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「名作に進路を取れ!」…映画とその他諸々のブログです。

映画「少年時代」(1990)脚本山田太一、篠田正浩監督作品。日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞など6部門受賞

映画「少年時代」(1990)は、脚本山田太一篠田正浩監督作品。第14回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞など6部門の最優秀賞受賞をはじめとした多くの映画賞を30部門以上受賞。

戦局が悪化の一途をたどる昭和19年(1944年)。東京から富山に縁故疎開することになった小学5年生・進二の田舎体験記。子供たちが「二十四の瞳」のようにいきいきと描かれている。

出演は主人公シンジの両親に岩下志麻細川俊之、駅長に大滝秀治、校長に芦田伸介、シンジの叔父に河原崎長一郎などベテランがわきを固める。ちょい役で大橋巨泉高畑淳子なども顔を見せる。

力で相手をねじ伏せるガキ大将、強きになびき弱きをいじめるデブッチョ、策略家の副委員長など少年たちの小社会が軍国・日本の気運を反映して、権力抗争の場になっていくさまをカメラは厳しく見つめる。

そんな時代の流れに逆らう軍国少年の矜持、純情、悲哀がにじみ出てくる演出がすばらしい。

柏原兵三の小説「長い道」を藤子不二雄Aが「少年時代」として漫画化。これを山田太一がシナリオ化した。井上陽水の主題歌もヒットした。

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昭和19年から終戦にかけての東京から空襲で富山に疎開したシンジの疎開先での日常を描くが、昭和20年8月3日、富山空襲もあり「日本は負けたばい」と敗戦を知る。

駅のホームでシンジを見送るホームで子供たちが軍歌を唄おうとすると、駅長が「軍歌は歌うな。アメリカ兵が来たら大変だ」というと、進二の伯父・辰男は「歌は軍歌しか知らん」と予科練の歌(「若鷲の歌」)「♪若い血潮の予科練の~♪」を歌う。

小学校の教室の壁には「少年兵軍用犬」と筆で書かれた紙が複数張られている。罰則で、バケツを持って屋外に立たされたり、教室の雑巾がけ、当時の標語だった「進め一億火の玉だ」などの垂れ幕が時代を映す。

 

ラストで、シンジの見送りに間に合わなかったタケシが列車を追いかけるシーンがいい。死して、流れる主題曲、井上陽水の「少年時代」。

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監督:篠田正浩
原作:柏原兵三、藤子不二雄
企画・製作:藤子不二雄
脚本:山田太一
音楽:池辺晋一郎
主題歌:井上陽水「少年時代」
撮影:鈴木達夫
<主な出演者>
■風間進二(シンジ):藤田哲也…主人公。東京から富山へ疎開した国民学校5年生。
■大原武(タケシ):堀岡裕二…クラスの級長で番長。体が丈夫でケンカに強く、頭も良い。
■須藤健介(ケンスケ):小日向範威…タケシのライバル。
■田辺太(フトシ):山崎勝久…実力面では副番長格だが一匹狼的な存在。無口で大柄。
■佐伯美那子:小山篤子…校長先生の親戚で大阪から疎開してきた女の子。
■登(ノボル、浜見集落):工藤彰吾…マサルやキスケとは違い、シンジに対して意地悪ばかりする冷酷で陰険な性格。
■勝(マサル、浜見集落):細池孝二…シンジの同級生。同級生で太った男の子。おとなしい性格。
■喜助(浜見集落):中島賢太郎…シンジの同級生。時折他のクラスメイトと一緒にシンジをからかうこともあるが、基本的にマサル同様おとなしく好意的に接している。
■五年男組:黒田垂歩(野沢)、加藤隆司(河村)、長谷川靖夫(光夫)
■風間修作(進二の父):細川俊之
■風間静江(進二の母):岩下志麻
■風間秀一(進二の兄):鈴木武次郎
■風間まさ(進二の祖母):鈴木光枝
■風間辰男(進二の伯父):河原崎長一郎
■風間しげ(進二の伯母):三田和代
■武の祖父:伊達三郎
■武の弟:古川秀二
■太の父:益富信孝
■太の母:絵沢萌子
■太の姉(昭子):仙道敦子
■美那子の母:高畑淳子
■修作の運転手:田村錦人
■校長先生:芦田伸介
■増田先生:津村鷹志
■女先生:谷口朋子
■風泊の駅長:大滝秀治
■銭湯の老人:浜村純
■アナウンサーの声:天野脩次郎
■写真館の主人:大橋巨泉
■写真館の妻:三好美智子
■鳥舞の高等科:鈴木健
■鳥舞の六年生:加藤岳史
■鳥舞の五年生:森岩健太郎、川畑健一郎

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