「クライ・マッチョ」(2021)を見る。クリント・イーストウッド監督50周年および監督40作品目にあたる。元ロデオスターの老人を主人公に、メキシコに住む少年を父親に引き合わせるためにアメリカに向かう物語で、老人と少年の交流を描いた一種のロードムービー。
・・・
1978年。マイク・ミロ(クリント・イーストウッド)はかつてはロデオで名を馳せたが現在は落ちぶれ馬の調教師で生計を立てている。彼はある日とある仕事を受ける。
それは、メキシコでアルコール依存症の母親と暮らす少年ラフォ(エドゥアルド・ミネット)をテキサスに住む少年の父親ハワード・ポルク(ドワイト・ヨアカム)の元に送り届けたら5万ドル支払うという内容だった。マイクは少年と共にテキサスへと向かう道中、少年との交流を深めていく。
・・・
イーストウッドは撮影時90歳。「グラン・トリノ」(2008)あたりと比べると、年齢を感じさせるが、車の運転や、乗馬や馬の調教など「ローハイド」「荒野の用心棒」で慣れたところを見せている。ほかの動物も病気、けがなどを治せるだろうと、大型犬などを人々が連れてきて、アドバイスをする。「オレはドリトル先生か」と自問する茶目っ気もある。
また、メキシコのカフェの未亡人で女主人の女性から親切にされ、お互いに好意を感じて、ダンスを踊るなどのシーンがいい。
タイトルのマッチョというのは、少年が勝っている闘争用鶏に名前だが、人間にも当てはめて、「マッチョというのは過大評価されている。人は自分をマッチョに見せたがるものだ」というマイクの言葉もある。
ラフォ少年は、自分を捨てた父親が今更、自分を呼び戻すというのを不思議に思っていたが、テキサスで牧場主となっていて、何百頭もの馬を所有するというので、マイクに従ってテキサスに行く決心をするが、あとから父親が、メキシコにいる別れた妻の所有する証券の一部を手に入れたいという背景があった。
マイクは、メキシコとアメリカの国境にいる父親のもとにラフォを送り届けた。ラフォが、鶏のマッチョをマイクに贈呈すると「土曜の夜にはバーべキューになるぞ」と言いながら受け取る。
マイクとラフォ少年とのやり取りが要となるが、全体的にメリハリが少なく、物語は単調。90代の御大は、あと何本映画を撮るのだろうか。
【主な登場人物】
- マイク・マイロ:クリント・イーストウッド
- かつてはロデオ界のスターだった調教師。
- ラファエル・“ラフォ”・ポルク :エドゥアルド・ミネット
- メキシコで暮らすハワードの息子。
- ハワード・ポルク:ドワイト・ヨアカム
- マイクの雇い主でありラフォの父。
- マルタ:ナタリア・トラヴェン
- レストランのオーナー。
- レタ - フェルナンダ・ウレホラ
- ハワードの酒浸りの妻。
■「にほんブログ村」にポチッと!。
https://movie.blogmura.com/ranking/in
https://movie.blogmura.com/moviereview/ranking/in