嫌がっていたじゃないか。僕はもちろん、会いたいよ」と答える。エヴァは適当に話を切り上げて電話を切る。カルロッテの潔白は証明された。
・・・
月食とパーティーが終わったのと同時に、みんな「なにごともなかったかのように」振る舞う。みな「おとなの事情」を抱えているのだ。先ほどまで喧嘩をしていた者同士も、何事もなかったことにすることで、仲間同士の絆を取り戻す。
ロッコは、「みんな大なり小なり秘密を抱えていて、目に見えない絆や信頼は壊れやすいものだから」と答えた。
すると、カルロッテの言う通り。電話は初めてらしく相手の男性は「ずっと声を聞きたかった」と言い、エヴァが会いたいというと「君はいままで嫌がっていたじゃないか。僕はもちろん、会いたいよ」と答える。エヴァは適当に話を切り上げて電話を切る。カルロッテの潔白は証明された。
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月食とパーティーが終わったのと同時に、みんな「なにごともなかったかのように」振る舞う。みな「おとなの事情」を抱えているのだ。先ほどまで喧嘩をしていた者同士も、何事もなかったことにすることで、仲間同士の絆を取り戻す。
ロッコは、「みんな大なり小なり秘密を抱えていて、目に見えない絆や信頼は壊れやすいものだから」と答えた。
イタリア映画というと、戦後の貧しい時代の庶民の生活などを描いた名作(「鉄道員」「昨日今日明日」「旅情」など)が多かったが、スマホの時代の現代のイタリア人の生活もリアルで家族、夫婦、親子など様々な共通の問題を抱えていることがわかって面白い。
小ネタもいろいろある。「タクシーは絶滅する。カーシェアリングが流行っているから」
パソコンの修理屋の番号登録の名前が「スティーブ・ジョブス」だったりする。男と女の違いはWindowsとMacほども違う、など(笑)。その心は・・・?。口うるさい老人の義母を老人ホームに入れようと案内書を内緒で請求したり、など。
予告編
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