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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「嘘八百 京町ロワイヤル」(2020)を見る。中井貴一、佐々木蔵之介のバディ・コメディ。

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嘘八百 京町ロワイヤル」(2020)を見る。「百円の恋」の武正晴監督が手掛けた「嘘八百」シリーズ第2弾。映画のラストに「つづく かも」とあり、シリーズ第3弾もありそうな余韻を残して終わった。幻のお宝をめぐり、中井貴一扮する古物商と佐々木蔵之介扮する陶芸家が騙し合いの大騒動を繰り広げるコメディ。

「スティング」「蒲田行進曲」のようなラストの痛快な騙しや、シングルマザーの広末涼子と息子のあっと驚くラストの会話もうならせる(笑)。

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古物商・小池則夫(中井貴一)が営む「古美術 獺」の元に、テレビの取材が入る。アイドル陶芸家の陶芸王子(山田裕貴)がレポーターとなり、鑑定家である億野万蔵と、古美術店“嵐山堂”の二代目当主嵐山直矢が、お宝を鑑定して回る番組だ。

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小池は、お宝として陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)が作った茶碗を出すが、鑑定結果は「5000円」。さらに、同じく野田佐輔が作った名作“緑らく名大海原”についても「樋渡開花堂が、1億で偽物をつかまされたやつですね、これも偽物でしょう」と言われてしまう。

当の陶芸家である野田佐輔は、個展での商談の場でこのテレビを見てしまう。商談相手は「偽物を掴まされては」と逃げてしまった。さらに個展のオーナーからは、テレビでケチがついたから、と個展の終了を言い渡されてしまう。

野田の妻、康子(友近)は「この人、口は立たないんですけど、腕は立つんです」とフォローするが、オーナーは去ってしまった。

その後も、せっかく客だと思った人からは贋作制作を依頼されてしまい、康子は追い出してしまう。

野田は以前、その腕を買われ贋作を作っていたが、ある事件をきっかけにもう贋作は作らないと心に誓っていたのだった。

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ある日、めっきり客がいなくなってしまった「古美術 獺」に、着物美人の志野(広末涼子)がやってくる。

「母が美術商に騙されて、父の形見の茶碗が取られてしまい探しているが、名前もわからない」とのこと。

差し出された写真を見て、古田織部の“はたかけ”ではないか、という小池。美人に弱い小池は「良い方法を考えてみます」と安請け合いをしてしまった。野田のいきつけの居酒屋では、かつての贋作仲間がいまだ集っていた。

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野田に加え、警察の筆跡鑑定をもくぐり抜ける達筆のマスター、紙に詳しい表具屋のよっちゃん(坂田利夫)、どんな箱でも作ってみせる材木屋たちが、着物美人の依頼について話す小池の話に耳を寄せている。

小池は、野田に織部のはたかけの贋作を依頼するが、やはり断られた。

しかし野田は小池のところに、ある茶碗を持ち込む。

それは、野田が20年前、樋渡開花堂に依頼され作成した織部のはたかけの贋作の補欠だった茶碗だというのだ。

ちょうどやってきた志野に「お母様に、茶碗が戻ってきたといえるように」と贋作の茶碗を渡し「お礼はその涙で」と恰好を付ける小池だった。

ところが、志野はその“はたかけ”をネットオークションに出品してしまい、騙されたことに気付いた小池と野田は志野の後を尾行したところ、志野が高級クラブで働くホステスであることを突き止めたのだった。

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和風美人として登場した志野(広末涼子)が、実は真っ赤なド派手な衣装でクラブで人気のホステスだったという一面を見せるギャップで魅せる。竜雷太扮する有望な見込み客には「一回おしりでも触らせれば、簡単に騙せる」とうそぶくから女は怖い(笑)。

騙したつもりが騙されるという、さらに上手を行く詐欺師の話で、痛快なエンタメだが、やはり面白さの多くは、中井貴一佐々木蔵之介のとぼけたバディぶりの掛け合いかもしれない。

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