
映画「フォロウィング」(原題: Following、1999)はクリストファー・ノーラン監督のデビュー作。ノーラン監督は、脚本・撮影・共同編集・共同製作も担当し、極上ミステリー・スリラーを完成。
フィルム・ノワールの影響を強く受けた白黒映画。時系列がシャッフルされていて終盤になるにつれ登場人物の詳細が明らかになっていく構成。
約70分の短い映画だが、最後に怒涛の伏線回収があるアイデアがいい。製作費はわずか6000ドルという低予算。ノーラン監督が初作品にしてその名を一躍世界に知らしめた作品。2024年4月、デジタルリマスター版にてリバイバル公開された。

<ストーリー>
作家志望のビル(ジェレミー・セオボルド)は失業中の孤独な若者。唯一の趣味は他人の尾行だった。
興味を持った人物を追い、深追いはせず、2度は追わないルールだった。小説のアイデア探しが目的だった、
ある時、大きなバッグを持った男を2度尾(つ)けていったが、喫茶店でコーヒーを飲んでいるときに、男に気づかれてしまい男から問い詰められるビル。
コッブ(アレックス・ハウ)と名乗る男は自分は泥棒だと自己紹介。コッブは空き巣の現場にビルを連れて行った。
盗みよりも刺激が大事だというコッブ。他人に興味があるからと、家の様子から住人の人となりを推理する。
帰宅した住人と鉢合せしてしまい逃げ出すが、次の盗みの段取りを任せられたビルは、当てもないので自分のアパートにコッブを盗みに入らせた。
コッブはこの部屋の住民は失業者で作家志望の男の部屋だと言い当てて、何も盗らずに帰るコッブ。
バーで美女をみかけナンパするビル。美女は、このバーの怖いオーナーの連れだと牽制したが、店を抜け出してビルの部屋までついて来た。
恋仲になり、美女のアパートを訪ねるビル。そこは、以前にコッブと2人で空き巣に入った部屋だった。
ビルは盗み中に美女の写真を見て彼女を尾(つ)けて、バーでナンパしたのだ。美女がバーのオーナーを恐れる理由を知りたがるビル。
するとオーナーが、この部屋で男を拷問して殺したのだと打ち明ける美女。
手っ取り早い金の作り方として、盗んだ未署名の「D.ロイド」という名前のクレジットカードをビルに渡し、ロイドの名前を署名させるコッブ。
空き巣先で鉢合せした住人と遭遇したビルは、風体を変えるために散髪して髭を剃り、コッブと似たスーツ姿で出歩き始めた。
実は美女はコッブと愛人関係にあった。コッブは泥棒に入った先で、殺された直後の老婆の遺体と遭遇し、警察に疑われて事情聴取に呼び出されていた。
ビルを身代わりとするために、同じ手口で盗みに入らせ逮捕させようと計画するコッブ。
美女はビルに、ある「写真」をネタにバーのオーナーから脅されていると訴え、閉店後のバーに押し入って金庫から写真を盗むよう依頼した。
バーに忍び込み、美女から聞いた暗証番号で金庫を開くビル。そこで従業員と遭遇したビルは男を金槌で殴り倒し、札束と写真を盗んで逃走した。
美女の家に行き、今夜、捕まっていればコッブの身代わりに出来たと打ち明けられるビル。ビルは全てを警察に話す覚悟で美女の家を後にした。
実は、コッブが老女の遺体と遭遇した話は、美女を騙すための嘘だった。コッブはバーのオーナーの依頼で、美女から過去の「殺し」の証拠品を取り返し、彼女の口を塞ぐために送り込まれた男だった。
美女こそが、殺人の目撃者としてオーナーを強請(ゆす)っていた張本人だったのだ。
警察で全てを話すビル。しかし、コッブという男は存在が確認できないと言う刑事。盗みに入った証拠も偽のクレジットカードも、全てビルの部屋から押収され、ビル1人の犯行を示していた。
美女が証人だと訴えるビル。だが、美女はすでに撲殺されていた。凶器は、ビルが殴った従業員の血の付いた金槌であり、コッブという男は忽然と消え去った。

謎の金髪美女(左)
・・・
何気なく見ていたが、すべてが一人の人物によって仕組まれていたことがあとでわかるという「あっ」と言わせる面白さがある。ノーラン監督の「メメント」「インセプション」「TENET」などの原点とも言われる作品。
「フォロウィング」の真の怖さは「人を観察しているつもりで、実は自分が観察されていた」ということ。
<主な登場人物>
■ビル:ジェレミー・セオボルド…作家志望の無職の男。人を観察するために尾行を始める。好奇心が強いが危険を予測できない。
■コッブ:アレックス・ハウ…ビルが尾行して出会う謎の男。泥棒で、哲学的なことを語る。自信満々で、他人の弱さを見抜き、利用する策士。
■金髪の女性:ルーシー・ラッセル…コッブと関係のあるミステリアスな女性。被害者にも加害者にも見える。
■警官:ジョン・ノーラン・・・ビルの取り調べを行う。
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