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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「パラサイト 半地下の家族」(原題:Parasite、2019、韓国)を見た。

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パラサイト 半地下の家族」(原題:Parasite、2019、韓国)を見た。MOVIXさいたま一般公開初日(8:45~)。絶賛コメントが多かったので楽しみにしていたが、予想、期待を裏切らなかった。「人の記事、コメントは読むな。まず見るべし」という映画←オススメということ(笑)。面白さに興奮して文字もつい大きく?(笑)。

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全員が失業中で半地下の住宅で暮らす極貧一家。IT企業を経営する超裕福な一家。本来、交わることのない人生が交錯したことから予想もつかない物語が展開する様を描いている。格差社会を扱い、それを痛烈に風刺しながら、サスペンスやコメディなど多様なジャンルの要素を盛り込んだ独創的な作品。面白さが詰まりすぎているので説明しにくい作品でもある。監督はポン・ジュノ

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「パラサイト」は、半地下の劣悪環境で暮らす無職の一家4人が、豪邸の一家の家庭教師、家政婦、運転手などに雇われ、一時富裕層の暮らしぶりを体験する話だが、それだけではない、予想不能な驚愕の展開が待っていたというストーリー。

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スマホでのWi-fiなど電波が届きにくい地下の環境、どっぷりと身体に染み付いてしまった独特の生活臭など取り繕うことのできない臭い、水害時の悲惨さなどの半地下の生活がリアルに描かれる。

半地下で暮らすギテク一家は労働者層の貧しい人が暮らす下町にある。Wi-Fiが弱いのはもちろん、水圧が低いためトイレが家の一番高い位置に鎮座。ギテク一家は“下の下”に住む家族ということになる。ピザの箱の組立て以外は収入なし。

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そんなギテク一家に、長男に仕事が持ち上がる。高台にあるドンイク一家の家庭教師という職だ。前半のパートは、テンポもよくサスペンスタッチで進む。ところが後半は一転するのだが・・・。

韓国での人の採用はコネが大きいという。この映画の裕福家族の求人は、すでに実績のある雇い人の紹介によるもの。一旦信用を得ると、その先の採用も紹介で細かいチェックは無し。

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(簡単なストーリー)

ある日、キム家の長男ギウ( チェ・ウシク) は、友人の大学生から裕福なパク家の英語の家庭教師をやらないかと誘われる。パク家の豪邸を訪問したとき、ギウは家族の人生を変えるチャンスを見つけた。キム家は全員でパク家に食い込み、パク家にとって欠かせない存在になるための計画を立てる。

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やがてキム家の全員が映画の題名「パラサイト」どおり、パク家に「寄生」して生活を始める。だが不運な上流階級のパク家は、キム家が自分たちの金に依存しているのと同じくらいキム家の労働に依存。前半の1時間は、犯罪コメディーの前向きなエネルギーに満ちている。中盤でパク家がキャンプ旅行に出掛けている間に、キム家はパク家の居間に集まって勝手に酒を飲み、冷蔵庫の中身を食い散らかす。だが、その後の思わぬ展開で2つの家族は異なる立場に置かれ、キム家は現実的でまったく新たな問題に直面する。

映画の後半は、壮大に描かれる自然災害によって、キム家の住まいがある荒廃した路地が深く黒い下水につかる場面から始まる。やがて、2つの家族が隠していた秘密に加えて、家族も知らなかった秘密がスリリングな演出とともに明らかになっていく。

         最後の30分は一切触れることはできない・・・。

■今年の賞レースの一角を占有。

昨年のカンヌ映画祭で「パルムドール」(最高映画賞)を受賞。2018年は是枝監督の「万引き家族」だったので2年連続でアジア作品が最高賞に輝いたことになる。「パラサイト」はその勢いでアカデミー賞の前哨戦の一つ、ゴールデン・グローブ(GG)賞で「外国語映画賞」を受賞。さらに、英国アカデミー賞で作品賞候補5作品に名を連ねている。13日にノミネーションが発表される米アカデミー賞での外国語映画賞ノミネート&受賞もかなり濃厚となってきた。

GG賞も含めてNetflix映画が候補には上がるものの、受賞には至らず苦戦している。Netflix映画の3強と言われた「アイリッシュマン」「2人のローマ教皇」「マリッジ・ストーリー」のうち「マリッジ・ストーリー」は演技部門は別として、作品賞の賞レースから外れたという声も出ている。

今後の賞レースをは見逃せない。