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映画「ゴジラ‐1.0」(2023)を初日朝一番で見る(MOVIXさいたま)。

ゴジラ‐1.0」(2023)を初日朝一番(9:50)で見る(MOVIXさいたま)。監督・脚本・VFXは「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎貴。怪獣映画「ゴジラ」シリーズの7年ぶり新作。VFX技術のすごさは目を見張るものがある。

ゴジラと戦うことで人生の負い目を払拭しようと立ち上がる帰還兵(神木隆之介)の葛藤がドラマの主軸となっているが、娯楽映画としても楽しめた。

内容については、公開前は、俳優たちは「中身については話してはダメ」という誓約書を書かされたそう(佐々木蔵之介の話)で、海にゴジラが出る…程度だったとか(笑)。

というわけで、ストーリーはあまり触れません。

シン・ゴジラ」(2016)は政府主導でゴジラと立ち向かい、専門用語が早口でまくしたてられたりして、1回で理解するのは難しかったが「ゴジラ‐1.0」は、民間人がゴジラ撲滅に乗り出すというところで、わかりやすかった。

オリジナルへのリスペクトもあり、あのテーマ曲が流れると、ワクワク感が増幅し、身を乗り出しそうになった。戦中戦後などを描いた「永遠の0」と「ゴジラ」をミックスしたような映画。

主演の神木隆之介浜辺美波のコンビは、NHKドラマが最近ありおなじみだが、撮影は映画のほうが先だったようだ。主演ふたりの関係性を描く人間ドラマでもあった。

タイトルの「‐1.0」(マイナスワン)は、戦後、無(ゼロ)になった日本へ追い打ちをかけるように現れたゴジラが、さらにこの国を負(マイナス)に叩き落とす、とある。

舞台は太平洋戦争の末期から戦後復興のただなかにあった時代の日本。各都市が空襲や原爆投下によって破壊され、ポツダム宣言を受諾し無条件降伏をした日本は、いわば全てを失った「ゼロ」の状態。そんな日本をさらに破壊王ゴジラが蹂躙し、ゼロどころかマイナスの状態にされてしまうという設定

ただ、うがった見方をすれば、映画のラストで、破壊・駆逐されたかに見えたゴジラが、ぶくぶくと増殖・再生していき1954年の「ゴジラ」の初登場へとつながっていく前日譚(ぜんじつたん)だったのではないか。

ゴジラの全世界の敵という恐るべき恐怖の権化と化した恐怖感が半端ない。ゴジラが強すぎて、闘う人間が絶望感さへ味わうほど。VFXはさすがとしか言いようがないほど素晴らしく、ゴジラとの戦闘シーンも迫力があった。ゴジラが電車をつかみ、車両を投げるシーンなどは息をのむ作り。

          かなり目つきが怖かった(笑)

焼け野原に残された典子のセリフで「パンパン(主に進駐軍相手の戦後の合法売春婦)になるわけにもいかないし」というセリフがあったり、戦後の闇市の光景など日本の戦後を忠実に描いている。

・・・
1954年(昭和29年)の初作から通算30作目で、来年の70周年を記念した作品でもある。東宝から「次のゴジラどうですか」と打診された山崎監督は「あの”シン・ゴジラ”のあとにかよ(笑)」と思ったらしい。

海の表面に現れるゴジラの背びれが、ナイフか竹が何本も突きでて研ぎ澄まされたような鋭さがあり、背びれがブルーの光線に変化するなども強烈な印象を残した。

ゴジラが現れたと証言する人がいても、国は、国民が混乱するからと公にしないなど、政府の隠ぺい体質を批判する声もあった。ならば、国に頼らず民間でゴジラに立ち向かおうということになるのだが…。

秋津から小僧呼ばわりされ、ゴジラ退治に加えてもらえなかった水島が、助っ人の大艦隊を引き連れて、応援に駆け付けたときは、さすがの秋津も、驚き、こう叫んだ。

  「恐れ入谷の鬼子母神(おそれいりやのきしぼじん)」(笑)。

※「恐れ入りやした」の「いりや」を地名の「入谷」に掛け、同地にある「鬼子母神」と続けたもの。「恐れ入りました」をしゃれていう語。

付け足し言葉の一種だそうで、例えば「驚き桃の木山椒の木」「あたりき車力よ車曳(ひ)き」「おっと合点承知之助」「何か用か九日十日」など。今では死語だが、おやじギャグが好きな人は使うらしい。

有名俳優の顔がワンカットちらりと出ていたりするので、目を凝らして…。

 

 

 

【主要登場人物】
■敷島浩一:神木隆之介

特攻隊員だが、特攻の恐怖から故障を装い大戸島の整備場に不時着。そこで呉爾羅(ゴジラ)に襲われ恐怖から何も出来ずに整備班が壊滅させられてしまう。その恐怖と失意を抱えて日本に戻ってきた帰還兵。戦禍によって両親を失い、家も焼かれた状況の中で典子と戦争孤児の明子に出会う。
■大石典子:浜辺美波

戦災孤児の少女を預かり、焼け野原の戦後日本を単身で強く生きる女性。戦争帰りの敷島と意外な形で出会い、敷島の家に幼子とともに同居する。敷島が一人苦しむ姿に、私にも話して、その苦しみを分かち合ってと健気だが芯が強い。
■水島四郎:山田裕貴

戦後処理の特殊任務を請け負う船「新生丸」に乗り込む。「新生丸」艇長からは小僧呼ばわりされるが徐々に成長していく。俺だってやればできるという意地を見せたい。
■橘 宗作:青木崇高

元・海軍航空隊の整備部。並ぶ者がいないほどの高い整備の技術を持つ。敷島が飛行機の故障を理由に特攻を避けたことを知っている。のちに敷島から助けを求められるが、その呼び戻し方に怒りを覚えるものの協力する。飛行機からの脱出方法を伝授し「明子(幼子)のためにも死ぬやよ」と応援する。
■野田健治:吉岡秀隆

海軍工廠(こうしょう)の科学者。海軍工廠で兵器の開発に携わり、やや変わり者の学者と呼ばれ、ゴジラ撃退方法を考案する。
■太田澄子:安藤サクラ

敷島の家の隣の住人。戦争で子どもを失くしたつらい経験を持つ。敷島家に関わることで、敷島と同居する戦災孤児の少女を一時的に面倒を見たりする。
■秋津淸治:佐々木蔵之介

戦後処理の特殊任務を請け負う船「新生丸」の艇長。

■明子 :水谷咲笑

戦争孤児の女の子。敷島と典子と暮らすことに。母親がいなくなったさびしさからときどき泣きじゃくる。

【メモ】ゴジラの大きさなど:

身長:50.1m(初代ゴジラ50mとほぼ同じ)

全長:150m

尻尾長さ:120m

爪の長さ:2m

放射熱戦:50万度

知能:人類を憎み破壊する。悪意があり人類を踏み潰す。

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www.youtube.com

北米でも1000スクリーン超での公開が決まっていて、来週には米ハリウッドでプレミアを予定。神木隆之介山崎貴監督(59)が参加する。ハリウッド版の「Godzilla」がいいと思っているアメリカの観客に、「本家が乗り込む!」という挑戦状をたたきつけるような恰好になりそうだ。

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【追加】ネットなどでは「ゴジラ‐1.0(マイナスワン)」考察が大流行で、島に登場するゴジラは恐竜の発展形で、銀座のゴジラは進化系ゴジラと全く別物であり、そもそもそのゴジラの目的は何か…など。いろいろと知ってから見ると、2回目の鑑賞では、ゴジラの動き、行動も理解できるというのだが…。

この映画は「東京国際映画祭」のクロージング作品だったので、多くの一般客が公開初日に見る前にコアな映画ファンは見ていたため、本作についてよかった点・悪かった点などあれやこれやが飛び交っていることが後からわかった。

この映画は劇場の大画面で見ることをお勧めします。

 

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