「カイジ ファイナルゲーム」(2020)を見る。福本伸行の人気コミックを藤原竜也主演で実写映画化した「カイジ」シリーズの3作目。
第1作は見ているが、前作「カイジ2 人生奪回ゲーム」(未見)から9年ぶりの新作。原作者の福本が考案したオリジナルストーリー。
「バベルの塔」「最後の審判」「ドリームジャンプ」「ゴールドジャンケン」という4つの新しいゲームを描く。逆転に次ぐ逆転で、予断を許さない展開が見どころ。
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(ストーリー)2020年、国を挙げて盛大に開かれた東京オリンピックの終了を機に、この国の景気は恐ろしい速さで失速していった。
金を持つ強者だけが生き残り、金のない弱者は簡単に踏みつぶされ、身を寄せ合うことで何とか今を生きていた。
自堕落な生活を送っていたカイジ(藤原竜也)は、派遣会社からクズと罵られ、薄っぺらい給料袋を手渡される。そんなカイジに声をかけてきたのは、帝愛グループ企業のひとつを任される社長に出世し、スーツに身を包んだ大槻(福士蒼汰)だった。
大槻は一枚のチラシを見せ、自分と組まないかとカイジを誘った。
それは【第5回若者救済イベント開催!バベルの塔】。金を持て余した大金持ちの老人(伊武雅刀)が主催するイベントで、一攫千金のチャンスだが…。
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東京オリンピックは、この映画とは異なり1年遅れの2021年開催となったが、オリンピック後の日本はこの映画のように景気の低迷と物価高騰で、一般庶民は、生活が苦しい状態。
映画では、派遣社員は70%を会社側に吸い上げられてしまうというひどい状態。派遣会社の社長は「やめたい奴はやめろ。お前たちは他で何ができるというのだ」と突き放し、派遣社員を人間扱いしないのだ。
そんな中、カイジはそんな悪徳派遣会社に挑戦状をたたきつける。
絶対に勝ち目のない戦いに見えたが、カイジの鋭いカンと作戦で、相手をぎゃふんといわせるところは痛快・爽快。
派遣社員を小ばかにしていた相手を打ち負かし、
「バカにしていた派遣社員に足元をすくわれたんだよ」
と叫ぶカイジ。
焼肉など高くて手が出ないカイジだったが、値段が高騰しているビールを飲んで、
「ギンギンに冷えたビールは悪魔的だ~!」
とも叫ぶのだった。
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何か成し遂げた後のビールは最高。特に最初の1杯は…。
福士蒼汰、関水渚、新田真剣佑、吉田鋼太郎らがシリーズ初参戦。過去作からは天海祐希、松尾スズキ、生瀬勝久らが再登場。監督は過去2作と同じ佐藤東弥。
福士蒼汰が、いかにも官僚タイプの切れ者といった印象で、相手の手の内はすべて読み取れると豪語していたが、カイジがさらに裏の裏を読んで相手をねじ伏せた。
吉田鋼太郎は、若手と共演することが多いが、高圧的な態度で派遣社員をクズ扱いしていたが、必ずしっぺ返しが来ることを最後に思い知る。
新札発行を機に、旧札を使えなくなる法案を巡って国会で攻防がある。総理大臣自らが先頭に立って、一部議員たちと、新紙幣を独り占めにしようという野望を果たそうとするが、カイジには通用しなかった。
この映画シリーズから、例えば韓国映画(「イカゲーム」)などサバイバルゲームの映画が誕生していったと思われる。
キャスト:
藤原竜也 :伊藤カイジ
福士蒼汰 :高倉浩介
関水渚 :桐野加奈子
新田真剣佑 :廣瀬湊
吉田鋼太郎 :黒崎義裕
松尾スズキ :大槻太郎
生瀬勝久 :坂崎孝太郎
天海祐希 :遠藤凛子
山崎育三郎 :西野佳志
前田公輝 :高瀬強士
瀬戸利樹 :菅原太一
金田明夫 :渋沢総一郎
伊武雅刀 :東郷滋
篠田麻里子 :最後の審判挑戦者
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