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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「女囚701号/さそり」(1972)を再見。シリーズ第1作。

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女囚701号/さそり」(1972)を劇場で初見以来、数十年ぶりに再見した。東映製作で、梶芽衣子の人気を決定づけた「女囚さそり」シリーズの第1作目。梶の歌う主題歌「怨み節」もヒットした。

恋人に裏切られた挙句、冤罪によって収監された「女囚701号」こと「松島ナミ(さそり)」を主人公とした映画シリーズ。

収監された刑務所内での看守や女囚による陰惨な私刑(リンチ)や陵辱(レイプ)、刑事による暴力に超人的な精神力と忍耐力で耐え「怨み」を蓄積していき、最終的には自分を陥れた男達へと復讐を遂げるといったストーリー

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言葉少ない梶芽衣子の恨んだような目ヂカラが強烈。警官たちが、女囚たちに振り回される姿は今見るとやや滑稽。監督は伊藤俊也で、シリーズ4作中、第3作まで監督した。伊藤監督は後の作品に「白蛇抄」「花いちもんめ。」(第9回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞)などがある。

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女子刑務所から女囚の松島ナミ(梶芽衣子)が逃走したことを知らせるサイレンが鳴り響き、郷田毅(渡辺文雄)は看守たちにナミを捕まえるように命じる。

ナミは3年前、刑事で恋人だった杉見次雄(夏八木勲)の出世の道具として利用され、彼が裏で繋がっていたヤクザ組織の男たちにレイプされてしまう。

そして自分を裏切った杉見を警察署の前で襲撃、包丁で刺そうとしたナミは、そのまま警官に取り押さえられ逮捕、投獄されるのだった。

脱走を図ったナミだったが、後から追ってきた看守に捕まり刑務所で地獄のような体験をする…。

ナミは懲罰房と呼ばれる独房で手を縛れれたまま、配膳係の班長グループの女囚から味噌汁を地面に流したのを犬のように食べろと嫌がらせをする。

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手足を縛られ宙吊りにされてリンチ、暴行されたり、全女囚に空き地の土を掘る、埋めるのを繰り返すという強制労働を延々と続けたあと、ナミだけには土を掘り続けさせ、ほかの女囚たちには、上から土を埋めさせるなどの苦行を与える。

しかしそうした苦痛にも耐え抜くナミは、数日後、ようやく懲罰房から出され、嫉妬、欲望とバイオレンス渦巻く雑居房でナミは虎視眈々と復讐に燃える。

ナミは他の女囚集団と対立する一方で味方もいることに気づく。それは仲間の由起子(渡辺やよい)と、ナミより後に入った新入りの梨恵(扇ひろ子)だった。

その後長時間に渡る強制労働でついに女囚たちの不満が爆発して暴動を起こし、彼女たちはスコップで数人の看守を襲って銃を奪う。その時、ナミを狙う1丁の銃に気づいた由起子はナミを庇って被弾し、撃ったのは班長リーダーの片桐(横山リエ)だと血文字でナミに伝えたあと息を引き取る。

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その後女囚たちは刑務所の倉庫に数人の看守を人質に取ってバリケードを築いて立てこもるが、この状況でまたしても片桐がナミを暗殺しようとする。

危ないところで梨恵に助けられたナミは片桐を脅すと、ナミの暗殺は杉見の命令によるものだと自白した。

そのため、改めて杉見への恨みを募らせる。その後、看守たちがなだれ込むが、ナミは床に撒いた灯油に火をつけて火事を起こし、周りが避難で大混乱する中、脱走に成功し、郷田を悔しがらせる。

後日、全身黒い服に身を包んだナミは3年前に暮らしていた街に現れ、恨みを持った男たち一人一人に復讐していくのだった。

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画面が90度に傾いたり、真下からの撮影があったり、カメラアングルの変化も見所だった。

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バイオレンスあり、エロありで、この頃は日活のロマンポルノ全盛の頃で、時代的には、ヤクザ、暴力、任侠映画が多かった。東映の「まむしの兄弟」シリーズ(1971ー1975)や「仁義なき戦い」シリーズ(1973〜)「トラック野郎」シリーズ(1975-1979)など菅原文太が活躍した。

昭和の映画などを見直すと、当時の時代背景や、新しい発見があって面白い。

「女囚701号/さそり」のオープニングは日本の国旗「日の丸」で、最後も日の丸だった。最初の日の丸は、刑務所の責任者(渡辺文雄)が長年の功績で表彰されるシーンで、背景に国旗が見られた。最後のシーンの日の丸は、杉見(夏八木勲)が、ナミ(梶芽衣子)に屋上で殺されるシーンで、血の滴(したた)りが丸くなり、まるで日の丸のようになる。

 

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