fpdの映画スクラップ貼

「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

<span itemprop="headline">映画「喜びも悲しみも幾歳月」(1957)</span>

「喜びも悲しみも幾歳月」(1957)は、劇場リバイバルがあったので観た(東京・丸の内東映、1976年
2月16日)。会社の映画好きの先輩と見に行ったが共に感動したのを覚えている。

映画は有名で、木下恵介監督作品の中でも「二十四の瞳」などと並ぶ作品。

その主題歌は、小学生の頃から聴いて知っていた。船の航海を守る灯台守の仕事、自然との闘い
などが大変なことがわかる。

主役を演じた佐田啓二高峰秀子の名演とともに忘れられない名作であった。

映画は、灯台のある日本の様々な場所に移動(転勤)する夫婦の絆と様々な苦労の
物語といえる。最初に、国内の灯台を点々とする場面で始まり、ラストシーンも、
新天地に到着するシーンで終わる。




映画のオープニング・シーン:

喜びも悲しみも幾歳月 その1

若山彰の歌唱による同名主題歌の「喜びも悲しみも幾歳月」も大ヒットした。

主題歌(歌詞):

おいら岬の灯台守は  妻と二人で沖ゆく舟の
無事を祈って灯をかざす  灯をかざす

冬がきたぞと海鳥鳴けば  北は雪国 吹雪の夜の
沖に霧笛がよびかける  よびかける

離れ小島に南の風が  吹けば春くる 花の香だより
遠い故郷思い出す  思い出す

あしたに夕べに入船出船  妻よ頑張れ涙をぬぐえ
燃えてきらめく夏の海  夏の海
 
星をかぞえて波の音きいて ともにすごした幾年月の
喜び悲しみ目にうかぶ  目にうかぶ


海の安全を守るため、日本各地の辺地に点在する灯台を転々としながら厳しい駐在生活を送る
燈台守夫婦の、戦前の昭和7年から戦後に至る25年間を描いた長編ドラマである。

1956年に雑誌掲載された福島県塩屋埼灯台長(当時)田中績の妻・きよの手記から題材を得て、
木下監督自身が脚本を執筆した。全編に渡りカラー映像で撮影され、単なるホームドラマの枠を
超えて日本各地の美しく厳しい風景を活写した大作で、公開当時大ヒット作となり、同年の
芸術祭賞を受賞した。

映画では、オープニング・シーンに登場する観音崎のほか、御前崎、安乗崎、野寒布岬、三原山
五島列島、瀬戸内海の男木島、女木島など全国各地で撮影したことから、一種のロードムービー
といった色彩もある作品である。




舞台は昭和初期。

自動化されていない当時の灯台は、住み込みの灯台守が毎日決まった時間に灯をともし、
夜の航海の安全を守る。嵐が来たからといって休むわけにはいかない。自分の都合は二の次。
子供が生まれるときも、死ぬときでさえ、仕事を休んで灯台の灯を消すことは出来ない
という過酷な仕事。

灯台というものは、人里離れた辺境に建っている。だからそこに毎日住み込むということは、
同時に世間から完全に隔離されてしまうということも意味している。

一切他人との交流を絶たれ、ひたすら夫婦二人で顔をつきあわせる毎日。一回の見合いで
結婚を決意した主人公夫婦(佐田啓二高峰秀子)は、作品の中で流れる25年という歳月の、
想像を絶する重みを受け止めなければならないのだった。

主な出演者:

四郎:佐田啓二
きよ子:高峰秀子 
雪野:有沢正子
光太郎:中村賀津雄
野津:田村高廣
真砂子:伊藤弘子
進吾:仲谷昇
進吾の母:夏川静江

監督:木下恵介
1957年松竹映画