アカデミー賞レースの前哨戦として注目される第25回「放送映画批評家協会賞」(クリティック・チョイス・アワード)のノミネートが発表され、マーティン・スコセッシ監督「アイリッシュマン」が最多14ノミネートを獲得した(写真上)。
Netflix映画「アイリッシュマン」は、伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノに仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされるフランク・“アイリッシュマン”・シーランを主人公に描いたサスペンス。
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシのオスカー俳優3人が豪華競演した本作はここまでの賞レースを席巻しており、今回も作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞を含む14ノミネートに輝いた。
続く12ノミネートを獲得したのは、クエンティン・タランティーノ監督「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」。また、グレタ・ガーウィグ監督が「若草物語」を映画化した「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」が9ノミネート。
ノア・バームバック監督のNetflix映画「マリッジ・ストーリー」と、サム・メンデス監督「1917 命をかけた伝令」がともに8ノミネートを獲得した。第25回放送映画批評家協会賞授賞式は、2020年1月12日に開催される。
映画部門の主なノミネートは以下の通り。
▽作品賞
「アイリッシュマン」
「ジョーカー」
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
「Uncut Gems」
▽主演男優賞
レオナルド・ディカプリオ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
アダム・サンドラー「Uncut Gems」
▽主演女優賞
オークワフィナ「フェアウェル」
シアーシャ・ローナン「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
トム・ハンクス「A Beautiful Day in the Neighborhood」
ブラッド・ピット「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
フローレンス・ピュー「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
チャオ・シュウチェン「フェアウェル」
▽アンサンブル演技賞
「スキャンダル」
「アイリッシュマン」
▽監督賞
グレタ・ガーウィグ「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
ジョシュア・サフディ、ベニー・サフディ「Uncut Gems」
クエンティン・タランティーノ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
▽脚本賞
ライアン・ジョンソン「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」
ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン「パラサイト 半地下の家族」
クエンティン・タランティーノ「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
▽脚色賞
グレタ・ガーウィグ「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
ノア・ハープスター、ミカ・フィッツァーマン=ブル「A Beautiful Day in the Neighborhood」
「レ・ミゼラブル」
アカデミー賞の前哨戦のノミネートを見ているとだいぶ作品的に絞られてきたようだ。
「アイリッシュマン」「ワンス・アポン~」「マリッジ・ストーリー」あたりが有力か。