「浮き草たち」（原題：Tramps、2017）を見る。往年の日本の名作「浮草」に似たタイトルだが、基本は”運び屋”の話をベースにした青春映画。
この映画も、カバンの中身がわからず、依頼人に届ける”仕事”を引き受ける互いに名も知らぬ若い男女が、やがてラブストーリーを予感させるエンディングで終わるというもので、ストーリー的には「恋人までの距離」（ビフォア・サンライズ）を彷彿とさせる。
感想などに「どんくさい若者たちの恋物語」とあるが、確かに垢抜けない”どんくささ”は否定できない（笑）。そこが、逆にどこにでもあるあるで共感を呼ぶところか。
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ダニエル（カラム・ターナー）は将来有望なシェフ。問題ばかり起こし、警察に交流されている兄から、ある仕事を頼まれた。仕事内容は単純で、ブリーフケースを持った運転手と一緒にリゾート地に行って、別のブリーフケースと交換するというもの。
嫌々引き受けたダニエルだったが、カバンを間違った人物に渡してしまう。焦るダニエルの前に、車の運転を引き受けていた別の謎の少女（エレン：グレース・ヴァン・パタン）が現れ、カバンを取り戻すために、探し歩くことになるのだが…。
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パソコンで競馬の中継動画を流して、集まったオッサンたちから取り分としておカネを稼いでいるダニー（ダニエル）。ダニー一家はポーランドからの移民家族で、他人に聞かれてはまずいことはポーランドをを話す。
食事を作って母と席につくが、兄のダレン（ミハル・フォンデル）は来ない。すると兄からがかかってくる。窓ガラスを割ったとかで一晩勾留されているようで、代役で明日仕事をしてくれと言われる。
「ある男の車でカバンを運んでほしい。報酬は1500ドル」「中身は？」「知らない」。絶対にやりたくないと断るが「母に代われ」と言われ、母は何か話し込んだ後「ダニエル、兄を手伝いなさい」と言ってくる。有無を言わせずで従うしかない。
仕事の詳細を聞くと、緑のバッグを持った女がベンチに座っているので、自分のカバンと交換することになっているという。
翌日、目を覚まして食事を終え、バイトも終え、さっそく例の仕事に向かう。指定の場所に到着。赤い車をチェック。すると後ろから赤い服の同年代くらいの女性に話しかけられる。「乗って」と言われ、車に乗るダニエル。
車内では会話無し。しばらく走行し、待機することに。「どんな奴が来るのか、知っているのか」と聞くが、その女性も知らないようす。
そのとき、急に男がやってきて「エンジンを止めずに後ろの窓を開けておけ」と指示。そして、男がカバンを窓から放り込み、去っていく。
急いで車を発進させ、ダニーは降りてブリーフケースを駅へ。ベンチに座っている女性を探し、それらしき人を見つけたので近くにカバンを置く。
続いてサッとその女性のカバンを持ち去り、交換に成功し、電車に飛び乗る。しかし、電車の窓から別のベンチに座った女性と目が合う。
その女性は緑のバックを持っている。「失敗した。緑のバックだ。」自分の大失態に気づき電車内でオロオロするダニエル。
急いで電車を降りてダッシュ。元の駅に戻るが、もうそこには女性はいない。すると階段のところで車を運転してくれた女性と遭遇。困っていたので「どこか連絡先はないか」と質問するが、無視してくる。
「君だって1500ドルもらえなくなるぞ」「あんた1500ドルもらえるの？」
どうやらその女性の報酬は、少ないらしい。
二人はカバンを取り戻し、依頼人に届けることができるのか。
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ロードムービー的ではあるもののサスペンスでもなく、「（ふたりの関係は）ゼロから始めよう」という主人公たちのラブストーリーを予感させる映画で、時間も１時間２０分程度というのがいい。
監督：アダム・レオン｜アメリカ｜2016年｜83分｜
撮影監督：アシュレイ・コナー
出演：
カラム・ターナー（Danny）
グレース・ヴァン・パタン（Ellie）
マイク・バービグリア（Scott）
マーガレット・コリン（Evelyn）
ミハル・フォンデル（Darren）
ルイス・キャンセルミ（Jimmy）
ほか
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