米国における日本の映画史を塗り替えた「ゴジラ -1.0」
映画「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」は、2023年12月1日(現地時間)に米国で公開された。シリーズ33作目にして“日本実写映画として米国興行収入最大の作品”となった。
すでに10日間で2600万ドル(約40億円)を記録。ちなみに歴代日本アニメ2位の「鬼滅の刃」の米国興行収入も超えるとみられる。
通常は現地企業に任せる「配給」をTOHO Internationalが自社で担い、全米にスクリーン展開したことが大きい。期間限定の予定が、客足が伸び、1月中旬ころまで拡大公開の予定。
日本国内で大ヒットを期した「シン・ゴジラ」(2016)は、日本的な内容。日本での興収は82億円だが、米国では200万ドル(約3億円)で収束。
「ゴジラ-1.0」は、神木隆之介ふんする元特攻隊パイロットの生き残りで呵責(かしゃく)を抱える敷島浩一と、浜辺美波ふんする焦土をさまよう子連れのヒロイン大石典子が象徴的で、素直に家族の物語に昇華させた普遍性は、この映画を万国共通のストーリーに仕立て上げたものになった。
米国で爆発的にヒットしているかに関して、ここ10年ハリウッドが温めてきたゴジラ熱と東宝の企業戦略の勝利であったと言えるという。
およそ10年前、東宝ゴジラにまさかの追い風が吹いた。米ウォルト・ディズニーの「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」(2008~)の次を狙うレジェンダリー・エンターテインメントとワーナー・ブラザースが組んで「モンスター・ヴァース」をつくろうという動きであった。
1作目「Godzilla」(2014)が制作費は1.6億ドル、興収は5.2億ドル。
2作目の「Kong: Skull Island(キングコング:髑髏島の巨神)」(2017)に続き、
3作目「Godzilla: King of the Monsters(ゴジラ キング・オブ・モンスターズ)」(2019)が制作費1.7億ドル/興収3.9億ドル。
4作目「Godzilla vs. Kong(ゴジラvsコング)」(2021)が制作費1.5億ドル/興収4.7億ドル。
どの作品も500億円超えの大ヒット作品である。
来年2024年には「Godzilla x Kong: The New Empire(ゴジラxコング 新たなる帝国)」の公開も予定されている。
宣伝費も100億円規模を投下されてきたこれらの作品は「ゴジラ」という車体に、その車体に見合う10倍以上ものエンジンが取り付けられたようなものだ(Yahooニュースより)。
「ゴジラxコング 新たなる帝国」(原題:Godzilla x Kong: The New Empire)が2024年4月26日に公開される。「ゴジラ」と「キングコング」のリブート映画「ゴジラvsコング」の続編で、モンスター・ヴァースの第5作。
監督のアダム・ウィンガードや脚本のテリー・ロッシオ、キャストのレベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、カイリー・ホットルは前作から続投。
■「にほんブログ村」にポチッと!。