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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">「ゴシカ」(2003): 心理スリラー</span>

 


 
 
 
 
 
 ゴシカ(2003)は、ハル・ベリーぺネロぺ・クルスロバート・ダウニーJr.などがでているスリラーということで、見てみた。ホラー専門のプロダクション(ダーク・キャッスル・エンタテインメント)が製作したということで、ホラー色の強いサイコ・スリラーだった。
B級スリラーで、見ている人は少ない?
元来ホラー、ゾンビ、カルトなどの映画は好まないが、どういうわけかこのところ、“そちら(=ホラー)系”の映画が多くなってきた(最近見た「ミスト」「ゾディアック」しかり)。そういう映画を好む一部のブロガーさんたち(GH字幕さんHKさん、くらげさん・・・)の影響の影がちらほら見え隠れする(笑)。
ホラー映画は、演技者のおびえる姿を極端にすることで、恐怖を倍加させる狙いがある。だんだんと追いつめていく怖さである。記憶を失った女性犯罪心理学者が、まったく意識も記憶もないのに、夫殺害の容疑で収監されたうえに、何者かが自分の心を操ろうとする気配があり、苦しめられる。
その原因が、最後に明らかになる。それまでの過程は、これでもかというくらい苦しむ。その苦しみを味わうのは、オスカー女優のハル・ベリー。女囚のペネロペ・クルスは、普段の美貌のかけらもないほどの不細工な顔立ちで、これが、あの「ボルベール 帰郷」「NINE」と同じ女優かと驚くほど。しかし、ラストシーンでは、ワンカットだけだが、隠しきれない美貌をのぞかせている。
監督は、俳優としても活躍する「クリムゾン・リバー」のマチュー・カソヴィッツ
鬱蒼とした森の奥にそびえたつ、ウッドワード女子刑務所精神科病棟。
美しく聡明なミランダ・グレイ博士(ハル・ベリー)は、上司であり夫でもあるダグラスの指導のもと、精神を病んだ女囚たちの心理分析と治療を行っていた。最近の気がかりは、女囚クロエ(ペネロペ・クルス)が治療の甲斐なく、悪魔に犯されたと訴え続けることだった。
実はこれが、この映画のテーマでもあり伏線だった。
ある日、土砂降りの雨の中車で帰途についたミランダは、道に立ちすくんでいる謎めいた少女を目撃する。少女をよけようとして車を大破させてしまったミランダだが、次の瞬間、ベッドの上で目覚めた。
そしてそこは自分が勤務する精神病棟だった。一体、何が起きたのか?そこにやってきた同僚の医師ピート(ロバート・ダウニー・Jr)は、驚愕の事実をミランダに告げる。夫ダグラスが惨殺され、ミランダが殺人犯として現場で逮捕されたというのだ。
混乱するミランダだが、そのとき彼女の脳裏に雨の中で見た少女の姿が浮かんだ。少女に会えば、何か分かるかもしれない、と直感するミランダ。すると、ミランダの腕に「Not Alone」という血文字が出現する。
この血文字は何を意味するのか?だが、さらに信じられない恐ろしい事実が発覚する。その少女は4年前に死んでいたのだ。錯乱したミランダは、精神異常としてクロエたちと同じ病棟の住人となる。どんなに叫んでも、訴えても、誰も耳を傾けない病棟。しかもミランダはそこで、あの少女の姿を再び見てしまい・・・。
精神異常者は、「自分は正常だと訴えれば訴えるほど、ますます異常者とみなされる」という映画の中の言葉が印象に残る。背景に、異常者に仕立て上げた方が都合がいい人物がいるのだ。さきほどの「Not Alone」(一人ではない)の意味は最後にわかる仕掛け。


 
 
 
 
 
 それにしてもおそろしく、おぞましいクライマックスだった。
ホラー、サイコ・スリラーもまんざらではないな、と傾いてきたfpdでした。
 ★★ (暇な向きは・・・)