「破門 ふたりのヤクビョーガミ」(2017)を見た。原作は直木賞受賞の黒川博行によるベストセラー小説。佐々木蔵之介と関ジャニ∞の横山裕のW主演で映画化したバディー物コミカル犯罪アクション。出資詐欺に巻き込まれたイケイケなやくざと建設コンサルタントの凸凹コンビが詐欺師を追って、関西やマカオを奔走する姿が描かれる。
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建設現場での暴力団対策を主な仕事とする建設コンサルタントの二宮啓之(横山裕)は、やくざ組織「二蝶会」の桑原保彦(佐々木蔵之介)と知り合ってからトラブルに巻き込まれっぱなし。そんなある日、桑原がいる二蝶会は、映画プロデューサーの小清水隆夫(橋爪功)から聞いた儲け話を鵜呑みにし、出資する事に。ところが、小清水は金を持ったまま愛人・玲美(橋本マナミ)と共に失踪。桑原と二宮はマカオまで小清水を追いかけるが・・・。
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佐々木蔵之介と横山裕は、性格も異なり互いに嫌いだが、成り行きでヤクザとカタギのコンビを組む。佐々木蔵之介が演じる桑原は見るからに外見が、その筋に見え、訪問先に誰もいないので、となりの家の住人に聞くと「金融関係の人」(=借金の取立て)と間違われるほど。敵対するヤクザとの喧嘩では、目玉をむき出す形相がすごい(笑)。またカラオケシーンでは英語の歌を歌うが猛特訓を受けたという。
映画プロデューサー役の橋爪功は、お調子者かつ小心者で、対外的に娘だと言っているのが実は愛人。愛人キャラそのままに演じるのは橋本マナミ。ほかに、二宮(横山裕)の母親はキムラ緑子、従姉妹に北川景子、桑原の兄貴分に國村隼、ライバル組織の組長に宇崎竜童、組の幹部に木下ほうかなど名脇役・曲者役者がズラリ。
桑原と二宮の関西弁コンビの会話も笑わせる。
- 二宮:「日本映画に資金があったのは1960年代末まで。日本映画では「七人の侍」「生きる」「天国と地獄」など」
- 桑原:「なんや、みんな黒澤明やないか」
- 二宮:「よく知ってますね」
- 桑原:「日本人の常識や」
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- 二宮:「金で幸せは買えんが、不幸は減らせる」
- 桑原:「いいこと言うじゃないか」
- 二宮:「ヒッチコックの映画のセリフです」
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監督作品:
「かぞくのひけつ」(2006)
「美しき天然」(オムニバス短編『にほんのうた』の中の一本)(2010)
「毎日かあさん」(2011)✩✩✩
「マエストロ!」(2015)
「破門 ふたりのヤクビョーガミ」(2017)✩✩✩
「初恋~お父さん、チビがいなくなりました」(2019)✩✩✩